2022年03月30日

GM-7にカスタムエジェクターを付ける


GM-7用のチタン製エジェクターを作りました(写真上)。
形状はBWCのエジェクター(写真下)に準じています(先端の形状は自分好みの角度にエジェクトするように変えています)。
なぜこれを作ったかと言うと、GM-7は金属カートを使用して発火を繰り返すと、エジェクターが変形してくるからです。

エジェクターは発火時に最も負荷のかかる箇所ですから、モデルガンでもこのパーツだけはスチールなど硬い金属で出来ている物がほとんどです。
しかしGM-7のエジェクターは亜鉛シャーシと一体。これはGM-7が元々プラカートの使用を想定して設計されているからで、プラカートを使っている限り問題ありませんが、アルミや真鍮のカートを使うとエジェクターのほうが潰れてしまうのです。

BWCは昔から金属カートを使えるようにスチール製のエジェクターを搭載したカスタムモデルを展開しています。一時期そのカスタムエジェクターが付いたシャーシ単体でも買えましたが、現在は販売していません。そこでBWCタイプのシャーシ+エジェクターを自作しようと思うわけです。

まずはシャーシとエジェクターを切り離します。

亜鉛なので簡単に切れると思ったら、意外と大変でした(大汗)。

途中で糸ノコが壊れたりといったトラブルに見舞われながらも(笑)、半日ぐらいかけて、なんとかようやく無事に切り離せました。


続いて、エジェクターを嵌める穴を掘るため、作っておいた治具を装着します。


穴の空いている箇所をドリルで掘ります。
これも文章で書くと一行なんですが、まあまあの深さを掘るので貧弱な工具では大変です。

掘れた穴に、チタン製エジェクターを装着!

これでBWC準拠のシャーシ+エジェクターが完成!
…と思いきや…

なんかエジェクターとスライドが当たります。
どうやらシャーシに掘った穴の位置が、わずかに左側にズレていたようです。
コンマ数ミリでも外側にズレていればスライドに当たるし、逆に内側にズレてると今度はブリーチに当たります。シビアですね。自分のようにフリーハンドで作る素人には難易度高いです。

掘った穴の位置は変えられないので、エジェクターを削ってスライドに当たらないように調整してなんとか完成!


いやぁ、予想してたよりだいぶ大変でした。
うまく行ったらこのエジェクターと穴の位置決め用治具をセットにしてイベントとかで販売しようかと考えてましたが、作業が大変すぎると分かったので計画は白紙にしました(笑)。
こんなに大変だったら、変形したエジェクターをヤスリなどで整えながら純正シャーシを使い続けたほうがいいです。

ただ最近、亜鉛をサクサク削れると話題のヤスリも入手しましたので、エジェクターの除去は楽にできるようになりそう。研究を続けます。
  

Posted by Red at 00:48Comments(8)モデルガン

2022年03月23日

S&W M&P R8


タナカの新製品、S&W PERFORMANCE CENTER M&P R8です。
モデルガン史上初の8連発リボルバーです!
とてつもない存在感!
形状のインパクトもさる事ながら、持つとズッシリと重いです。様々な方法で重量アップが図られているようです。

シリンダーをスイングアウトすると…

このような異様な光景です。
でも1日いじっていたら、6連発のシリンダーのほうが変に見えてきました(笑)。
とにかく、.357マグナムを8発装填できるという、大変面白いモノです。


バレルにはM&P R8の刻印と、8発装填のシリンダーをイメージしたような刻印が。
そしてバレル下にはアクセサリーレールを備えています。リボルバーなのに!

バレル左側面。

.357マグナムを8発も装填できるのは、この銃が大柄なNフレームだからです。
.44マグナム6発よりも、.357マグナム8発というファイアーパワーのほうが、実戦的な気がします。


サムラッチは現代仕様。その上にはロックするための鍵穴(ライブ)と、下にはS&Wパフォーマンスセンターの刻印が入っています。この刻印はちょっと薄めかな。


グリップはホーグをイメージしたようなラバーグリップ。
同社のスモルトに付いていたのと同仕様で、内部にはウェイトが仕込まれています。

リアサイトはVノッチです。

こういう形状のリアサイトは初めてですが、サイトピクチャーは良いと思います。

フロントサイトとマズル。

銀色のマズルナットと呼ばれるパーツは金属製の別パーツになっています。
ただモデルガン的な自主規制のためか、前方から押し込んであるだけで、社外製のダブルキャップ以上のカートを使うとガス圧で外れてしまいます。発火する人は何らかの方法で固定すると良いでしょう。

