2024年03月28日

X-PFC搭載M9/92FS


マルシンからM9/92FS系列、つまりベレッタが再販されました。
今回の目玉は、カートリッジがブローニングハイパワーで採用された“X-PFC”になった事です。
しかもそのカートはハイパワーと共用です(実銃では当然の事ですが、マルシン史上では画期的出来事)。


見た目がリアルでカッコよく、アルミ素材のため軽量。異形Xチャンバーピンとの組み合わせによりガス抜けが良くなり凄まじい発火音となります。

今回もマルシンは様々なバリエーションを発売しましたが、私はM9ドルフィンを購入しました。

マルシンベレッタの中でもセミ/フル切り替えができる異端モデルですが、ベレッタ特有のオープントップスライドではない事や、実銃には存在しない架空銃(モデルはあるみたいですが)である事などから、今まで何となく敬遠していて今回が始めての購入です。


スライドトップが開いてないとベレッタっぽくないと思っていましたが、実際に手にしてみると、エジェクションポートの存在感が新鮮だし、一部が厚くなっているスライドのデザインなど、これはこれで悪くないと感じました。
通常のベレッタはアンビのコントロールレバーですが、ドルフィンはセーフティ/デコッキング操作は左側のレバーで行い、スライド右側のレバーはセミ/フルのセレクターです。水平でセミ、下げてフル。


デトネーターはハイパワーと同様の異形Xチャンバーピン。
バレル基部の補強ピンは従来と色が異なり銀色です。素材が変更されたのか?バレルの耐久性が上がっている事に期待します。

スライドを引いてみると、従来品に比べてテンションが弱い気がします。

リコイルSPとハンマーSPが柔らかいようです。カートのガス抜けが変わった事で、この辺のバランスも変更されています。
マガジンの色合いも少し変わった気がします。前回発売されたM9A1のマガジン(写真左)はシルバーでしたが使っているとサビが浮いて来ます。ハイパワーはマガジンが錆びにくくなったともっぱらの噂ですので、ベレッタのマガジンも改良されている事に期待します。

フルオート発火!

爆音で一気にカートを吐き出しました!フルオートサイクルも心地良く、楽しいです。

発火後に気付きましたが、ファイアリングピンプランジャーの素材が樹脂から金属に変更されていました。

このブログで何度も指摘してきましたが、マルシンベレッタで発火を繰り返すうちに不発が起きるようになるのは、このFピンプランジャーが消耗するのが原因です。そのため私は200発を目安に交換する事を推奨してきました。メーカーがここを改善してきたのは地味ですが大きな進歩だと思います。

ただしFピンプランジャーが消耗しない代わりに、ハンマーがヘコんでいます(写真は2マガジン発火後)。
このヘコみがどれだけ発火性能に影響するかは、今後検証していく必要があります。

さて、私が購入した個体では、箱出し直後に少々困った事がありました。
トリガーを引いてもハンマーがリリースされないのです。トリガーが空振りしてシアーが切れない感じです。
検証した結果、トリガーバーが外側に逃げてしまうのが原因だと判りました。
そこでグリップパネルの裏面にアルミテープを4〜5枚重ねて貼り、トリガーバーが浮かないようにしたところ解決しました。

もちろんアルミテープではなくABS板を貼るでも良いでしょう。私の個体だけなら良いのですが、同様の症状が起きる方はお試しください。
私はマルシンベレッタを何挺も保有していますが、このような現象は初めてです。
ドルフィンはフルオートメカがある関係でシアー周りのパーツ構成が異なる事が原因でしょうか?
それとも金型の劣化によるものでしょうか?
後者が原因なら、スライドストップレバーのように軸棒にスリーブを被せるなどしなければ根本的な解決にはならないでしょう。私が行ったのは応急処置で、グリップを交換する度に同じ事をしなければいけません。

しかし、マルシンによるX-PFC化はなかなか面白い展開です。今夏にはガバもX-PFC仕様となる予定なので楽しみ!

  

Posted by Red at 16:14Comments(2)モデルガン

2024年02月03日

ハイパワーのシアースプリングを弱める


マルシンのブローニングハイパワーにはいくつか持病があり、その1つとして「使用を続けているとトリガーを引いてもハンマーが落ちにくくなる」という症状があります。かなり強くトリガーを引かないと、ハンマーが落ちません。
スライドを介してトリガーの動きをフレームに伝えるハイパワーの構造を考えると、摩耗などでスライドとフレームのクリアランスがガタついてくればこうなるのは必然とも言えます。

自分もだいぶ使い込んだハイパワーのハンマーが落ちにくくなったので、対策として、

●スライドとフレームが噛み合うレール部分をパテや瞬着などで肉盛りしてタイトフィットさせる

●シアーとハンマーの接点を削ったり磨いたりする

●トリガーの一部を削って引きしろを増やす


などを行っていましたが、先日このブログのコメントで別の方法を教えて頂きました。

それは
●シアーレバーに金属板を貼る
●シアースプリングのテンションを弱める


という2つの方法でした。
ああ、その手があったか!と目からウロコ。
特にシアースプリング。自分はマルシンのガバメントキットを組む時、三つ叉のシアースプリングを必ず弱めてました。それだけになぜこの方法に気付かなかったのだろう。

というわけで、早速試してみました。
左が元のシアースプリング。これをほぼ真っ直ぐにしてしまいました。


これを組み込むと、

おお!ビックリするほどトリガープルとキレが良くなりました!
シアーレバーを盛る方法は試さなくても、とりあえずこれで十分。簡単なのでトリガーフィーリングが悪いという方はお試しください。

そしてこの「シアースプリングを弱める」ことは、もう1つのメリットがあります。
それは、シアースプリングの組み込みが容易になるという事です。

マルシンハイパワーの組み立てキットの中で、このシアースプリングの組み込みは最難関箇所です。
そこで自分なりの組み込みのコツをだいぶ前に記事にしたのですが、やはり皆さん苦労されているようで今でもこの記事に反響があります。シアースプリングを
弱めた事で、この作業がやりやすくなるという嬉しい副産物もありました。まさにイイ事ずくめ!
  

Posted by Red at 01:02Comments(10)モデルガン

2024年01月21日

スモルトVer.3スクエアバット


タナカからスモルトのスクエアバットバージョンが発売されました。
「スマイソン」の別名もあるスモルトは、S&W Kフレームとコルトパイソンのバレルが合体したカスタムガンです。
2021年に発売したモデルはラウンドバットでした。現在、S&Wリボルバーはランウドバットに統一されているそうなので、現代仕様という事になりますが、4インチや6インチにはやはりスクエアバットが合います。そんなユーザーの声に応えての発売です。


スクエアになった事でターゲットグリップが装着されています。ラウンドにはホーグ風のラバーグリップが付いていました。やはりこちらのほうがKフレ感ありますね。

ラウンドバット(写真上)との比較。

形状が変更されているのはHW製のフレーム部分のみで、シャーシは共有できるように巧みに設計されている事が分かります。

ラウンドバット版と比べると、フレーム以外にもいくつか変更点があります。
まずはワイドハンマー。

前回はセミワイドでした。


トリガーにはグルーブが入り、こちらもワイドになっていて正面から見るとトリガーガードからはみ出ています。
このハンマーとトリガーのワイド化によって、操作性は明らかに向上しています。

フロントサイトはレッドランプインサートになりました。

これら3パーツの変更でCMC製に似た仕様になっていますが、タナカ製はバレル固定ピンやシリンダーのリセスがなく、S&Wロゴが左側面に刻印されているのでフレームの年代は異なります。
スモルト/スマイソンは様々なガンスミスやショップによって作られているので、「パイソンバレルがS&Wフレームに付いている」ということ以外は、細かい仕様に「正解」はありません。従ってユーザーが好みに応じて積極的にカスタマイズして良い銃だとも言えます。

さて、スクエアバットになった事でグリップは選択肢が増えました。
私もさっそく交換しました。

ハートフォード製です。
CMC製を復刻したグリップで、味のある形状で好きな人が多いです。私もこの日のために何年も前に買ってあたためていました。見た目が良いだけでなく、とても握りやすい絶妙な丸みです。

無加工で着きましたが、フレームがわずかにはみ出ます。グリップ内部を少しだけ削ればぴったりフィッティングできると思いますが、このままでも問題にならないレベルです。

というわけで何年も待った甲斐がある大満足スモルト・スクエアバットです。
タナカは今月、このスモルト以外にもS&W M627やチーフのエアクルーマンを発売。
さらにこの後はS&W M28ハイパトやM10ユージモデルを発売する事もすでに発表されており、今年もタナカのリボルバー攻勢は続きそう。楽しみですが財布が心配。
  

Posted by Red at 21:39Comments(3)モデルガン

2024年01月15日

イングラム用エクステンションバレル


MGCのイングラム用のエクステンションバレルを入手しました。
イングラムと言えばサウンドサプレッサーのほうが馴染みがあり、私はこのようなアクセサリーが存在した事を最近まで知らなかったですし、中古でもあまり見かけません。こんなカッコイイ物があると知ってからは時折ネットで探すようになり、運良く出物を見つけたので購入できました。

サプレッサーと同じネジが切られているので、そのまま取り付けられます。


減音効果はありません。文字通りバレルを延長しているだけで、外径はサプレッサーよりも細いです。
メーカーは不明。MGC製?マルベリーフィールド製?

