2023年10月29日

M9がハイパワーとカート共通化?

マルシンが公式Xで意味深な動画を公開しました。


意味深…というか、意味はハッキリしていますね。
先頃発売された新型カートリッジ・X-PFCをハイパワーのマガジンから抜き、M9A1のマガジンに込めて行く動画。
これは現在「ハイパワー専用」として販売されているX-PFCが、近い将来再販されるM9シリーズにも対応するという事です。つまりM9シリーズがX化し、さらにカートの共通化も図られるという事を暗に示しています。


左がハイパワーと同時に発売されたX-PFC、右がM9シリーズ用の従来型PFCです。
どちらも9パラを再現しているのでカートの全長が同じなのは当然ですが、重要なのはプライマー(Fピン)の全長もまったく同じという事です。寸法が異なるのはプラグだけ。
という事は…


X-PFCのプラグを従来型の物に置き換えれば、このカートがM9にも使えるはずです、理論上…。

というわけでさっそく92FS(HW)で実験。

うひゃあ、やっぱりベレッタにこそこのリアルなカートは合いますね。
デトネーターやスプリングはノーマルのままです。


問題なく作動!
X-PFCの肝であるプラグとデトネーターが従来型なので、発火音やパワーは従来型と同等。単にケースがアルミ化されただけという感じです。
ガスのシール効果も異なるのでリコイルスプリングなどの調整が必要かも知れないと予想しましたが、しっかりスライドストップもかかりますしオーバーパワーとも感じません。
そしてフィーディングもまったく問題なし。
M9シリーズがX化される日はそう遠くないでしょう。
X化が待ちきれない方は、この記事の通りプラグだけ従来品を使えば普通のPFCとして使えるので、見た目がリアルなアルミカートとして遊びながら待つのも良いでしょう。


  

Posted by Red at 23:55Comments(10)モデルガン

2023年10月18日

俺のハイパワー改(1)


写真はX-PFC仕様ではなく、前回再販時に購入したハイパワーで、『俺のハイパワーフォトコンテスト』応募用にカスタムした物です。
グリップはmodel-sさん製でコレはコレでいいのですが、ノバックみたいなリアサイトにもした事だしラバーグリップを付けてタクティカル風味を出したいと思っていました。

ホーグ製のラバーグリップ。

実銃用のグリップですが、マルシンのハイパワーにはそのままでは付けられません。


左からホーグ、マルシン純正、マルシンのフレーム。
一見して分かるように、フレームに嵌まる出っ張りの形状がまったく違います。実銃用のグリップをマルシンフレームに装着するには、裏の出っ張りを大きく削り取るか、フレームの穴を大きく広げる必要があります。
どちらでもイイのですが、自分の場合には発火するので、フレームが破損した際に交換するフレームにまた同じ加工をしなければならない事を考えると、グリップを加工してしまったほうが後で楽です。

加工後のグリップ。

穴に嵌まる出っ張り周辺を削っただけでなく、赤丸で囲った部分もフレームに当たるので削りました。

せっかくなのでハイパワーのカスタム化を進めようと思い、3Dプリンターでパーツを2つ作りました。

1つ目はトリガー。

フラット&スケルトンにしてみました。
素材はABSですが十分な強度です。

トリガーは基部が出来てしまえば、指を掛ける部分の形状を変える事で色々なトリガーが作れます。
今後様々なトリガーを作ってみたいです。

もう1つ作ったのがマガジンバンパー。

これがあるとマガジンを確実に挿入できます。


とりあえず底に貼ってるだけです。
これは単なるABSの塊ですが、空洞にしてベースの代わりに取り付ければマガジンエクステンションになり、装弾数を増やす事ができます。15発ぐらいは入れられるようにできればいいですね。いずれチャレンジしましょう。



ベレッタをカスタムする人も少ないですが、ハイパワーをカスタムする人はもっと少ない気がします。
今後少しずつカスタムしてオリジナルのハイパワーを作っていきたいです。
  