付属のマウントレールを取り付けた状態。

上にも下にも色々と付けられるわけです。リボルバーなのに!
そしてこのレールは金属製なので、付けるとまたまた重くなります。


製品にはマウントレールの他、カート8発とフルムーンクリップ1個、そしてカートをクリップに取り付けるための治具が付属します。至れり尽くせり!
カートをクリップでまとめておけば、スピードローダー不要でワッタッチ装填ができるわけですが、クリップなしでも普通に装填して撃てるところがこの銃の面白いところです。
カートは従来品に比べて形状が少し改良されていますが(ケースの口のあたりが丸められています)、従来のタナカ製.357マグナムカートも問題なく使えます。

アルタモント製のG10グリップを本体と一緒に購入したので取り付けようとしたら、ネジ穴の位置にちょうどハンマースプリングがあり、ネジが通らないという問題に直面し、どうしようかと思いましたが、各方面から情報を頂き、無加工でちゃんと付けられると分かりました。
今後購入される方もいらっしゃるかも知れないので、つけ方を共有しておきます。

最初に試すべきは、ハンマーを起こすことです。
メインスプリングが圧縮されるとわずかに位置が変わるので、ネジがメインスプリングを避ける事ができます。

この写真のように、まず左グリップを付けてネジを通し、然るのち右グリップを被せてからネジを締めるとうまく行くと思います。

この方法でうまくいかない場合は、グリップ前面にあるストレインスクリューを少し緩めるとメインスプリングの位置が変わります。

ただし緩めすぎるとハンマーの打撃力が低下しますので、わずかで良いです。
ストレインスクリューを緩めた上で、ハンマーを起こして取り付ければほぼ確実にグリップは付くはずです。
これでもダメなら、ネジの中央部分を削って細くする事になると思います。

G10グリップを取り付け、おまけにマルイのマイクロプロサイトとシュアファイヤーのレプリカライトを付けた状態。

まさにリボルバーの究極進化形という感じがします。
この銃は競技用ではなく、特殊部隊のシールドマン(盾を持った最前線の隊員)向けの銃との事です。
確実な作動や、様々な種類の弾薬への適応力といったリボルバーの利点に加え、8発の装弾数と、各種アクセサリーを搭載可能な拡張性が組み合わさる事で、ある意味「理想のコンバットガン」と言えるかも知れません。
とてもクセの強い外観なので、好き嫌いは分かれるでしょう。しかしこのM&P R8が極めて実戦的な銃である事は間違いなく、そのような銃に魅力を感じるのはガンマニアとして当然だと思います。そしてモノとしてもめっぽう面白い。
モデルガン史に新たな1ページを刻むタナカ渾身の1挺だと思います。

  

Posted by Red at 00:43Comments(0)モデルガン

2022年03月17日

タナカ新製品S&W PC M&P R8開封ライブ


タナカから新製品、噂の8連発リボルバー『S&W PERFORMANCE CENTER M&P R8 5inch HW ver.2』が発売されますので、その開封の様子を本日3月17日(木)夜10時からYouTubeにてライブ配信します。
もともと発売延期のお知らせがあり、来週になるだろうとのんびり構えていたところ、ショップから入荷の連絡が来ましたので、急な告知となってしまいました。
タナカの野心作、モデルガン初の8連発リボルバーはどんな感じに仕上がっているのでしょうか。楽しみです。
配信枠への直リンクか、当方のチャンネルトップからお入りください。よければチャットにもご参加ください。
※アーカイブは数日後に削除します。
  

Posted by Red at 15:58Comments(3)モデルガン

2022年03月10日

俺のガバメント フォトコンテスト


昨年9月に発売されたマルシンのガバメントシリーズ、そのキットモデルを対象に『俺のガバメント・フォトコンテスト』が開催されました。
当方もキットモデルを購入して組み、写真を撮ってエントリーしました。上の写真がそれです。
発火の瞬間を撮ったのですが、排出されたカートが空ケースに見えるよう、弾頭を黒く塗りました(笑)
『俺のハイパワー』に続き、今回も落選となりましたが、Wチャンスに当選!景品のマルシン特製タオルが先日届きました!