先日のビトクリーショーで小林社長にこのエクステンションについてうかがったところ、アメリカでこのような物が実際に販売されていたとの事です。ただし、バレル延長による命中精度向上などはあまり期待できず、持ちやすくなるぐらいだろうとおっしゃっていました。

さて、これを入手したのは、以前『M11近代化改修キット』を使ってカービン化したイングラムに装着するためです。


予想通り、超かっけぇ!!
全体が近代化されているので、M-LOKシステムっぽく見えます(笑)


金属なので感触が良いですし剛性も高く最高。
中古ながらまったく使用した形跡がない超美品です。
美品すぎるところが難点です。発火前提で購入したのですが、こんなに状態が良いとさすがの私でも発火を躊躇します(笑)。
  

Posted by Red at 23:24Comments(2)モデルガン

2023年11月25日

GM-7のリアサイト用ネジを探す&10-8風サイト製作

GM-7シリーズのリアサイトは当初からノバックタイプが基本です。

マイナススクリューでブリーチに固定されているのですが、これをヘキサゴンスクリューにできないかと思い、寸法が合う物を探してみました。
寸法を測った結果、求めるのは、

●六角穴付きキャップ
●M4×6
●ピッチ0.7
●頭部高さ1.5mm
●頭部径6mm

という事になるのですが、これにピッタリ該当する物は流通する規格では無いようです。
ただ、頭部径5.5mmであれば、他はまったく同じ物がコチラで販売されていました。

購入して早速装着。

直径が0.5mm小さくなったので周囲に若干隙間ができましたが、気にしなければ問題にならない程度だと思います。リアサイトの固定にはまったく問題ありません。
マイナスネジが嫌な場合には選択肢にしても良いと思います。

リアサイト周りでもう1ネタ。
スライドのノバック用カットにそのまま乗せられる10-8風のリアサイトを3Dプリンターで作ってみました。


前から後ろまで斜めに一直線なノバックに対し、10-8タイプのリアサイトは前方がスライドと平行、後端付近でほぼ垂直に高くなっています。
構えた時のサイトピクチャーはノバックとほとんど変わりませんが、片腕が使えない状況でもリアサイトを何かに引っかけてスライドをコックできます。

ショートスライドモデルに装着。

ノバックタイプは“主張が強い”感じがするので、少し落ち着いたイメージになったかな?

  

Posted by Red at 00:18Comments(2)モデルガン

2023年10月29日

M9がハイパワーとカート共通化?

マルシンが公式Xで意味深な動画を公開しました。


意味深…というか、意味はハッキリしていますね。
先頃発売された新型カートリッジ・X-PFCをハイパワーのマガジンから抜き、M9A1のマガジンに込めて行く動画。
これは現在「ハイパワー専用」として販売されているX-PFCが、近い将来再販されるM9シリーズにも対応するという事です。つまりM9シリーズがX化し、さらにカートの共通化も図られるという事を暗に示しています。


左がハイパワーと同時に発売されたX-PFC、右がM9シリーズ用の従来型PFCです。
どちらも9パラを再現しているのでカートの全長が同じなのは当然ですが、重要なのはプライマー(Fピン)の全長もまったく同じという事です。寸法が異なるのはプラグだけ。
という事は…


X-PFCのプラグを従来型の物に置き換えれば、このカートがM9にも使えるはずです、理論上…。

というわけでさっそく92FS(HW)で実験。

うひゃあ、やっぱりベレッタにこそこのリアルなカートは合いますね。
デトネーターやスプリングはノーマルのままです。


問題なく作動!
X-PFCの肝であるプラグとデトネーターが従来型なので、発火音やパワーは従来型と同等。単にケースがアルミ化されただけという感じです。
ガスのシール効果も異なるのでリコイルスプリングなどの調整が必要かも知れないと予想しましたが、しっかりスライドストップもかかりますしオーバーパワーとも感じません。
そしてフィーディングもまったく問題なし。
M9シリーズがX化される日はそう遠くないでしょう。
X化が待ちきれない方は、この記事の通りプラグだけ従来品を使えば普通のPFCとして使えるので、見た目がリアルなアルミカートとして遊びながら待つのも良いでしょう。


  

Posted by Red at 23:55Comments(10)モデルガン

2023年10月18日

俺のハイパワー改(1)


写真はX-PFC仕様ではなく、前回再販時に購入したハイパワーで、『俺のハイパワーフォトコンテスト』応募用にカスタムした物です。
グリップはmodel-sさん製でコレはコレでいいのですが、ノバックみたいなリアサイトにもした事だしラバーグリップを付けてタクティカル風味を出したいと思っていました。

ホーグ製のラバーグリップ。

実銃用のグリップですが、マルシンのハイパワーにはそのままでは付けられません。


左からホーグ、マルシン純正、マルシンのフレーム。
一見して分かるように、フレームに嵌まる出っ張りの形状がまったく違います。実銃用のグリップをマルシンフレームに装着するには、裏の出っ張りを大きく削り取るか、フレームの穴を大きく広げる必要があります。
どちらでもイイのですが、自分の場合には発火するので、フレームが破損した際に交換するフレームにまた同じ加工をしなければならない事を考えると、グリップを加工してしまったほうが後で楽です。

加工後のグリップ。

穴に嵌まる出っ張り周辺を削っただけでなく、赤丸で囲った部分もフレームに当たるので削りました。

せっかくなのでハイパワーのカスタム化を進めようと思い、3Dプリンターでパーツを2つ作りました。

1つ目はトリガー。

フラット&スケルトンにしてみました。
素材はABSですが十分な強度です。

トリガーは基部が出来てしまえば、指を掛ける部分の形状を変える事で色々なトリガーが作れます。
今後様々なトリガーを作ってみたいです。

もう1つ作ったのがマガジンバンパー。

これがあるとマガジンを確実に挿入できます。


とりあえず底に貼ってるだけです。
これは単なるABSの塊ですが、空洞にしてベースの代わりに取り付ければマガジンエクステンションになり、装弾数を増やす事ができます。15発ぐらいは入れられるようにできればいいですね。いずれチャレンジしましょう。



ベレッタをカスタムする人も少ないですが、ハイパワーをカスタムする人はもっと少ない気がします。
今後少しずつカスタムしてオリジナルのハイパワーを作っていきたいです。
  

Posted by Red at 18:10Comments(2)モデルガン

2023年10月10日

ディテクティブ3rdを作った(後編)


コルト・ディテクティブスペシャルの3rd issueを完成させた後編です。
前編ではバレル周りの加工を紹介しました。

バレルと並ぶもうひとつの山場、ショートフレーム化です。
ディテクティブは2nd issueの途中からグリップが短くなっているのでここも加工が必要です。

グリップの底部を切り離します。

これは簡単なんですが、問題は金属製のウェイトもこのサイズに合わせて切らなければいけない事です。
しかし!幸いな事に、10年前にこの銃の製作にチャレンジした時、すでに切っていました!それを使います。

とにかく固くて難儀した記憶があります。その苦戦の痕跡が切り口からも見て取れますが、おかげで今回はこの作業を省略できました。10年前の自分に感謝しつつ装着。

先ほど切り離したフレームの底部をJBウェルドでしっかり接着します。

切ったウェイトの切り口が波打っているし長さも少し足りませんが見えない場所なので問題ありません。

長さが足りないと言えば、フレームを切り離した際に、迂闊にも短く切りすぎました。
仕方ないのでジーナスを盛って延長。

こういう作業は少し長めに切っておいて少しずつ削って長さを合わせるのがセオリー。そうしようと思いながら作業したはずなのに、なぜこんな不用意な切り方をしたのか。自分が嫌になります。

R-modelではウェイトをシャーシにネジで固定するように変更されました。
そこでネジ頭がウェイト内に収まるように接合部の穴を面取りします。


ここは旧製品のように嵌めるだけでも大丈夫そうでしたが、板バネはウェイト側で保持しているので、シャーシとしっかり固定してガタつきをなくす事は作動性能の向上に効果ありそうです。面取りするだけで大した手間でもないのでR-model同様にネジ留めしたほうが良いでしょう。

ところで、オリジナルのウェイトには下の後端付近に突起があります。

グリップパネル側にはこの位置に穴があり、装着した時に突起が嵌まってグリップがズレないようになっています。
ディテクティブ加工の第一人者であるオラガバニストのあじゃさんは、切ったウェイトにも同じようなピンを立てて突起を再現しています。
しかし私はそんな難しい事はできないので省略。
グリップパネルのネジをしっかり締めれば、問題にならないぐらいには固定されます。実銃だと撃った時の衝撃で確実にずれるでしょうが、モデルガンではまあ大丈夫。それでも強く握るとわずかにガタを感じるので、いずれ対策をしようと思います。

木製グリップは実物です。以前輸入品マーケットで購入しました。少し傷はありますが、もしこれがパイソン用だったらとんでもない値が付くぐらい良好なコンディションです。このグリップを付けられるトイガンは日本にないからか比較的安く購入できた記憶があります。
短く切りすぎて盛ったフレームは、塗装したら分からなくなりました。よかった。
塗装はとりあえずマットブラックにしました。このほうが楽だからですが、いずれピカピカのコルトロイヤルブルーにしたいです。

ショートフレーム化はできたので、続いてトリガーです。
2ndはグルーブが入っていますが、3rdはグルーブが無いらしいです。

12年前に発売された非R-modelのトリガー(写真右)にはグルーブが入っていないので、こちらを使用します。


最後に、サイドプレートです。
2nd(写真左)は馬がかなり右に刻印されていますが、3rdはこれより左に入ってます。

非R-modelのサイドプレート(写真右)はやや左に入っていますが、実際にはもっと左です。シリンダーラッチの直下に馬の頭が来るぐらい。バレルのドナーにしたタナカの古いガスガンは正確な位置にあります。先頃発売されたコブラは非R-modelよりも左寄りに入っているのでそれを使う事も考えましたが、それでもまだ違うので、どのみち実物と同じ位置にはなりません。というわけで非R-modelの物を使う事にしました。
…と、ここで気づきました。
サイドプレートの裏を見ると、12年前とR-modelではラッチを動かす仕組みが違います。

左がR-model、右が非R。
作動自体に優劣は感じないので、R-model化にあたり実銃の構造を忠実に再現したのではないかと想像します。こんな気付きにくい部分まで変更しているとはすごいです。

まあ馬の位置は仕方ないですね。R-modelのサイドプレートを使うよりはマシです。
ハンマーは磨いてシルバーにしたいところ。これもいずれ。

こうして長年求めていたコルト・ディテクティブスペシャル3rd issueを完成させる事ができました。

ガスガン、非R-model、そしてR-modelを組み合わせたサンコイチ。しかしすべてタナカのパーツなので、タナカから発売される事もまったくの夢物語ではないと思います。やはり私のようなテキトーな人間のカスタムではうまく作れない部分や妥協した部分もありますから、製品版がほしいです。タナカが3rdを作ってくれたら、とりあえず私は2挺買う!


