2022年08月23日
五四式自動拳銃

タナカからトカレフTT-33のバリエーションとして、五四式自動拳銃が発売されました。
中国製のトカレフです。人民解放軍の銃がモデルガン化されるのはおそらく初めてでしょう。
『Gun Profeissionals』2014年1月号に掲載されている床井雅美さんのリポートによると、世界中で作られた(作られている)トカレフピストルは、そのほとんどがライセンス生産ではなくコピー品との事です。社会主義体制の旧ソ連ではライセンス生産という概念が成熟していなかったからか、同じ社会主義国に対しても完全に信用していなかったからか、とにかく製造公差の入った詳細な製造図面が国外に渡される事はなかったそうです。
だからこの五四式拳銃も、トカレフを見本にして中国が独自に作り上げたコピー品という事になります。他国製のトカレフと比べると五四式が最もオリジナルに忠実な印象を受けます。さすがコピー大国です。
先に発売されたトカレフTT-33は、様々なプルーフマークが入っていましたが、五四式は刻印が少ないです。左側面にある刻印はシリアル番号と製造年だけです。

右側面も刻印はほぼ無し。唯一トリガーガードに「A」と刻印されています。

スライドトップに「五四式」とシリアルナンバーが刻印されています。
トカレフTT-33との外見上の一番の違いは、スライドのセレーションとリアサイトです。

TT-33では縦棒と楕円のパターンでしたが、五四式はガバと同じような一般的なノコギリ状です。なお、TT-33も後期型ではこのタイプに変更されています。実際にスライドを引くと、こちらのほうがしっかりと指に食いつく事が分かります。
リアサイトはTT-33よりも背が高く、別パーツとなっています。

マガジンはランヤードリングなし。
グリップパネル中央は星のマークだけです。TT-33では星の周りにソ連の略称である「CCCP」と書かれていました。

そのグリップパネルですが、TT-33(右)と比べると、上部の形状がわずかに異なる事が分かるでしょうか。
五四式(左)のほうが、上部がなだらかなカーブを描いています。
全体の厚みは同じですが、この上部の形状の違いにより、五四式のほうが握った時に薄く感じます。

ちなみに、先月発売のTT-33は、マガジンフォロアーの動きが悪く、スライドストップのかかりが浅くなってしまったり、カートがおじぎをしてジャムるケースがありましたが、私の購入した五四式はスライドストップがシャキッとしっかりかかりました。これなら調整の必要はないと思いましたが、モデルガンパーツショップM9の店長ブログで、フォロアーの後端内側を面取りするとスプリングが引っ掛からなくなり、カートがおじぎしにくくなると紹介されていましたので、やってみました。これで完璧作動間違いなし!

タナカのトカレフシリーズは、とにかく発火性能抜群なので、発火して遊びたい人には超おすすめです。
来月にはこの五四式の密造モデル(笑)も発売します。無刻印でサイレンサー装着用のスレーデッドバレル搭載のようなので、ヤバイ雰囲気の銃が好きな人は注目です。
2022年08月01日
C-Tec製Wキック+Pのローダー作ってみた

ちょっと前にC-Tecから発売されたCP-Wキック+Pカートリッジです。
これは以前発売されたWキックの進化版になります。
基本な構造は一般的なCPカートと同じで、インナーFピンの前にさらにもう1個7mmキャップをセットします。

+Pの大きな変化は、Fピンの上部に穴がある事です。穴といっても中空ではなく、ポケットのような感じです。

この穴に少量のシリコンオイルを注してセットします。
すると、
凄まじいマズルフラッシュが楽しめる優れものです。

ただ、このポケットにオイルを注入するという作業が意外と難しい。

このように普通にスプレーすると、ブシャーッと周囲にも撒き散らし、きちんと穴に入っているのかよく分かりません(笑)。
発火仲間は、まず精密ドライバーやピンポンチのような物にオイルを吹き付けそこから垂らすようにするとか、スプレーではなくボトルタイプを使うなどの工夫をしているようです。
そこで、このFピンの穴にオイルを注しやすくするための漏斗(じょうご)のような物を作ろうと思いました。
設計データの断面。

だんだんと穴が狭くなっていて、最終的にはFピンの穴と同じサイズになっています。
これを3Dプリントするわけですが、新しい材質のレジンを使ってみました。

このような透明な物が出来ました。
形状はカートに付属しているローダーと同じにしました。

ローダーとしても使え、オイルを注すのにも使えるというわけです。

このようにスプレーのノズルを入れれば無駄なくFピン穴にオイルを注せる!
…と思ったのですが、やっぱりスプレーの噴射って勢いありますね。ブシャーっと吹き戻してきます(笑)。ちゃんと穴にオイルが入ったかよく分かりません。
でも無いよりは作業しやすくなったかな?と思います。
あと、今回材質としてレジンを選んだわけですが、表面にオイルが付くとヌルヌルになり、ローダーとして使おうとすると手が滑ります(笑)。
というわけで、PA12というよく使うナイロン系樹脂でも作りました。

こちらは表面がザラザラなのでオイルが付いても問題なし。でもこれを見せた人から「透明なところがイイ」とも言われたんですよね〜。まあこの辺りは好みの問題でしょう。
Wキック+Pはとても面白いカートなのでおすすめです。デザートイーグル用も発売されていますので、そちらも入手したいです。
GM7バレル改、MGC-V10バレル。
— Red (@dark3rd) June 19, 2022
ダブルキャップ(C-Tec製Wキック+Pカート)での発火のスロー映像。#モデルガン pic.twitter.com/3FyDsZomo9