Posted by Red at 18:10Comments(2)モデルガン

2023年10月10日

ディテクティブ3rdを作った(後編)


コルト・ディテクティブスペシャルの3rd issueを完成させた後編です。
前編ではバレル周りの加工を紹介しました。

バレルと並ぶもうひとつの山場、ショートフレーム化です。
ディテクティブは2nd issueの途中からグリップが短くなっているのでここも加工が必要です。

グリップの底部を切り離します。

これは簡単なんですが、問題は金属製のウェイトもこのサイズに合わせて切らなければいけない事です。
しかし!幸いな事に、10年前にこの銃の製作にチャレンジした時、すでに切っていました!それを使います。

とにかく固くて難儀した記憶があります。その苦戦の痕跡が切り口からも見て取れますが、おかげで今回はこの作業を省略できました。10年前の自分に感謝しつつ装着。

先ほど切り離したフレームの底部をJBウェルドでしっかり接着します。

切ったウェイトの切り口が波打っているし長さも少し足りませんが見えない場所なので問題ありません。

長さが足りないと言えば、フレームを切り離した際に、迂闊にも短く切りすぎました。
仕方ないのでジーナスを盛って延長。

こういう作業は少し長めに切っておいて少しずつ削って長さを合わせるのがセオリー。そうしようと思いながら作業したはずなのに、なぜこんな不用意な切り方をしたのか。自分が嫌になります。

R-modelではウェイトをシャーシにネジで固定するように変更されました。
そこでネジ頭がウェイト内に収まるように接合部の穴を面取りします。


ここは旧製品のように嵌めるだけでも大丈夫そうでしたが、板バネはウェイト側で保持しているので、シャーシとしっかり固定してガタつきをなくす事は作動性能の向上に効果ありそうです。面取りするだけで大した手間でもないのでR-model同様にネジ留めしたほうが良いでしょう。

ところで、オリジナルのウェイトには下の後端付近に突起があります。

グリップパネル側にはこの位置に穴があり、装着した時に突起が嵌まってグリップがズレないようになっています。
ディテクティブ加工の第一人者であるオラガバニストのあじゃさんは、切ったウェイトにも同じようなピンを立てて突起を再現しています。
しかし私はそんな難しい事はできないので省略。
グリップパネルのネジをしっかり締めれば、問題にならないぐらいには固定されます。実銃だと撃った時の衝撃で確実にずれるでしょうが、モデルガンではまあ大丈夫。それでも強く握るとわずかにガタを感じるので、いずれ対策をしようと思います。

木製グリップは実物です。以前輸入品マーケットで購入しました。少し傷はありますが、もしこれがパイソン用だったらとんでもない値が付くぐらい良好なコンディションです。このグリップを付けられるトイガンは日本にないからか比較的安く購入できた記憶があります。
短く切りすぎて盛ったフレームは、塗装したら分からなくなりました。よかった。
塗装はとりあえずマットブラックにしました。このほうが楽だからですが、いずれピカピカのコルトロイヤルブルーにしたいです。

ショートフレーム化はできたので、続いてトリガーです。
2ndはグルーブが入っていますが、3rdはグルーブが無いらしいです。

12年前に発売された非R-modelのトリガー(写真右)にはグルーブが入っていないので、こちらを使用します。


最後に、サイドプレートです。
2nd(写真左)は馬がかなり右に刻印されていますが、3rdはこれより左に入ってます。

非R-modelのサイドプレート(写真右)はやや左に入っていますが、実際にはもっと左です。シリンダーラッチの直下に馬の頭が来るぐらい。バレルのドナーにしたタナカの古いガスガンは正確な位置にあります。先頃発売されたコブラは非R-modelよりも左寄りに入っているのでそれを使う事も考えましたが、それでもまだ違うので、どのみち実物と同じ位置にはなりません。というわけで非R-modelの物を使う事にしました。
…と、ここで気づきました。
サイドプレートの裏を見ると、12年前とR-modelではラッチを動かす仕組みが違います。