快調作動のR-modelベースですから、もちろん発火します!

最後に、ちょうど今月の『Gun Professionals』誌でToshiさんがコルトDフレーム特集をしているので、記念に記事と一緒に撮影。

  

Posted by Red at 21:16Comments(4)モデルガン

2023年10月08日

ディテクティブ3rdを作った(前編)

コルト・ディテクティブスペシャルの3rd issueを完成させました!

第3世代のディテクティブはバレル下にエジェクターロッドシュラウドを備えているのが一番の特徴です。私はディテクティブもローマンもシュラウドありのほうが好きです。フロントサイトの傾斜もスタイリッシュです。
しかしローマンはMGCやコクサイ、ハドソンなど多くのメーカーがモデルアップしていますが、シュラウドありディテクティブはモデルガン化された事がありません。タナカが遙か昔にカート式のガスガンを、そしてLSがプラモデルでリリースしているのみです。私はこのディテクティブ3rd issueのモデルガンを子供の頃から求めていました。12年前にタナカがシュラウドなしのモデルガンをリリースした後、それをベースにガスガンのバレルにすげ替えようとカスタムを始めました。7割がた完成していましたが、ベースのモデルガンのほうがシリンダーが動かなくなる持病をかかえていて、それが解決できないまま10年が経過していました。
今年、タナカは作動の不具合を解消した“R-model”として2nd issueを発売、その作動は完璧で近年屈指の大傑作に仕上がっています。ようやく動かして遊べるディテクティブが手に入ったので、これをべースにして3rdを作ったというわけです(本当はタナカが発売してくれるのが一番良いのだけど)。

もう完成しているので、製作過程は完成状態と共に紹介していきます。

2ndと3rdの相違点はバレル以外にも何箇所かあるのですが、まずは最も特徴的なバレルからです。

タナカがかつて発売していたカート式ガスガン

このバレルを切り取って2ndにつけるわけです。
ただし、このガスガンはインナーバレルを銃口側から巨大なネジのようなパーツで締め込んでいるという謎構造なので、横からの見た目はとても良いですが前方から見るとガッカリです。

そこでこれらのパーツを抜き取り、プラリペアで埋めて銃口部分を成形します。

たっぷり盛ってから削っていきます。
実銃の写真を見ると、マズルはフラットにも見えましたが、正しいのはアールだとXなどで教えて頂きました。というわけでわずかに盛り上がっているクラウンを何とか再現。


刻印は自前のレーザー刻印機で入れ直します。


右側はTANAKAの刻印だったので埋めて再刻印は必須。左側は元の刻印のままでも良かったのですが、表面を磨いたりしているうちに薄くなってしまったので同じく入れ直しました。

続いてベースとなる本体側の加工。

まずはバレルを半分ぐらい切り落としました。

そして残ったバレルの外周を削って細くします。


そこへ移植バレルを被せて強力な接着剤でくっつけます。

接着面が広いので取れる心配は少ないですし、元のバレルが中にあるのでインサートはそのままで安全対策もバッチリです。


エジェクターロッドを見比べたら違いがある事に気づきました。

上が2ndモデルガンで、下が3rdガスガン。先端のチェッカリングの細かさが違います。

実銃の写真を見ると、ガスガンのロッドを使うほうが良さそうです。

大昔のガスガンなのにここまで再現されているのはスゴイです。

ネジ径は同じなので付く事は付くのですが、若干長いためシュラウドに収まりません。


そこでネジの先端を少しだけ切り取り、ネジの後ろのから段差までの距離も削って伸ばしました。こうする事でロッドが深く入ります。


バレル周りはこれで完成。
後編ではグリップのショート化などです。


ーーー以下追記ーーー

元のバレル先端を切った関係でインサートも短くなったため、マズル付近に「視認用」のインサートを入れ直してあります。フォーシングコーンからバレル内に伸びるインサートとシリンダーインサートは元の製品のままなので、銃刀法に直結する安全対策としては問題ありませんし、素人ではメーカーのようなインサート工法は出来ないのであくまでも視認用となりますが、可能な限り業界の自主規制に準拠するよう努めています。
オートよりも構造が単純なリボルバーでは、カスタムする際に特に安全対策には注意を払うべきだと考えます。
記事をアップした時点でこの件は割愛していましたが、過日タナカが「プロップカスタム」と称する物品に関して強めの声明を発表したのを受け、ここに追記する事にしました。当方はタナカの声明を支持します。


タナカワークスの声明  

Posted by Red at 20:05Comments(2)モデルガン

2023年10月01日

タニコバ→MGCバレルのフィードランプ試作

MGCのガバメント(GM12)にタニオ・コバのバレルを流用するには、ロッキングラグやチャンバー左側を削り、変換用バレルリンクを取り付けるほか、フィードランプを増設する必要があります。
MGCのガバメントはリアルサイズカート化した際に、フィードランプがインナーシャーシからバレルに移されたからです。


フィードランプ自体は3Dプリント等で作るとして、問題はそれをどのようにバレル(もしくはシャーシ)に固定するかです。
この問題は自分の中ではすでに解決済みです。
バレルに穴を空け、

そこにタップでネジを切ります。

3Dプリント製のフィードランプ

これをイモネジと接着剤で固定するという方法です。


これで十分な強度と保持力があり、あらゆるカートで撃ちまくっていますが破損や外れてしまう事はありません。

今のところ問題はないのですが、改良する事にしました。

バレルに穴を空けるところまでは同じですが、タップでネジは切らずにイモネジも廃止します。
そしてフィードランプ側に同じ長さの突起を設けました。

この突起を穴に差し込んで接着するだけです。改良というよりも簡素化ですね。

突起部の強度が気になるところですが、このPA12という素材はだいぶ使ってみて強靱だという事が分かっています。破損の心配はないでしょう。
それよりも差し込んで接着だけだと外れてしまわないか心配でした。実際、MGCはフィードランプを横ピンで固定しています。ただ接着面が広い事と、フィードランプの形状自体を工夫していて無理な方向に力は加わらない(たぶん)ので大丈夫かなぁと思っています。

今回、このように仕様変更を試みる理由は、私がVショーでGM-7バレルをMGCガバに使えるようにするためのキットを販売しているからです。なるべく簡単に作れるキットにしようと考えての改良です。

接着剤は、自分は普段JBウェルドという超強力な物を使いますが、一般的な瞬間接着剤を使う人も多いのではないかと思い、今回は瞬間接着剤で固定しました(それでもちょっと強力なやつですけど)。



とりあえずプラオープン、CPを織り交ぜて約80発発火したあとの状態。

接着が取れる心配はなさそうです。

発火テストはガンガン続けます。
頑丈さで言えばこれまで通りイモネジを使うほうが間違いないでしょうが、これでも十分そうならこの仕様で来年のVショーで販売しようと思います。


  

Posted by Red at 01:10Comments(6)モデルガン

2023年09月25日

ハイパワー木グリ交換とリップ調整


X-PFCのブローニングハイパワー、今回の再販では木グリ付きも選べます。
ハイパワーは実銃でも黒いプラグリ仕様があるので、プラだからといってリアルじゃないという事はありません。プラグリを選ぶか木グリを選ぶかは好みの問題です。
マルシンのハイパワーはとても古い設計で、実物グリップは付きません。ネジ穴の位置やシルエットラインなどは同じなのですが、裏側の形状がまったく異なり、実物グリップを付けるにはグリップの裏側を大きく加工する必要があります。
なので「ビバリーヒルズコップごっこがしたい」という人などは、最初から木グリ付きを選ぶのが良いでしょう。

自分の場合には、マルシンハイパワーに付けられる木グリという物を以前ヤフオクで購入して持っていました。
これは高品質なトイガン用の木グリを多数製作・販売されているmodel-sさんという方の出品していた物です。マルシンハイパワー用の木グリとはレアだと思い購入し、保管していました。ついに満を持してこのグリップに換装します。

表は一般的なハイパワーのグリップで、チェッカリングもキレイです。
そして裏側はマルシン用の形状になっています。

ランヤードリングの部分まで覆うタイプなので、ランヤードリングは取り外します。

まったく加工の必要がなくピッタリ。素晴らしい。



これぞハイパワーという見た目になりました。

さて続いて少しだけ発火調整をしました。
購入時には付属の5発のみで快調に動きましたが、予備カートを入手して13発フルロードして発火してみたところ、このようなジャムが発生しました。

これは排莢不良ではなくダブルフィードです。発火したカートはきちんとエジェクトしているのですが、次弾装填時にその次のカートまで送り込まれそうになり、このようなジャムを起こしているのです。

これはマガジンリップが少し緩い事が原因と思われます。
送りこまれるべき弾が途中で上方に抜け出てしまうからこうなるのでしょう。

というわけで、マガジンリップを少し締めます。

前方はフィーディングに最適な角度なので、後端のほうをわずかに締めました。
といっても目で見て分かるほど形状を変えていません。ペンチで掴んでクックッと少し力を入れた程度です。

これで発火したら見事にノートラブルで1マグ撃ち切りました。

X-PFCの轟音でこれだけ連射できると快感です。

それにしてもX-PFCは腹にズドンと響くような音で本当にすごいですね。キャップ火薬1個でこれだけの音が出るのだから、モデルガンにはまだまだ無限の可能性が秘められていると思います。
  

Posted by Red at 21:24Comments(5)モデルガン

2023年09月20日

X-PFC搭載ブローニングHP


マルシンからブローニング・ハイパワーが再販されました。
いわずと知れたマルシンのロングセラー商品で、幾度も再販されています。
しかし今回は新型カートリッジ『X-PFC』を伴っての復活。事前にマルシンが公開したわずかな写真や図などの情報ではその全貌が不明だったため、一体どのようなカートなのか発売前から注目されていました。

新カートに合わせて、銃本体のバランスも見直されているようですが、外観的には大きな違いはありません。

しかしスライド・フレームの右側面にあった「MARUSHIN」「STGA」の刻印がなくなり、グリップを外した場所に移されました。近年はこのスタイルが主流になってきています。

そしてこれが新型カートリッジ・X-PFCです!

