2023年10月10日

ディテクティブ3rdを作った(後編)

ディテクティブ3rdを作った(後編)
コルト・ディテクティブスペシャルの3rd issueを完成させた後編です。
前編ではバレル周りの加工を紹介しました。

バレルと並ぶもうひとつの山場、ショートフレーム化です。
ディテクティブは2nd issueの途中からグリップが短くなっているのでここも加工が必要です。

グリップの底部を切り離します。
ディテクティブ3rdを作った(後編)
これは簡単なんですが、問題は金属製のウェイトもこのサイズに合わせて切らなければいけない事です。
しかし!幸いな事に、10年前にこの銃の製作にチャレンジした時、すでに切っていました!それを使います。
ディテクティブ3rdを作った(後編)
とにかく固くて難儀した記憶があります。その苦戦の痕跡が切り口からも見て取れますが、おかげで今回はこの作業を省略できました。10年前の自分に感謝しつつ装着。

先ほど切り離したフレームの底部をJBウェルドでしっかり接着します。
ディテクティブ3rdを作った(後編)
切ったウェイトの切り口が波打っているし長さも少し足りませんが見えない場所なので問題ありません。

長さが足りないと言えば、フレームを切り離した際に、迂闊にも短く切りすぎました。
仕方ないのでジーナスを盛って延長。
ディテクティブ3rdを作った(後編)
こういう作業は少し長めに切っておいて少しずつ削って長さを合わせるのがセオリー。そうしようと思いながら作業したはずなのに、なぜこんな不用意な切り方をしたのか。自分が嫌になります。

R-modelではウェイトをシャーシにネジで固定するように変更されました。
そこでネジ頭がウェイト内に収まるように接合部の穴を面取りします。
ディテクティブ3rdを作った(後編)
ディテクティブ3rdを作った(後編)
ここは旧製品のように嵌めるだけでも大丈夫そうでしたが、板バネはウェイト側で保持しているので、シャーシとしっかり固定してガタつきをなくす事は作動性能の向上に効果ありそうです。面取りするだけで大した手間でもないのでR-model同様にネジ留めしたほうが良いでしょう。

ところで、オリジナルのウェイトには下の後端付近に突起があります。
ディテクティブ3rdを作った(後編)
グリップパネル側にはこの位置に穴があり、装着した時に突起が嵌まってグリップがズレないようになっています。
ディテクティブ加工の第一人者であるオラガバニストのあじゃさんは、切ったウェイトにも同じようなピンを立てて突起を再現しています。
しかし私はそんな難しい事はできないので省略。
グリップパネルのネジをしっかり締めれば、問題にならないぐらいには固定されます。実銃だと撃った時の衝撃で確実にずれるでしょうが、モデルガンではまあ大丈夫。それでも強く握るとわずかにガタを感じるので、いずれ対策をしようと思います。
ディテクティブ3rdを作った(後編)
木製グリップは実物です。以前輸入品マーケットで購入しました。少し傷はありますが、もしこれがパイソン用だったらとんでもない値が付くぐらい良好なコンディションです。このグリップを付けられるトイガンは日本にないからか比較的安く購入できた記憶があります。
短く切りすぎて盛ったフレームは、塗装したら分からなくなりました。よかった。
塗装はとりあえずマットブラックにしました。このほうが楽だからですが、いずれピカピカのコルトロイヤルブルーにしたいです。

ショートフレーム化はできたので、続いてトリガーです。
2ndはグルーブが入っていますが、3rdはグルーブが無いらしいです。
ディテクティブ3rdを作った(後編)
12年前に発売された非R-modelのトリガー(写真右)にはグルーブが入っていないので、こちらを使用します。
ディテクティブ3rdを作った(後編)

最後に、サイドプレートです。
2nd(写真左)は馬がかなり右に刻印されていますが、3rdはこれより左に入ってます。
ディテクティブ3rdを作った(後編)
非R-modelのサイドプレート(写真右)はやや左に入っていますが、実際にはもっと左です。シリンダーラッチの直下に馬の頭が来るぐらい。バレルのドナーにしたタナカの古いガスガンは正確な位置にあります。先頃発売されたコブラは非R-modelよりも左寄りに入っているのでそれを使う事も考えましたが、それでもまだ違うので、どのみち実物と同じ位置にはなりません。というわけで非R-modelの物を使う事にしました。
…と、ここで気づきました。
サイドプレートの裏を見ると、12年前とR-modelではラッチを動かす仕組みが違います。
ディテクティブ3rdを作った(後編)
左がR-model、右が非R。
作動自体に優劣は感じないので、R-model化にあたり実銃の構造を忠実に再現したのではないかと想像します。こんな気付きにくい部分まで変更しているとはすごいです。
ディテクティブ3rdを作った(後編)
まあ馬の位置は仕方ないですね。R-modelのサイドプレートを使うよりはマシです。
ハンマーは磨いてシルバーにしたいところ。これもいずれ。