左がR-model、右が非R。
作動自体に優劣は感じないので、R-model化にあたり実銃の構造を忠実に再現したのではないかと想像します。こんな気付きにくい部分まで変更しているとはすごいです。

まあ馬の位置は仕方ないですね。R-modelのサイドプレートを使うよりはマシです。
ハンマーは磨いてシルバーにしたいところ。これもいずれ。

こうして長年求めていたコルト・ディテクティブスペシャル3rd issueを完成させる事ができました。

ガスガン、非R-model、そしてR-modelを組み合わせたサンコイチ。しかしすべてタナカのパーツなので、タナカから発売される事もまったくの夢物語ではないと思います。やはり私のようなテキトーな人間のカスタムではうまく作れない部分や妥協した部分もありますから、製品版がほしいです。タナカが3rdを作ってくれたら、とりあえず私は2挺買う!


快調作動のR-modelベースですから、もちろん発火します!

最後に、ちょうど今月の『Gun Professionals』誌でToshiさんがコルトDフレーム特集をしているので、記念に記事と一緒に撮影。

  

Posted by Red at 21:16Comments(4)モデルガン

2023年10月08日

ディテクティブ3rdを作った(前編)

コルト・ディテクティブスペシャルの3rd issueを完成させました!

第3世代のディテクティブはバレル下にエジェクターロッドシュラウドを備えているのが一番の特徴です。私はディテクティブもローマンもシュラウドありのほうが好きです。フロントサイトの傾斜もスタイリッシュです。
しかしローマンはMGCやコクサイ、ハドソンなど多くのメーカーがモデルアップしていますが、シュラウドありディテクティブはモデルガン化された事がありません。タナカが遙か昔にカート式のガスガンを、そしてLSがプラモデルでリリースしているのみです。私はこのディテクティブ3rd issueのモデルガンを子供の頃から求めていました。12年前にタナカがシュラウドなしのモデルガンをリリースした後、それをベースにガスガンのバレルにすげ替えようとカスタムを始めました。7割がた完成していましたが、ベースのモデルガンのほうがシリンダーが動かなくなる持病をかかえていて、それが解決できないまま10年が経過していました。
今年、タナカは作動の不具合を解消した“R-model”として2nd issueを発売、その作動は完璧で近年屈指の大傑作に仕上がっています。ようやく動かして遊べるディテクティブが手に入ったので、これをべースにして3rdを作ったというわけです(本当はタナカが発売してくれるのが一番良いのだけど)。

もう完成しているので、製作過程は完成状態と共に紹介していきます。

2ndと3rdの相違点はバレル以外にも何箇所かあるのですが、まずは最も特徴的なバレルからです。

タナカがかつて発売していたカート式ガスガン

このバレルを切り取って2ndにつけるわけです。
ただし、このガスガンはインナーバレルを銃口側から巨大なネジのようなパーツで締め込んでいるという謎構造なので、横からの見た目はとても良いですが前方から見るとガッカリです。

そこでこれらのパーツを抜き取り、プラリペアで埋めて銃口部分を成形します。

たっぷり盛ってから削っていきます。
実銃の写真を見ると、マズルはフラットにも見えましたが、正しいのはアールだとXなどで教えて頂きました。というわけでわずかに盛り上がっているクラウンを何とか再現。


刻印は自前のレーザー刻印機で入れ直します。


右側はTANAKAの刻印だったので埋めて再刻印は必須。左側は元の刻印のままでも良かったのですが、表面を磨いたりしているうちに薄くなってしまったので同じく入れ直しました。