アルミ製で、ネジが弾頭付近に移動した形状はワルサーPPKですでに採用されています。
この構造の良いところは、弾頭の色を変えられるところです。ダミーカートリッジのようなリアルさが良いですね。
またこれまでは発火ガスによる負荷が最もかかる場所にネジがあったので、薄くなっている部分から亀裂が走る事がありました。この構造ならその心配もありません。
ではPPKのカートとX-PFCの違いはどこかと言うと、
プラグです!

高さ5.3ミリと高くなり、Oリングが廃止されています。
爆音プラグにも似ていますが、内部が大きく掘られ、底の付近はすり鉢状になっています。

カートリッジの変更に伴い、チャンバーピン(デトネーター)も変更されました。

これが『異形Xチャンバーピン』です。
先端はプラグ内部のすり鉢形状に合う傾斜がつけられ、側面には3本のスリットが掘られています。

このようにプラグにぴったりと嵌まり、発火直後にはガスをシールします。

このような形状のため、X-PFCのプラグは上下があります。掘られている方を弾頭側になるようにセットします。

プラグがチャンバーピンから離れた瞬間、側面のスリットから一気にガスが流れ出る仕組みのようです。

従来のチャンバーピン(写真下)との比較。

長さが異なるので、従来品との互換性はありません。
異形XチャンバーピンとX-PFCをセットで従来モデルに流用可能かどうかはまだ分かりません。今後検証したいと思います。

発火!

音がデカイ!
ハイパワー+PFCと言えば『下宿モデル』の異名を取るほど音がしない事で有名でしたが、そんな常識を覆す爆音です。
しかし耳が痛くなるような音ではなく、何となく心地良い発火音です。

まずはコマーシャルモデルが発売されましたが、ミリタリーやカナディアンなども来月以降に順次リリースされるようです。
初の閉鎖式ブローバックカートリッジ・PFCはマルシンのハイパワーによって世に放たれました。
そのハイパワーで、また新たなカートリッジが生み出された事はマルシンの、そしてモデルガンの歴史においても意義深いと思います。
今後、M9やガバメントなどにもXシステムが採用されるのでしょうか。楽しみです。

マルシンは旧態依然という印象を持つ方も多いかも知れませんが、再販の度にこのように新たな挑戦があり侮れません。
来月にはコルト25オートもセンターファイヤー化されて再販されます。そしてこれもアルミカートとなるようです。あんな小さいカートをアルミで作れるのか!?と興味は尽きません。


  

Posted by Red at 23:45Comments(9)モデルガン

2023年09月17日

コルト・コブラR-model


タナカからコルト・コブラが発売されました。
実銃はディテクティブスペシャルをアルミフレームにした軽量化モデルという位置付けです。
ディテクティブもコブラも長年に亘る製造期間の中で幾度も改良がなされていますが、素材が異なるというだけで両者の見た目は基本的に同じです。
モデルガンではどちらもHW材で再現されるので単なる刻印違いになるかと思いきや、先行して発売しているディテクティブとは異なる年代の物をモデルアップする事で見事に差別化が図られています。

5月に発売されたディテクティブスペシャルR-model(写真下)との比較。

コブラのほうが年代的には前のタイプで、1951年頃のモデルが再現されているようです。程なくしてコブラも下のディテクティブと同じ見た目になります。『Gun Professionals』2018年2月号を見ると、Toshiさん所有のコブラ(1959年製)は下のタイプです。

バレルには「COBRA」の刻印。
そして一見して分かる違いがエジェクターロッドの短さと先端形状です。


エジェクターロッドが短いので、当然カートを押し出せる距離も短く、操作するとチーフスペシャルのような印象を受けます。

モデルガンでは問題ないですが、実銃ではチャンバー内に貼り付いた空ケースを確実にエジェクトさせるにはもっと長いほうが良いはずです。S&Wリボルバーと違いロッド先端でシリンダーをロックするわけではないのでロッドを延長する事には問題なく、後の改良に繋がったのだと思います。
モデルガンを実際に操作してみると、このような改良の歴史がよく理解できますね。

もうひとつの特徴がベークライトグリップです。

1911A1のグリップと同様の樹脂製グリップで、タナカではこれをABSで再現しています。
内側にはウェイトが仕込まれており、そのおかげで実銃に迫る重量を実現しています(実銃との差はわずか5g!)。


サイドプレートの馬の刻印も中央付近に変更されています。
このような細かい部分の再現も抜かりないですね。

内部機構はディテクティブと同じなので作動性能についてはまったく心配ありません。
5月にディテクティブが発売されてから4ヶ月経つわけですが、けっこう頻繁に動かして遊んでいますが懸念されていたシリンダーが動かなくなる症状はまったく起きていません。さらに2次出荷分やポリスポジティブと発売されてかなりの挺数が市場に出回っていると思われますが、問題が起きたという話は聞きません。タナカによるコルトDフレーム機構は完成の域に達していると考えられます。
これほどの傑作に仕上がっているのですから、タナカのコルトDフレームには、さらなる展開を期待してしまいます。
  

Posted by Red at 14:53Comments(2)モデルガン

2023年07月10日

オラベレを作る(6)

俺だけのカスタムベレッタを作るシリーズは約3年前に集中的にやっていたのですが、その後マルシンからM9A1が発売され、これをベースにウィルソンカスタム92Gブリガーディアタクティカルを作ったらすっかり満足してしまい、気が付くとオラベレはほったらかしにしてました。

オラベレを作る(1)
オラベレを作る(2)
オラベレを作る(3)
オラベレを作る(4)
オラベレを作る(5)

最終的にこんな感じになっていました。

久々にこのベレッタカスタムを弄って更新します。
まずはグリップ後部のハンマースプリングキャップを交換します。ガバで言うとメインスプリングハウジングの位置にあるパーツです。
これを3Dプリントで作った物に変更。

ベレッタでランヤードリングを使う事はないので、左側のように斜めにカットされたパーツになっています。
これがマガジン挿入時にマグウェルの役割を果たします。

このようなパーツを実際にウィルソンコンバットが製作しており、それを参考に作りました。

続いてグリップを交換します。
VZ社のG10グリップを装着していましたが、ウィルソンカスタムと差別化をはかるために別のG10グリップを探していました。

中国製のグリップを見つけたので購入。約2,000円です。やっす〜!

取り付けは問題なくできましたが、握ってみると親指の付け根あたりが痛い。そして不快!

ここのエッジが立ちすぎているのです。
というか、ベレッタのグリップは普通はこの部分が薄くなっているのですが、このグリップは逆に少し厚くなっています。
ここが薄くないだけで、非常に握りにくいです。オリジナルのデザインって良くできてるな〜と、こうして弄るほど感心します。

というわけで、グリップ後部のクビレ周辺を面取りするように削ります。

ここを削っただけでグリップ感は格段に向上!

専用のスクリューも付属していましたが、ネジ径が違ったのでノーマルのスクリューで固定します。
バースト状のデザインが悪くない。

リコイルスプリングガイドは、M9A1の樹脂製に交換しました。

サビないから良いです。

というわけでこんな感じ。


オリジナルカスタムは終わりがありません。
ウィルソンカスタムとは違う方向性で育てていきたいと思います。
  

Posted by Red at 18:38Comments(0)モデルガン

2023年06月07日

C-TecマイルドキックのOリング交換

少し前に、BWCのガバで一般的なCPカートを使うという記事を書きました。
自作デトネーターとバレルの小加工で、シリーズ'80が快調に動きました。
仕様したカートはC-Tecのマイルドキックです。

調子が良かったので、次は同社のハードボーラーに挑戦しました。

ところが、同じ仕様にしたのに調子が悪い。
明らかにパワー不足で、スライドの後退量が少ないのです。

カートリッジを点検すると、インナーのOリングがガッツリと消耗していました。

これはダメだ!
C-Tecのマイルドキックは旧来からあるCPカートとパワーは同等で、音の抜けが良く、軽量なのでCPカートの決定版と言って良いカートです。そのため、自分はこの.45ACPは特に酷使していました。その結果Oリングがボロボロ。
ハードボーラーはスライドが重いため、5インチのガバでは問題なくてもこんなOリングではスライドを後退させるパワーが出ないでしょう。

交換します。
Oリングの交換で一番手こずるのは古い物の取り外しです。

ところがC-Tecのこれは非常に外しやすかったです。

取り外したOリングを見ると、余計にその消耗具合が分かります。

逆に、こんな状態で良く動いていたと思います。

CPカートのOリングは、「P3」という一般的な規格なので、メーカーから買わなくてもDIYショップなどどこでも容易に入手できます。耐久性も汎用の物で十分でしょう。
ただ、今回はモデルガンパーツショップM9のブランドMPSの物を使います。

MPSの強化OリングはヘキサゴンCP用やEVO2用が人気で、自分も愛用していますが、7mmCP用は初めて購入しました。汎用の物よりも高耐久が期待されます。

Oリングの交換が終わったところで、ハードボーラーで発火!