こうして長年求めていたコルト・ディテクティブスペシャル3rd issueを完成させる事ができました。
ディテクティブ3rdを作った(後編)
ガスガン、非R-model、そしてR-modelを組み合わせたサンコイチ。しかしすべてタナカのパーツなので、タナカから発売される事もまったくの夢物語ではないと思います。やはり私のようなテキトーな人間のカスタムではうまく作れない部分や妥協した部分もありますから、製品版がほしいです。タナカが3rdを作ってくれたら、とりあえず私は2挺買う!

ディテクティブ3rdを作った(後編)
快調作動のR-modelベースですから、もちろん発火します!

最後に、ちょうど今月の『Gun Professionals』誌でToshiさんがコルトDフレーム特集をしているので、記念に記事と一緒に撮影。
ディテクティブ3rdを作った(後編)



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この記事へのコメント
お邪魔します。遂に具現化ですね。素晴らしい!!9年前 DT 3rdモデル記事にコメントさせて頂いた者です。当時造りましたLSバレルのMGは既に手元に無く、数年前に旭工房製の3rdバレルを入手してペガサスDTに付けてます。Rモデルは早速入手して、動くDTに感動しつつも3rdへのカスタム化への気力は既に無く、タナカさん作ってくれんかなぁなどと無駄な期待だけ抱いております。MGはシャーシとウエイトが分割でLSバレルでのショートフレーム化の時めちゃくちゃカットがムズかったので自信無いんです。ガスガンのは一体型なのでカットしやすい・・自分としては、ショートフレームの2ndも好きなのでモデル化を熱望です。というか最終的にはダイヤモンドバックなんですけど・・
Posted by harry go go go at 2023年10月10日 22:24
>harry go go goさん
あの記事、もう9年前になるんですね〜。その後作動調整をちょくちょくやってましたがうまく行かず、結局完成には至らず。その作りかけからバレルを引っこ抜いて仕上げ直し、今回完成に漕ぎ着けました。
LSディテクについては存在は知っていましたが詳しくなく、最近になってYouTubeで細部を見たのですが、よく出来ていますね。今回結構苦労したマズルフェイスの形状など、LSバレルを使っていればもっとすんなり出来たと思います。
やはり自作の場合はショートフレーム化がネックですよね。美しく仕上げられるオラガバニストあじゃさんは本当に凄いと思います。
タナカの製品に期待しましょう。ダイヤモンドバックまでいってほしいです!
Posted by RedRed at 2023年10月11日 22:03
素晴らしいカスタムですね!
LSのプラモデル・ディテクティブが欲しいな~と思って模型店をかなりの軒数まわりましたがLSのプラモデルガンキット自体がもう店頭から姿を消していた1986年。仕方なくMGCのニューローマンを買って妥協した懐かしい思い出です。その頃、LSはエアコキのプラモデルキットを販売し始めた時期でした。モデルガンキットと入れ替わりという事は金型を改修してエアガン化したのかなと想像できます。ちなみにガバとM16のエアコキ・プラモデルは買いましたw
それから時を経てタナカからガスガンが出ましたがマズルの形状が気に入らず購入に至らず。さらに時を経て旧型のモデルガンが出ましたがシュラウドなしは好きでないので購入に至らず。ですので、いつの日になるか分かりませんがタナカからシュラウド付きディテクティブのモデルガンが出ることを夢見て待ち続けています。
Posted by バーチ72 at 2023年10月31日 22:21
>バーチ72さん
LSのエアガンキットは、私はハイパワーを持っていました。
子供の頃だったので形はできましたがきちんと発射できなかった記憶があります。
私も同様にシュラウド付きのディテクティブがモデルガンでないものかと探し、ないので長年待っている者です。シュラウド付きのディテクティブを待っている人は多いですね。いつかタナカに出してほしいと思います。
Posted by RedRed at 2023年11月01日 01:25
 
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