2020年08月29日
C-Tec/CP-Wキック

上野のTake Fiveへ行ったら、ちょうどC-Tecの新製品、CP-Wキックというカートリッジを入荷したところだったので、専用の中空デトネーターと共に買って来ました。
タニオ・コバのGM-7/7.5用です。

パーツ構成はこんな感じ。
一般的なCPカートと同じように見えます。

こんな感じでセットします。
通常のCPのセットにプラスして、インナーFピンの上に7ミリキャップをセットするのです。
過去に他のメーカーやショップから、これと同じ仕組みのダブルキャップ発火が提唱された事がありましたが、今回発売されたC-TecのWキックは地味ながらも独自のアイディアが盛り込まれています。
その一つは、パワーについてです。
この仕組みの欠点は、ローパワーになるという事です。プライマー側の火薬の爆発力で、通常はインナーFピンだけを押し出すところを、もう1個のキャップも一緒に前進させるため、パワーをロスします。それに加えて、弾頭側のキャップがあるせいで、インナーFピンは通常よりも前進のストロークが短くなり、ここでもパワーが発揮できません。
これらの欠点を、Wキックは解決しています。
まず、リム側のケースが長いです。

左のマイルドキックのリムケースは全長21mmで、Wキックは3ミリ長い24mmです。
マイルドキックよりも前に発売されていたカート(通称ハードキック・笑)は23mmでしたので、それよりも1mm長いです。
さらにインナーFピンは短いです。

左がマイルドキックで一般的なCPカートと同じサイズ、右がWキックです。
ケースの延長と、インナーFピンの短縮で、ストロークを取り戻しているわけです。
また、インナーのOリングからFピン先端までの長さを短くするという事は、火薬面とOリングまでの距離が近くなるという事であり、発火時にガスがより高圧縮され、瞬発力が増すものと思われます。
中空デトネーター。

下はZEKEのホローインナー用で、C-Tecのほうが0.5mmぐらい長いです。
これぐらいの差なら共用できそうに思えますが、Wキックカートの能力を引き出すにはこの専用のデトネーターを使う必要があります。
理由は後述。
カートにはメインスプリング用のスペーサーが付属しています。

メインスプリングハウジングの底に入れて、スプリングに下駄を履かせます。
ハンマーが強くなるので、不発を減らすほか、ブローバック時のパワーを押さえ込んで銃の破損防止が見込めます。
GM-7で発火!

ドバッとマズルフラッシュが噴き出します。
リコイルは強すぎず弱すぎません。絶妙にパワーがコントロールされている感じがします。
撃っていてとても気持ちが良いショックです。
もちろん、不発や暴発、ジャムなどゼロです。

発火後、カートを分解すると、前方のキャップの底をインナーFピンの頭が打ち抜いて刺さった状態になっていました。
これにより、前方のキャップがカートから飛び出す事はありません。
おそらくインナーFピンの形状と、デトネーター先端の形状の組み合わせでこのように突き刺す事を可能にしているのだと思います。デトネーターが専用のものでなければならないと書いた理由はコレです。
GM-7/7.5シリーズに、また選択肢が増えました。
GM-7デビュー時から1つ1つカートの種類が増える様子を見続けてきた者としては、様々なカートの利点欠点を把握しているので、好みや用途に応じてカートを使い分ける事ができます。
しかし、初めてGM-7シリーズを購入する人は、あまりにもカートの種類が多くてワケが分からないかも知れません(笑)。
しかし、選択肢があるという事はイイ事です。カート選びに悩めるなんて、贅沢な悩みだと思います。
Posted by Red at 15:56│Comments(4)
│モデルガン
この記事へのコメント
最近のモデルガン、ブローバックカートの進歩は凄いですね。
長生きして良かった。
長生きして良かった。
Posted by とんぼ at 2020年08月30日 13:44
>とんぼさん
さらなる進化や、新製品発売に繋げるためにも、我々ユーザーが積極的に発火して遊ばなければなりません!
さらなる進化や、新製品発売に繋げるためにも、我々ユーザーが積極的に発火して遊ばなければなりません!
Posted by T.K.Red
at 2020年08月31日 13:50

お世話になります。
いつも参考になる内容ありがとうございます。
ハンマースプリングのテンションを強くする事で、ブローバックの衝撃を受けて止めているのですね(当然倒れているハンマーをスライド後退させる事で起こしている訳ですから)
スプリングのテンション上げ下げはリコイルスプリングの方に目が行きがちですが?
ただハンマースプリングのテンション強くしたので、
ドライファイヤー(空打ち)は厳禁ですね(スプリング弱くても空打ち自体してはダメですが)
いつも参考になる内容ありがとうございます。
ハンマースプリングのテンションを強くする事で、ブローバックの衝撃を受けて止めているのですね(当然倒れているハンマーをスライド後退させる事で起こしている訳ですから)
スプリングのテンション上げ下げはリコイルスプリングの方に目が行きがちですが?
ただハンマースプリングのテンション強くしたので、
ドライファイヤー(空打ち)は厳禁ですね(スプリング弱くても空打ち自体してはダメですが)
Posted by プロップガンマニア at 2021年04月21日 12:07
>プロップガンマニアさん
ハンマースプリングのテンションを上げる事で、衝撃を抑える事はできると思います。
もちろん、リコイルスプリングとダブルで強化してバランスをとるのがベストでしょう。
モデルガンの空撃ちは忌み嫌われますが、GM-7は頑丈なので多少は大丈夫だと思います。
ハンマースプリングのテンションを上げる事で、衝撃を抑える事はできると思います。
もちろん、リコイルスプリングとダブルで強化してバランスをとるのがベストでしょう。
モデルガンの空撃ちは忌み嫌われますが、GM-7は頑丈なので多少は大丈夫だと思います。
Posted by T.K.Red
at 2021年04月21日 22:58