見事ノートラブルで撃ちきりました。

ヘキサゴンCPやEVO2カートはOリングが消耗しやすいのでその状態を注視しますが、CPカートのOリングはあまり問題が起きないので交換する機会がほとんどありません。
ここまで無残な状態になっていなくても、オイルを吸って太ったり硬くなったりする事も多いので、快調作動のためにはCPやPFCも適時Oリングの交換をしなくてはいけませんね。

  

Posted by Red at 19:09Comments(0)モデルガン

2023年05月19日

コルト ディテクティブスペシャルR-model


タナカからコルト ディテクティブスペシャル2nd issue "R-model"が発売されました。
ディテクティブが最初にモデルガンとして発売されたのが2010年(ABS製)、その後 HW版やジュピターフィニッシュなどのバリエーションがリリースされましたが、おそらく最後の発売から10年近く経過したのではないかと思います。
マニアは再販されるのを長らく待っていたし、しかもコルト病対策を施した"R-model"として戻って来たとあって、メーカーや問屋の想定を上回る注文数だったようです(5月出荷分は予約完売、足りない分は来月出荷されるようです)。

パイソンで好評だったR-modelは、シリンダーが回らなくなるコルトアクション特有の問題を克服したモデルでした。今回のディテクティブでも、内部パーツが見直されて作動不良を防いでいるようです。
しかし、内部だけでなく外観も変化しているので確認したいと思います。


バレル右側の刻印。書体が微妙に変更されています。
このマズルフェイスこそまさにスナブノーズです。


左側面の刻印とフロントサイト。
サイトにはセレーションが刻まれました。

フレームトップには、極細のセレーションが刻まれています。

視力が弱い人は肉眼では認識できないほど繊細なセレーションです。フロントサイトとここのセレーションが、今回の製品における外観上の一番の特徴と言えるでしょう。


ランパントコルトの刻印は、やや後方に移動しました。
今回タナカが「2nd issue」と銘打ったのは、刻印位置やセレーションなどの時代考証をきっちり行ったからだと思います。当時のモデルを忠実に再現しているのでしょう。


ヨークの裏側にあったSPGやTANAKAの刻印は、グリップパネルを外したところに移動しました。
ちなみにグリップはウェイト入りの木グリも同時に発売されています。


装弾数は6発。
S&Wのチーフよりも1発多く、Kフレームよりも薄く小さい。
この他にないスペックがコルトDフレームの魅力です。


シリンダーは確実に動き、ダブルアクションの場合はハンマーが落ちる直前にロックされます。
パイソンほどスイートなアクションではありませんが、確実に、そして永続的に動く事こそがこのモデルを待っていたユーザーの求めるところです。動く事は分かりました。あとはいつまで動き続けてくれるかです。タナカの事だから入念な耐久テストを行っていると思いますので期待しています。

サイドプレートを外した状態。

コルトアクションのメカが再現されています。
前モデルを持っている方は、特にボルト(シリンダーストップ)の形状などを確認したいと思います。が!ボルトにアクセスするためには結構色々なパーツを外す必要があります。その分解/組み立てをしたせいで動かなくなったら嫌なので、しばらくはいじらないでおきたいです。そっとフタを閉めました(笑)。せっかくタナカが動くようにしてくれたので当分このまま遊びます。


セレーションの再現や、確実な作動など、ファンの期待に応えた製品だと思います。箱もカッコイイ!
メーカー希望小売価格は税込み38,280円。リボルバーでこの価格は高いと感じる人が多いでしょう。しかし物価高騰が続く現在では当然の値上がりだと思いますし、待っていても今後値下がりする可能性はおそらくないでしょう。つまり今が底値。「これが3万円台で買えたなんていい時代だったなぁ!」という時代が来るかも知れません。待ってた人は今買うしかありませんね。

  

Posted by Red at 22:52Comments(6)モデルガン

2023年05月18日

タナカ新製品【コルトディテクティブスペシャル】ライブ配信


本日23時より、タナカの新製品“コルト ディテクティブスペシャル R-model”の開封の様子をライブ配信します。

お時間のある方はお付き合いください。チャットにてご参加頂けると嬉しいです。

ライブ配信枠の直リンク、もしくは当方のYouTubeチャンネルトップよりお入りください。

※ライブ配信中に、YouTubeに銃器と勘違いされて強制終了される可能性がありますが、予備枠を設けてありますので、途中で配信がストップしたら説明文の下にあるリンクより予備枠に移動をお願いします。

※アーカイブは数日後に削除します。


追記:案の定、配信中に強制終了されました。いつもなら予備枠に移動して配信を再開していたのですが、仕様が変更されたようでライブ配信機能がロックされ、再開できませんでした。

  

2023年05月16日

BWCをCPカートで撃つ


BWCのガバメントは、同社オリジナルのダブルキャップカートを使う仕様です。とても優れたカートですが、一般的なCPカートを使いたい場合もあり、時と場合によってどちらのカートでも使えるようにしたいと以前から考えていました。

まずはデトネーターを製作しました。

一番上がBWC標準のダブル用、真ん中は寸法を確認するために自分の3Dプリンターで出力したもの。問題なかったのでこれを3Dプリントサービスでチタン製に仕上げてもらいました。
全長は44.5mm、後端(インサート側)からカートストッパーまでの距離は29.5mmです。

デトネーターができればそれでOKと思いきや、そうではありません。
一般的なCPカートをBWC/GM-7のバレルに入れると、リムが飛び出た状態になります。

カートはここまでしか入りません。
タニオ・コバのGM-7ならブリーチフェイスが窪んでいるので、これでも問題ありません。
しかしBWCのブリーチフェイスは実銃と同様にフラットです。

これだと閉鎖しません。
ちなみにBWCのカートは一般的なカートと比べて全長が若干短く、このバレルにもすっぽり入ります。
一般的なCPカートが入らない原因は、デトネーターを支える4本のラグに当たってるからです。

ココを削ってカートが奥まで入るようにする必要があります。
やり方は単純に、リューターを突っ込んでグリグリと削るだけです。


カートがチャンバーにすっぽり入るようになりました。

スライドストップレバーの、マガジンフォロアーに掛かる部位も内側を少し削ります。

CPカートを使うと弾頭部分が当たる可能性が高いからです。

加工は以上。スプリング類はBWC標準のままです。
シリーズ'80 1991に、C-Tecのマイルドキックを装填して発火テスト!

快調に作動しました!
元々パワーの強いBWCカートに堪えられるので、CPカートでもオーバーパワーではありません。
なお、バレル内のラグを削りましたが、BWCカート使用時はデトネーターのカートストッパーで止まるため、奥に入りすぎる事はありません。
これでTPOに合わせてダブルキャップカートと、普通のCPカートを使い分ける事ができるようになりました。他のBWC製品のバレルも順次加工していこうと思います。

  

Posted by Red at 00:38Comments(2)モデルガン

2023年05月08日

C-Tec Wキック+P .50AE/9mm

C-Tec製の『Wキック+P』というカートについて、その.45ACPバージョンをV10バレル製作の記事で紹介しました。

同ブランドのWキックカートと構造的には大差がありませんが、インナーFピンの頭に小さな窪みがあり、ここにシリコンオイルを垂らしておくと凄まじいマズルフラッシュを実現する大変おもしろいカートです。



これの.45以外のカートも購入したので紹介します。
まずは.50AEです。

使用する銃はもちろんデザートイーグル。専用のデトネーターも購入する必要があります。

カートの構造は.45ACPと同じで、一般的なCPタイプにオイルポケットのあるインナーです。

インナーにシリコンオイルを垂らすのは意外と難易度が高いので、自分は以前、漏斗(じょうご)のような物を製作しました。
すると、オイルはスプレーではなく液体タイプを使用し、シリンジ(注射器)を使用してはどうかとのアドバイスを頂きました。なるほどなぁ!と思いつつも、これ用にわざわざ注射器を購入するのも何だか…と二の足を踏んでいたところ、川崎緑さんのYouTube動画で、プラリペアのニードルが使えると紹介されているのを見ました。プラリペアのニードルは余ってるのでこの方法を採用!

これで確実にインナーのポケットにオイルを注入できます。

というわけで、デザートイーグル発火!

凄まじい火球と轟音を吐きだし、重いリコイルショックが襲ってきます。
もう実銃撃ってるみたい!これはスゴく楽しい!
作動も快調でジャムは起きないし、パワーもうまくコントロールされていて銃が壊れる心配もなさそうです。

そして.50AEに続いて発売されたのが、9mmです。

これまでのCPタイプと違い、複雑怪奇な構造をしています。
組み立ても複雑で、これまでのモデルガン用カートリッジではなかった構造です。


まずはリム側ケースにプライマー部分と火薬をセット。


その上に先端の尖ったスリーブを、尖ったほうを下向きにしてセット。この下の部分がFピン(前撃針)となり、さきほどセットした火薬を発火させます。


その上にインナーをセット。このインナーはピストンの役割のみで、Fピンではありません。
そして上のポケットに例によってオイルを垂らします。

あとはブレット側ケースをねじ込んで完成。う〜ん、複雑。
若干組み立てには手こずりますが、多くのモデルガンで使用できるのが魅力です。
デトネーターは現在までにタナカSIG P220/226用、SIG P228用、グロック用、トカレフ用、マルシンM9用、KSC93R用が発売されています。他の機種用も順次発売されるでしょう。

いくつか試しましたが、調子が良いのはP228とマルシンM9です。

マルシン92FSの発火様子。
15発のハイキャパシティを、この迫力で連射できるのは爽快の一言。
今後もこの+Pシリーズの展開に期待です。


  

Posted by Red at 16:52Comments(0)モデルガン

2023年04月17日

グロックのマガジンエクテンションを作る

3Dプリンターを買いました。
そう、今までこのブログで「3Dプリンターで作った」とか得意げに書いておきながら、私は3Dプリンターを持っていなかったのです。
設計したデータをDMM.makeにアップロードして注文すると、数日後には造形された物が届くので自分で3Dプリンターを所有していなくても全然問題ないのです。
しかし、安いヤツでも良いので3Dプリンターは持っていたほうがイイという仲間の勧めもあり、ようやく購入しました。


FLASHFORGE社のAdventurer3 Proという機種です。
エントリーモデルとしては最適という評判です。

組み立てなども必要ないので、最低限のセットアップだけしたらすぐ使えます。
開封して1時間以内にはもうプリセットされているデータを造形できました。

さて、私は以前から3Dプリンターで作りたかった物があります。
グロックのマガジンエクステンションです。
マガジンボトムを少し大型にする事で、装弾数を2発増やすパーツです。これを作ります。

実銃用としてはかなり多くの種類が発売されていて、形状も凝ったものがありますが、最もシンプルなタイプを実物写真を見ながら設計していきます。

設計中の様子。

データができたところで印刷!