続いてベースとなる本体側の加工。

まずはバレルを半分ぐらい切り落としました。

そして残ったバレルの外周を削って細くします。


そこへ移植バレルを被せて強力な接着剤でくっつけます。

接着面が広いので取れる心配は少ないですし、元のバレルが中にあるのでインサートはそのままで安全対策もバッチリです。


エジェクターロッドを見比べたら違いがある事に気づきました。

上が2ndモデルガンで、下が3rdガスガン。先端のチェッカリングの細かさが違います。

実銃の写真を見ると、ガスガンのロッドを使うほうが良さそうです。

大昔のガスガンなのにここまで再現されているのはスゴイです。

ネジ径は同じなので付く事は付くのですが、若干長いためシュラウドに収まりません。


そこでネジの先端を少しだけ切り取り、ネジの後ろのから段差までの距離も削って伸ばしました。こうする事でロッドが深く入ります。


バレル周りはこれで完成。
後編ではグリップのショート化などです。


ーーー以下追記ーーー

元のバレル先端を切った関係でインサートも短くなったため、マズル付近に「視認用」のインサートを入れ直してあります。フォーシングコーンからバレル内に伸びるインサートとシリンダーインサートは元の製品のままなので、銃刀法に直結する安全対策としては問題ありませんし、素人ではメーカーのようなインサート工法は出来ないのであくまでも視認用となりますが、可能な限り業界の自主規制に準拠するよう努めています。
オートよりも構造が単純なリボルバーでは、カスタムする際に特に安全対策には注意を払うべきだと考えます。
記事をアップした時点でこの件は割愛していましたが、過日タナカが「プロップカスタム」と称する物品に関して強めの声明を発表したのを受け、ここに追記する事にしました。当方はタナカの声明を支持します。


タナカワークスの声明  

Posted by Red at 20:05Comments(2)モデルガン

2023年10月01日

タニコバ→MGCバレルのフィードランプ試作

MGCのガバメント(GM12)にタニオ・コバのバレルを流用するには、ロッキングラグやチャンバー左側を削り、変換用バレルリンクを取り付けるほか、フィードランプを増設する必要があります。
MGCのガバメントはリアルサイズカート化した際に、フィードランプがインナーシャーシからバレルに移されたからです。


フィードランプ自体は3Dプリント等で作るとして、問題はそれをどのようにバレル(もしくはシャーシ)に固定するかです。
この問題は自分の中ではすでに解決済みです。
バレルに穴を空け、

そこにタップでネジを切ります。

3Dプリント製のフィードランプ

これをイモネジと接着剤で固定するという方法です。


これで十分な強度と保持力があり、あらゆるカートで撃ちまくっていますが破損や外れてしまう事はありません。

今のところ問題はないのですが、改良する事にしました。

バレルに穴を空けるところまでは同じですが、タップでネジは切らずにイモネジも廃止します。
そしてフィードランプ側に同じ長さの突起を設けました。

この突起を穴に差し込んで接着するだけです。改良というよりも簡素化ですね。

突起部の強度が気になるところですが、このPA12という素材はだいぶ使ってみて強靱だという事が分かっています。破損の心配はないでしょう。
それよりも差し込んで接着だけだと外れてしまわないか心配でした。実際、MGCはフィードランプを横ピンで固定しています。ただ接着面が広い事と、フィードランプの形状自体を工夫していて無理な方向に力は加わらない(たぶん)ので大丈夫かなぁと思っています。

今回、このように仕様変更を試みる理由は、私がVショーでGM-7バレルをMGCガバに使えるようにするためのキットを販売しているからです。なるべく簡単に作れるキットにしようと考えての改良です。

接着剤は、自分は普段JBウェルドという超強力な物を使いますが、一般的な瞬間接着剤を使う人も多いのではないかと思い、今回は瞬間接着剤で固定しました(それでもちょっと強力なやつですけど)。



とりあえずプラオープン、CPを織り交ぜて約80発発火したあとの状態。

接着が取れる心配はなさそうです。

発火テストはガンガン続けます。
頑丈さで言えばこれまで通りイモネジを使うほうが間違いないでしょうが、これでも十分そうならこの仕様で来年のVショーで販売しようと思います。


  

Posted by Red at 01:10Comments(6)モデルガン