非売品のレア物ですが、遠慮せずに使おうと思います(笑)。
キット買って、組んで、写真撮るだけでこういうのがもらえるので(エントリーすれば全員ステッカーがもらえます)、次のフォトコンテストには皆様ぜひ参加してみてください。

当方が購入したのはM1911A1、いわゆるミリガバです。
従来のマルシン製M1911A1は、ミリガバなのかS'70なのか、どっちつかずの微妙な仕様でしたが、リニューアルされてかなりミリガバっぽくなりました。

チェッカリングされたスライドストップレバー、メインスプリングハウジング、フルチェッカーのグリップパネル、フロントサイトの形状変更など、これなら誰が見てもミリガバです。
ちょうどレーザー彫刻機を購入した時期だったので、練習がてら省略されている刻印も入れてみました。

スライドトップの「P」と縦ライン。


フレーム右側面のスプリングフィールド造兵廠マーク。

これは実際のサイズは小さすぎて安物の彫刻機では再現できなかったので、少し大きめに入れました。

フレーム左側面の「G.H.D.」と「P」。

「G.H.D.」はスライドストップの下あたりに横書きで刻印されている物をよく見ると思いますが、入れるスペースがありませんでした。マルシンガバはトリガー後部の三日月型のえぐれが少し上に膨らみすぎのようです。で、調べたら縦に刻印されているモデルもあるようなので、縦に入れました。そういえばMGCのミリガバもこの向きで入ってましたね〜。

塗装はキャロムショットのブラックスチールとステンレスシルバーを使って、ビンテージ風を目指しました。

ビンテージというより、「単に汚いだけ」になりました(笑)。ビンテージ風とかエイジドとかは、味わいが出て初めてそう呼べると思うので、もっと修行します。

マルシンは先頃、M16用のアルミ(超々ジュラルミン)製カートリッジを発表しました(5月発売予定)。ぜひ.45カートもリニューアルしてほしいですね!少しずつ改良してくれているので、期待します!
  

Posted by Red at 00:51Comments(3)モデルガン

2022年03月07日

モデルガンヒストリカルノート


3月3日に、ホビージャパンより新しいムック『モデルガンヒストリカルノート』が発売されたので購入しました。
モデルガン関連の書籍は数年ごとに発刊されており、前回は2018年の『モデルガンクロニクル』でした。今回発売された『モデルガンヒストリカルノート』は、前書『モデルガンクロニクル』の続編と言って良いでしょう。

くろがねゆう氏によるビンテージモデルガンの紹介記事が、旧Gun誌やGun Professionals誌から再掲載されているのは共通しています。
その他にモデルガンを取り巻く歴史について特集されているのも同じなのですが、前書『モデルガンクロニクル』では、戦後間もなく海外製の玩具を販売した事から始まり、その後のモデルガンの発展、法規制、樹脂化、そしてS&W M59でモデルガン人気が絶頂を迎えるところまで書かれていました。

そのM59を表紙に据えた『モデルガンヒストリカルノート』では、トイガンの主役がエアガンに取って代わられる80年代からの歴史が綴られています。
巻頭から紹介されているのは、エアガンのSS9000と、マルゼンKG9。モデルガンのムックでありながら、エアガンの歴史も詳細に書かれているので、エアガンファンにもお薦めしたい本です。『モデルガンクロニクル』と併せて読めば、日本におけるトイガンの歴史教科書となる、非常に資料的価値のある2冊です(※『モデルガンクロニクル』は、MGC創業者の神保氏からの指摘を受け、『Gun Professionals』2019年5月号に一部訂正する記事が掲載されています)

自分はこの『モデルガンヒストリカルノート』のほうがリアルタイム世代なので、非常に興味深く読み進めているところです。

“なぜモデルガンはトイガンの主役ではなくなったのか?”
それがこの本のテーマと言ってよいかも知れません。しかしその答えは、本の序盤に的確に書かれています。

「銃の形をした模型、または玩具を手にしたとき、そこから弾が出て欲しいと思う人は、弾の出ないモデルガンを好む人よりずっと多い。」

当たり前の事ですが、とても説得力のある的を射た文章です。
しかし最後には、「それでもモデルガンは消えなかった」という言葉で締めくくられており、間もなく発売されるタナカの新製品モデルガン・R8の雄姿が表3(裏表紙の裏側)を飾り、今も続くモデルガンの息吹と未来を感じさせる本に仕上がっていると思います。
おすすめです。
  

Posted by Red at 01:24Comments(0)雑誌・メディア