1時間程度で完成したので、実際に取り付けてみて形状や作動を確認。

寸法や角度が若干おかしかったので、データを修正して再度プリントを繰り返します。

何度か設計を修正しつつ試作を繰り返して、納得いく物ができました。

このマガジンエクステンションはお手本になる立体物が手元にないので正しい寸法がよく分からず、トライ&エラーを繰り返して作りました。これだけの数を何度も試して形状を詰めていった場合、外注だとどんなに早くても1ヶ月間はかけたでしょうが、家に3Dプリンターがあると2日でできました。こういう場合にはやはり家で造形できるのは便利です。
このままでも問題なく使えますが、このデータをDMM.makeに外注して高級機で造形してもらえば、さらにキレイに仕上がったり強度を持たせたりできます。適材適所で自宅のプリンターと外注を使い分けられるようになりました。

タナカのエボ2改に装填!

マガジンスプリングはノーマルのままです。
テンションはやや弱まりますが、スライドストップも問題なくかかります。
グロックはノーマルでも装弾数17発というハイキャパシティですが、このエクステンションを付けると19発、さらにチャンバーに+1発で計20発を装填できます。これで不発なく快調に作動すれば超楽しいです。
  

Posted by Red at 20:47Comments(0)モデルガン3D造形

2023年03月27日

ディテクティブがRモデル化!

本日発売の専門誌によると、タナカがコルト・ディテクティブスペシャルのR-modelを発売するそうです!

タナカは過去にディテクティブのモデルガンを発売していますが、シリンダーがうまく回らない持病、いわゆるコルト病を持っていました。

写真は初期ロットのABSモデル。
同じメカを持つコルトパイソンは、コルト病を克服して超絶スムースなアクションを実現した「R-model」を2016年に発売。パイソンの決定版と言える完成度となりました。
「ディテクティブもR-modelを!」というコルトファンの声は多かったのですが、長らく実現しないまま、それどころか非R-modelの再販すら途絶えてずいぶん経ちました。

ついにディテクティブスペシャルが、あの超絶スムースアクションとなってリニューアルされます。
安定した作動が実現されれば、その後のバリエーション展開も大いに期待できます。
過去に発売された際もフィニッシュ違いやバレル長の異なるポリスポジティブなどのバリエーションはありました。もちろん今回もそれらに期待しつつ、さらなる展開を期待してしまいます。

例えばディテテクティブスペシャル3rd issue。

バレルシュラウドを備え、グリップフレームが短縮された第3世代です。
写真は私が自作した物…というかまだ製作途中です(長年)。
3rd issueのモデルガンは私にとって積年の夢です。

またディテクティブ以外でも、コルト・コブラなどマニアックな人気がありそうです(モデルガン的には刻印バリエーションになりそうですが)。
さらに、ダイヤモンドバックなんて発売された日には、コルトファンは発狂して喜ぶでしょう。

今後コルトDフレームの展開をタナカに期待する人は、まずは今回のディテクティブスペシャルR-modelに注目しましょう!

写真は過去に発売されたジュピターフィニッシュ。
タナカは先頃、HWにメッキを施すこのジュピターシリーズを廃版にしたと発表しました。つまりR-modelのジュピターは残念ながら発売されないという事になります。
しかし現在タナカにはスチールフィニッシュという新しいシリーズがあります。とても美しいフィニッシュなので、過去にはなかった新しい展開に期待したいと思います。
発売時期は未定との事ですが、タナカは情報解禁から発売までそれほど期間が開かないので、早ければ5月、遅くとも夏までには購入できるのではないでしょうか。楽しみです!
  

Posted by Red at 16:21Comments(0)モデルガン

2023年03月21日

ボブチャウver.1.5への道(3)

タニオ・コバがイベント限定品として発売したボブチャウスペシャルver.3をベースに、ボブチャウスペシャルの現在の姿であるver.1.5を再現する第3回。

ボブチャウver.1.5への道(1)
ボブチャウver.1.5への道(2)

まずは前回までに作業した部分の手直し。
リアサイト側面のネジのモールドは、なんとなくの雰囲気物で作っていましたが、実物写真を参考にデザインし直して再現性を上げました。

ついでに台座部分の刻印も埋めて再塗装しました。


グリップパネルの抉れも少し深く追い掘りしました。

これは数値化できない形状なのでいくらでも修正したくなります。

さて今回は最終回。チャンバーカバーとマガジンバンパーの製作です。

まずチャンバーカバーですが、タニオ・コバの物はお馴染みの[.45 ACP]刻印のみですが、ボブチャウはナショナルマッチバレルで[CHOW]の刻印も入っています。


これはステンレス板に自前のレーザー刻印機で文字を入れて作ります。


こんな感じにできましたが、この上からキャロムのブラックスチールで黒く塗装し、

それを剥いでエイジド風にします。

うーん、塩梅が難しけどとりあえずこんなもんで。

続いてマガジンです。
タニコバの物には、これもお馴染みの8マキシマガジンが付属しています。

銃本体ではないのでマガジンは何でもイイと言えばそれまでですが、ボブチャウVer.1.5では、真鍮製のバンパーが付いたウィルソンタイプのマガジンがセットで紹介されている事が多く、自分にとってこの金色のマガジンバンパーもボブチャウの構成要件の1つなのです。

秋葉原の大雄で、MGCのマガジンバンパーが売られているのを発見し、購入しました。

自分はコレ知らなかったんですが、MGCのウィルソンマスターグレードという銃のマガジンにこのバンパーが付いていたようです。
買ったのはバンパーだけですが、MGCのウィルソンタイプマガジンの樹脂バンパーを外して無加工ポン付けできました。

このバンパーの黒染めを落として金色にします。
金属なので、めっき工房でメッキできるかと思い試してみましたが、結論から言うと無理でした。そもそもめっき工房の対応素材に亜鉛ダイキャストは入っていませんし、知り合いに聞いても難しいとの統一見解なので諦めて塗装する事にしました。

金色の塗料で調べたら「メッキ感覚ゴールド」が評判いいので、

コチラを使用してみます。


予想を超える美しい発色!
…ただ塗膜はとても弱いです。触らない物に向いた塗料なのでしょうが、マガジンバンパーは必ず触るから剥げやすいです。まあ暫定的にはこれで良しとしましょう。


実物の写真と比べると、形状がそっくりです。
それもそのはず。実物に付いているマガジンバンパーは、MGC製らしいです(!)。実物にある[MCW]の刻印は、MGCカスタムワークスの事。つまりイチロー氏に贈られた真鍮バンパーと、ウィルソンマスターグレードの亜鉛バンパーはまったく同じ形状と考えられます(同じ金型を使ったとか?)。
おまけにマガジンチューブやフォロアーまでそっくり。まさかマガジン自体もMGC製って事はないですよね?であればMGCのマガジンは素晴らしい再現度だと思います。
というわけで、マガジンはホブチャウ氏の手になる物ではないのですが、前述した通り自分にとってはこれもボブチャウスペシャルの重要なアイテムです。

最後にハートフォード製のベルトクリップ。

これも重要。


これでボブチャウver.1.5は一旦完成です。

再現しきれない部分もあるのでどこまで行ってもナンチャッテの域は出ないのですが、なんとか「ボブチャウスペシャル」と呼んでも良い見た目にはなりました。

あとは表面仕上げなどをどうするかです。チャンバーカバーをエイジド風にしたので、スライドやフレームも使い込まれた感じにしたくなりますね。まあそれは気の向いた時にやる事にしましょう。


と、ここで!なんと!!
ボブチャウスペシャルVer.1.5がBWCから発売されるとのニュースが飛び込んで来ました!

うおっ!これは欲しい!自分のようなモドキではなく完全再現ですから!オプションで真鍮バンパー付きマガジンも用意されてる〜。
しかし…15挺限定、しかも値段ガッ!!
…ただ、今回ボブチャウをいじってみて改めて思うのは、凄まじく手のかかっているカスタムだという事です。すべてのパーツに難しい加工が施されているので、それを考えれば適正価格とも感じます。物価高騰の折ですから余計にそう思います。

少数かつ追加生産もなしとの事なので、欲しい人は早めの予約必須です。
自分の場合は…もし清水の舞台からダイブして入手したとしても、発火用は今回作ったコチラになるでしょう(笑)。
  

Posted by Red at 17:43Comments(2)モデルガン

2023年03月05日

マルシンベレッタのFピンプランジャー交換

マルシン製M92FS/M9シリーズは快調に作動する発火して遊ぶのに適した傑作モデルガンです。
ただし、使用しているとやがて不発が頻発するようになります。
以前テストした結果では、発火総数が200発を超えたあたりから不発が起き始めました。
その不発の原因が、ファイアリンピンプランジャーの損耗である事も判明しました。

赤丸部分のパーツが、発火を繰り返すと潰れていくのです。
このFピンプランジャーを交換すると不発がなくなり発火性能が蘇りますので、マルシンベレッタで不発に悩まれている方は、200〜300発を目処にFピンプランジャーを交換してください。高いパーツでもないので、ここは消耗品と割り切ったほうがいいです。

今回はそのFピンプランジャーの交換手順を書きます。

1)まず、スライド上部の横ピンを抜き、ファイアリンピンブロックを取り外します。


2)続いて右側のセフティレバーのスクリュー2個を緩めてレバーを外します。


3)ファイアリングピンプランジャーを後方から押し込みながら、左側のセフティレバーを10時位置ぐらいまで回します。この時にレバーからセフティプランジャーが前方に飛び出すので紛失注意!


4)セフティレバーを左側に抜き出し、Fピンプランジャーを交換します。


あとは逆の手順で元に戻すわけですが、この交換手順で重要なのは、「(1)ファイアリンピンブロックを取り外す」を省略しない事です。外さなくてもセフティレバーは抜けるのですが、面倒くさがってこれを外さないと組み立てる時に難儀します。
スプリングの力でファイアリングピンが後退しているので、それが邪魔してレバーを挿入しにくいからです。

レバーを挿入する時、ブリーチの下からポンチや精密ドライバーなどを差し込んでファイアリングピンを前方に押し込むと、スルッとレバーが入ります。

ファイアリングピンブロックを外していないとこれができません。
マルシンの組み立てキットの説明書でも、ブロックは後から取り付ける事になっていますので、Fピンプランジャー交換の際にはFピンプロックを外すところから始めてください。

なぜこんな事をクドクド書くかと言うと、ズボラな私は以前ブロックを外さないまま作業して大変だったからです(笑)。
Fピンプランジャーは定期的に交換して、快適な発火ライフを楽しみましょう。

  

Posted by Red at 18:45Comments(2)モデルガン

2023年02月12日

ボブチャウver.1.5への道(2)

ボブチャウスペシャルの現在の姿であるver.1.5を再現する第2回です。
タニオ・コバがイベント限定品として発売したボブチャウスペシャルver.3(架空バージョン)をベースに、前回はグリップパネルの加工と、ハンマーの交換、加工を行いました。

今回はフロント/リアサイトをいじります。特にリアサイトは今回のカスタムの最重要にして最難関です。
ボブチャウスペシャルと言えば、ほぼすべてのエッジが落とされているため、「丸い銃」というイメージがありますが、タニオ・コバの物は四角い印象です。どうにもボブチャウっぽくないのは、サイト形状から受ける印象が強いと思います。なのでここは少し頑張って加工していきます。

まずはフロントサイトから。

四角すぎます。
でもこれは削れば済む話。


実銃の写真を見ながらなんとなく形を下書きし、そのラインに削っていきます。

樹脂だと思ったら金属だったので少々手こずりました。
これで塗装すればOKでしょう。

さて、問題のリアサイトです。

タニコバのスライドに乗っているのは現行型のボーマーサイトですが、実銃のボブチャウに乗っているのは初期型のボーマーサイトです。あるいは同じ形状のトライアングル社製サイトかも知れませんが、とにかく形状がまったく違います。
おそらくですが、初期型ボーマーサイトは入手困難だし削り出しで作るのもコスト的に無理なので、現行のボーマーサイトをそれっぽくメルトダウン加工して付けたのだと思います。しかしこのせいで銃の印象がまったく変わってしまっているので、何としてもリアサイトは変更しなければいけません。

ボブチャウスペシャルは過去に複数のメーカーがトイガン化していますので、それらのリアサイトを流用すれば済むと考えました。

そこでWA製のリアサイトをオークションで入手!

これを小加工して取り付けようと思ったのですが…

ん?

長さが全然違うじゃん!

いや参りました。初期型は前後長が短いです。長くなるならそれに合わせてスライドを削ればいいけど、短くなるという事はいま掘られている箇所を埋めなければいけません。しかもよく見るとアリ溝の位置も違うっぽいので、そこも埋めて掘り直す必要があります。そうなるともう大工事。それは嫌だ!
WAのリアサイトを流用するという案はボツです。

考えた末に出した結論は、元から付いている現行ボーマーの台座部分だけ生かし、ここに乗せる初期型ボーマーっぽい物を3Dプリンターで作るというものです。実物よりも前後長は長くなりますが仕方ないです。

スライド後端のえぐれ方(赤矢印)も、現行ボーマーに合わせた形状に削られていて実銃とは違うので、この形に合うように、かつ違和感がないようにデフォルメする必要があります。


何度か試作して形を詰めていきます。
後端の丸い部分は前述の通り形を少しデフォルメしていますが、さじ加減が難しいです。

これが出来た物。素材はナイロンです。

後加工を少しして乗せてみました。

大丈夫そうなので表面を研磨、脱脂して塗装。

悪くない。
側面のネジはモールドなので、左右のアジャスタブルは利きません。


上部のネジを回す事で上下のアジャスタブルは可能です。
モデルガンなのであまり意味ありませんが。


左側のモールドはもう少し形状を詰める余地がありそうです。また台座部分の刻印は埋めて塗装し直しても良いです。いずれも余力があれば。
実際はもっとローマウントっぽいですが、その加工は大変だしブリーチブロックとの兼ね合いもあるのでこれで妥協します。


フロントサイトも塗装。
だいぶ印象変わりました。


これでかなりボブチャウスペシャルっぽくなったと思います。
懸念されたリアサイトの前後長の違いや後部のデフォルメなども気にならないレベルで、雰囲気は出たと思います。

これで最大の難関はクリアしたので、もう完成したも同然です。
あとはチャンバーカバーとマガジンですけど、これは今回のリアサイトのように途方にくれる問題はなさそうなので近く完成するでしょう。
  

Posted by Red at 18:59Comments(2)モデルガン

2023年02月08日

P226ハンマーストップ交換


タナカのSIG P226レイルドフレームEvo2のハンマーストップを交換します。
このモデルは発火性能や耐久性を向上させたEvo2シリーズの中でも初のSIGで、この後に発売されたP226アーリーモデルからはさらに改良され、ハンマーストップがエラストマー(ゴム)製に変更、その後のMk25やP220、P228、P229などには同様のゴム製ハンマーストップが備わっています。

写真はMk25

つまりSIGのEvo2シリーズの中では、P226レイルドのみ金属製のハンマーストップが付いているのです。ここは発火の度にハンマーが激突してビーバーテールにダメージを与えるので、衝撃を吸収するゴム製ハンマーストップに交換したほうが良いでしょう。
P226アーリー発売からしばらく経ち、パーツが入手できるようになった時点で交換すれば良かったのですが、その頃には箱出し快調で見た目もカッコイイMk25のほうをメインに発火していたので、すっかり後回しになり、何年も経ってしまいました。今回、別のパーツ注文のついでにモデルガンパーツショップM9にゴム製ハンマーストップを注文したので交換します。

触るとゴムであると分かりますが、形状は従来のハンマーストップと変わらないため写真だけでは区別がつきません。

グリップを外し、フレーム後端のピンを抜きます。


これだけでハンマーストップは外れます。


スプリングと、その軸になる真鍮製のパイプがセットされているので、これを付け替えます。

真鍮パイプも簡単に抜けました。

これをフレームにセットし、ピンで固定し直して完了です。

スプリングをハンマーに引っかける関係上、テンションがかかるのでフレーム側のピン穴とハンマーストップのピン穴を合わせるのが少し難しいかも知れません。
その際には写真のようにポンチで仮固定しておいて、それを押し出すようにピンを挿入すると良いでしょう。
このパーツを交換したのは初めてでしたが簡単でした。

なお、P226はグリップを外すとマガジンキャッチも外れます。マガジンキャッチが外れるとセットされている小さなスプリングを紛失しがちなので要注意です。(実際になくしかけたので備忘録として書いてます・笑)。

Evo2モデルであれば、レイルド以外の機種は最初からゴム製ハンマーストップ装備なので交換する必要はないですが、レイルドモデルのオーナーや、Evo2以前のモデルをお持ちの方は交換して予め破損対策するのが良いと思います。高い物でもないですし、交換も容易なので。

  

Posted by Red at 18:01Comments(0)モデルガン

2023年02月04日

ベレッタ92G-SDという銃


写真はマルシンのM9A1フレームに、同社の92FSブリガーディアスライドを乗せたニコイチ状態です。
こういう組み合わせの銃はベレッタから実際に発売されています(いました)。
モデル名は『92G-SD』。
日本ではベレッタ92系のバリエーションや系譜が紹介される際に無視される事が多いので、あまり知られていないと思います。

ベレッタ92に関する日本語版Wikiペディアでも92G-SDの事は掲載されていませんが、アメリカのWikiでは92G-SD単独のページが設けられて詳細に解説されています。

Beretta 92G-SD/96G-SD - Wikipedia(米国)
※リンクはGoogle翻訳による日本語訳の結果

またYahoo!(米国)の画像検索で「Beretta92G-SD」と検索しても、実銃の画像がたくさんヒットします。

このベレッタ92G-SDの姿を見ると、「M9A1のフレームにブリガーディアスライドが乗っている」と思いがちですが、先の米国版Wikiによれば、92G-SDの登場は2001年か2002年頃らしく、これが間違いでなければM9A1の登場(2006年)よりも早いです。つまり、「M9A1のほうが92G-SDのフレームを採用した」と言うのが正しいという事になります。
ただし92G-SDに関する資料は日本では少ないため、正確な事はよく分かりません。

ウィルソンコンバットの創設者であるビル・ウィルソンは、この92G-SDこそベレッタ92シリーズで最も優れた仕様だと評しています。
そしてこの92G-SDを復活させ、かつ理想のベレッタを完成させるためにウィルソン92Gブリガーディアタクティカルを製作、同社のベレッタカスタムはここからスタートしています。

前置きが長くなりましたが何が言いたいかと言うと、マルシンにはぜひ、この最高のベレッタこと92G-SDを製品化してほしいという事です。
M9A1は一昨年に新製品として登場しましたが、次かその次のM9/92FSシリーズ再販のタイミングでぜひ検討して頂きたいです。
基本的にはスライドとフレームを組み合わせるだけですので比較的簡単で、変更する必要があるとすれば刻印ぐらいでしょう。
ちなみに「92G」シリーズはマニュアルセフティがなく、コントロールレバーはデコッキングオンリーです。レバーを下げるとSIGのように跳ね上がって元の位置に戻ります。かつてマルシンが発売したフランス仕様のPAMAS G1ではこのデコッキングオンリーは再現されておらず、またCQBモデルもスライドの右側面に「92G」の刻印がありますがセフティがかかるため「G仕様」にはなっていません。
欲を言えば「G仕様」を再現してほしいところですが、まあ見た目のみの再現でも良いかと思います。

変わってこちらはマルシンのノーマルスタイルの92FSです。

自分にとってベレッタはマルシンのHW製モデルガンの印象が強いのでマットブラックのイメージなのですが、実銃の写真を見ると結構光ってるんですよね。特にスライドの側面が。
そこでスライドを塗装して側面のみポリッシュしました。確かにこうすると雑誌などで見る実銃のイメージに近づく気がします。
マルシンベレッタもまだまだ遊べますね。
  

Posted by Red at 17:29Comments(2)モデルガン

2022年12月17日

SIG P229を9mmカートで撃つ

タナカから発売されているSIG P229は、.357SIG仕様です。
発売当初から他口径へのコンバートをしてみたいと思いつつも、モデルガン初の.357SIGカートにとても満足しているのでずっと試さないままでした。
先日、「P228のバレルを組み込むだけで9mmカートが撃てる」というツイートを目にし、知人からも同様の話を聞きました。
いやいや!
リム径も違うんだからさすがにバレル交換だけでは無理だろう〜
と思いつつ試してみたら、


本当でした!(笑)

P228のバレルをデトネーターごと組み込んだだけ。マガジンもそのままです。

P228とP229は多くのパーツが共用なので、比較的容易に9mm化できるだろうとは思っていましたが、バレル交換だけで快調に作動するとは思いませんでした。


9mmパラ(左)と.357SIG(右)ではリム径が異なり、.357SIGのほうが大きいです。
カートの固定をアシストするためにブリーチフェイスにはアーチ条のリセスが設けられていますが、9mmカートでは当然合いません。

しかし緩い分にはあまり問題ないのでしょう。チャンバーに送り込まれればデトーネーターによってセンターも保持されますから。
問題はエキストラクターです。

リム径が小さい分、やはりエキストラクターの保持も少し甘いです。
しかしこの緩さもあまり問題にならない程度なのかも知れません。
ただ、排莢方向はやや散り気味です。エキストラクターがキツければもう少し安定するかも知れませんが、P228も前方に排莢しがちなので、エキストラクターの問題ではないかも知れません。

SIG P229は口径を示す表示がスライドやフレームになく、チャンバーカバーのみに刻印されています。ですからP228のバレルを組み込むだけで、外見上も整合性が保たれています。

.357SIG仕様の装弾数に満足できない方は、9mm化してみるのも良いと思います。

ついでに.40S&W化の可能性も探ってみました。
.40S&W口径のモデルガンはMGCのベレッタ96FSだけで、カートもそれ用の純正かサードパーティー製しかなく、選択肢は少ないです。

.357SIG用のバレルにMGCのCPカートを入れてみたところ、すんなり入りました。
リム径は.357SIGと同様なので、ブリーチ、エキストラクターとの相性もピッタリです。

発火作動だけなら、デトネーターさえあれば若干のパワー調整でできると思います。
ただし外見にも拘るなら銃口内部を削って広げ、マズルビューを.40S&Wのソレにする必要があります。

ちなみに.40S&Wと似たサイズの、MGC製GM5用スモールカートでも試してみましたが、弾頭形状やリム形状の関係で合いませんでした。
  

Posted by Red at 17:35Comments(6)モデルガン

2022年12月03日

V10のバレルを作る(3)


タニオ・コバGM-7のバレルを使って、MGCのV10ウルトラコンパクト用バレルを以前作りました。

過去の記事
V10のバレルを作る(1)
V10のバレルを作る(2)

発火作動させると、リコイルスプリングガイドが傾き、後端がバレルリンクの入る溝に嵌まり込んで動かなくなるという不具合が発生(詳細は2番目の記事を参照)。


その原因は、タニコババレルの溝はMGCのそれよりも深く切り込まれている事でした。

左がMGC、右がタニコバ。赤矢印の位置を、MGCと同じぐらいまで下げる必要があります。
前回の記事では、小さく切ったABS板を貼りつける事で一応、解決しました。


しかし、その後発火を繰り返していくうちに…
ABS板は段々と押し込まれ…


最終的には、

ABS板、取れちゃいました。
リコイルスプリングガイドによるプレッシャーはかなりのようです。
また貼りつけてもきっと結果は同じでしょうから、今回は別の対策を行います。

当初は横穴を空けてそこにピンを打ち込もうと考えていました。しかし、穴周辺の強度が心配。
バレルとにらめっこして、別の方法を思いつきました。

横穴ではなく、縦に穴を空けました。
貫通させるわけではないので、穴を空けるというよりも掘ると言ったほうが正解かも。

この穴にイモネジをねじ込みます。一般的なデトネータースクリューです。

全部ねじ込むのではなく、これぐらい頭が出た状態です。
これでリコイルスプリングガイドが傾く事も、嵌まり込む事もなくなりました!これなら強度の心配もありません。

最初からこうすれば良かったけど、それは結果論。こんな方法最初には思いつきません。まさに必要は発明の母。
このタイプのリコイルスプリングガイドは、V10のほかデトニクスやオフィサーズでも採用されているので、これらのモデルにGM-7用バレルを流用する際には同じ方法が有効となるでしょう。

  

Posted by Red at 23:48Comments(0)モデルガン

2022年11月30日

マルシンM16に実物30連マグを使う(1)


今年再販されたマルシンのM16シリーズ。本体には20連マガジンが付いています。
マルシンは過去に30連マガジンも発売していますが、ずいぶん長いこと再販されていません。本体をブラッシュアップして再販した今回のタイミングでも30連が復活しないところを見ると、もうプレス型がないのかも知れません。

そこで米軍放出品の実物マガジンを使いたいと思います。


まず何も加工せずにマルシンに挿入してみると、入る事は入りますがマガジンキャッチが掛かりません。
どうやらマガジン側面の穴とキャッチの位置が少しズレているようです。

ネットで調べると、マガジンキャッチの上部を1ミリほど削るだけで掛かるようになるとの事。
ただその方法だと今度は純正マガジンを入れた時に1ミリ下で保持されるようになり、純正を使えなくなってしまいます。
「実マグを加工したくない」「純正マガジンは使えなくてイイ」という人はマガジンキャッチを削るで良いと思いますが、自分の場合には純正が使えなくなると困るので、本体はいじらずマガジンを加工する事にしました(そんな貴重な物でもないし、安かったし)。

マグキャッチを削れば良いという事は、マガジン側の穴の上部を削っても同じ事です。


1ミリ幅の印を付けて削りました。
最終的には1ミリ削っただけでは掛からず、2ミリぐらい削りました。また上部だけでなくサイドも少し削って、キャッチが掛かるようになりました。

これでOKかと思いきや、ホールドオープンした状態からボルトキャッチを操作しても、ボルトがリリースされません。
純正マガジンと比べると、マガジンフォロアーのボルトキャッチがかかる場所が違います。マルシンのほうはかなり下です。

実マグを入れると、ボルトキャッチを押してもフォロアーを下げ切れないのだと思います。

そこでフォロアー後部も純正と同じ形に削りました。

これでOK!

マガジンスプリングが強いので、とりあえず3巻きほど切りました。

とりあえずこれでマガジンの挿入、手動での装填、排莢はできるようになりました。


しかし肝心の発火性能のほうが…購入当初は良かったものの、だんだんと調子を崩して不発が頻発するようになっているので完動にはほど遠いです。
30連射できなければ30連マガジンにする意味がないので、いつか実現したいと思います。

  

Posted by Red at 17:48Comments(2)モデルガン

2022年10月28日

ワルサーPPK/Sと新カート(マルシン)

マルシンからワルサーPPシリーズが再販されました。
いわずと知れたマルシンのロングセラー商品です。
自分はPPK/Sを持っていなかったのでHW版を購入しました。


最近のマルシンは、ただ再販するだけでなく毎回何らかのアップデートを施してくれます。
今回は箱がリニューアルされた他、スライドからマルシン刻印が消え、左グリップを外したところに移動しました。


これだけの事でも通常の状態では玩具的な刻印が見えなくなり、外観のクオリティアップです。
またカートがリニューアルされた事で内部も少し改良されているようですが、今のところどの辺が変わったのかはよく分かりません。今後少しずつ見比べていこうと思います。

今回、銃本体よりも注目された(?)新型カートリッジがこちら。

素材は昨今のトレンド通りアルミ製。ケースだけでなくプライマーやプラグなどもすべてアルミなので超軽量です。
発火時の耐久性を保つためだと思われますが、ネジ部分が前方に移動。それに伴い「逆C-Tec」とでも言うような二重構造になりました。そしてこの構造になった事によってケース部分と弾頭部分の色を変える事ができるので、見た目が非常にリアルになりカッコイイ!
ブローバックパワーを生む仕組みは従来のPFCそのままですが、ケースの構造がこのように大幅に変更されたのは、PFC史上初の出来事と思われます。マルシンも進化してます!

別売りの予備カートは5発セットで3500円。1発700円は以前の感覚だと目玉が飛び出るような値段ですが、物価高騰の折ですのでこんなものでしょう。数年後にはさらに倍値とかになっているかも。

期待の発火!

軽量化されたカートが一直線に排莢!
内部リファインのおかげか快調作動です。


マルシンの PPシリーズは、発火するならHWモデルのほうが適していると思います。ABSだとスライドが軽い上にストロークも短いので作動が速すぎて調整はややシビアです。


PPK/Sは、PPKとあまり変わらないコンパクトさでありながら、見た目のバランスもほとんど崩さず装弾数が1発多い。チャンバー+1で合計9発も入るっていいですねぇ。
自分にとってPPK/Sは、子供の頃に持っていたエアコキ以来です。ホルスターとセットで比較的安く売られていたエアガンを気に入ってました。確かマルゼン製だったと思います。
久々にPPK/Sを握って、少年時代を思い出しました。
  

Posted by Red at 11:40Comments(6)モデルガン