2022年10月01日

ボブチャウver.1.5への道(1)

ボブチャウスペシャルは、イチロー・ナガタ氏のために伝説のガンスミス・ボブ・チャウ氏がカスタムしたガバメントである事は周知の通りです。
1981年に旧Gun誌で紹介され、日本中に衝撃を与えたそのガバの姿に思い入れが強い方も多いはずで、MGCとBWCから発売されたモデルガンは、いずれもその時のモデルが再現されたver.1.0です。
しかし自分はリアルタイム世代ではないため、その後改良が加えられたver1.5のほうが馴染みがあります。
ver.1と1.5の違いは、

1)ロングトリガーに変更
2)グリップセフティが延長
3)メインSPハウジングがスティップル加工されたストレート形状に変更

といったところでしょうか。さらに銃本体ではありませんが、金色のバンパーが付いたマガジンも印象的です。
近年紹介されるボブチャウはこの仕様ですし、ハイパー道楽さんのYouTube動画で実射しているのもこれです。


というわけで、このボブチャウver1.5を作りたいと思います。
ベースとするのは、タニオ・コバのGM-7です。

これは2013年にイベント限定品として製作された物で、タニコバは商品名を「ボブチャウスペシャルver.3」としています。


エッジのメルトダウン加工や、手彫りの荒々しいスティップル加工、メインスプリングハウジングやビーバーテールなどが再現されていますが、これを見ても「あまりボブチャウに見えない」と思う方もいるでしょう。

その原因はハンマーがスケルトンタイプである事と、リアサイトの形状が異なる事です。あと、フロントサイトも本当はもっと流線型です。
特にリアサイトが与える印象は大きく、これのせいで丸いはずのボブチャウが四角く見えます。実際のボブチャウに乗っているリアサイトは現在では入手困難で、仕方なく現行のボーマーサイトを使用したのでしょう。
シリアルナンバーはイチロー氏所有のver.1.5と同じなので、可能な限り再現しようとしたものの、パーツの確保やコストの都合から完全再現できなかったと。そのため「ver.3」という架空のバージョン名にしたのだと推測します(ちなみにver.2はロングバレルが付いた別の銃)

買った状態ではあまりボブチャウっぽくないですが、それでも極力再現しようとしてくれてるので、これにいくらか手を加えればver.1.5になるはずです。特にグリップセフティとメインSPハウジングがすでに再現されているのは助かります。

これを作ろうと思うと大変ですから。

まずはボブチャウの最も特徴的な、左グリップの削り込み加工から行います。
2013年にイベントで発売された際には、グリップの加工はされていましたが、数年後に自分が購入した売れ残りはこの加工が省略されていました。
標準で付いていたグリップではなくコルト製のグリップを加工して付ける事にしました。


リューターでザックリ削ったあと、ペーパーがけで形を整えていきます。



削ったところに亜麻仁油を塗り込みます。


ボブチャウのこのグリップの削り込みは、写真を見るとキレイな円形ではありません。ちょっと三角というか…。そして削り込みの深さは写真ではよく分かりません。おそらくこの形状は数値化できるような物ではなく、各社のトイガンを見ても、その解釈、表現は様々です。
とりあえず自分は写真の見た目に合わせてみました。

出来たグリップを装着してみると、マグキャッチへの親指のアクセスが格段に楽です。すごい!

続いてハンマーの交換。これはさほど難しくありません。
このイベント限定カスタムが発売された当時、GM-7.5シリーズ'70はまだ発売されていませんでした。そのためタニコバにはスパーハンマーがなく、仕方なくスケルトンハンマーを使用していたのでしょう。
しかし今はタニコバ純正のスパーハンマーがありますので、これのエッジを丸めて塗装すればOKです。

実銃の写真を見ても、そんなに大胆にメルトダウンしているわけではないようなのでこんなもんです。


というわけでボブチャウver1.5への道・第1回はここまで。ちょこちょこ続けていきます。
  

Posted by Red at 20:58Comments(2)モデルガン

2022年08月23日

五四式自動拳銃


タナカからトカレフTT-33のバリエーションとして、五四式自動拳銃が発売されました。
中国製のトカレフです。人民解放軍の銃がモデルガン化されるのはおそらく初めてでしょう。

『Gun Profeissionals』2014年1月号に掲載されている床井雅美さんのリポートによると、世界中で作られた(作られている)トカレフピストルは、そのほとんどがライセンス生産ではなくコピー品との事です。社会主義体制の旧ソ連ではライセンス生産という概念が成熟していなかったからか、同じ社会主義国に対しても完全に信用していなかったからか、とにかく製造公差の入った詳細な製造図面が国外に渡される事はなかったそうです。
だからこの五四式拳銃も、トカレフを見本にして中国が独自に作り上げたコピー品という事になります。他国製のトカレフと比べると五四式が最もオリジナルに忠実な印象を受けます。さすがコピー大国です。

先に発売されたトカレフTT-33は、様々なプルーフマークが入っていましたが、五四式は刻印が少ないです。左側面にある刻印はシリアル番号と製造年だけです。


右側面も刻印はほぼ無し。唯一トリガーガードに「A」と刻印されています。


スライドトップに「五四式」とシリアルナンバーが刻印されています。

トカレフTT-33との外見上の一番の違いは、スライドのセレーションとリアサイトです。

TT-33では縦棒と楕円のパターンでしたが、五四式はガバと同じような一般的なノコギリ状です。なお、TT-33も後期型ではこのタイプに変更されています。実際にスライドを引くと、こちらのほうがしっかりと指に食いつく事が分かります。
リアサイトはTT-33よりも背が高く、別パーツとなっています。


マガジンはランヤードリングなし。
グリップパネル中央は星のマークだけです。TT-33では星の周りにソ連の略称である「CCCP」と書かれていました。


そのグリップパネルですが、TT-33(右)と比べると、上部の形状がわずかに異なる事が分かるでしょうか。
五四式(左)のほうが、上部がなだらかなカーブを描いています。
全体の厚みは同じですが、この上部の形状の違いにより、五四式のほうが握った時に薄く感じます。


ちなみに、先月発売のTT-33は、マガジンフォロアーの動きが悪く、スライドストップのかかりが浅くなってしまったり、カートがおじぎをしてジャムるケースがありましたが、私の購入した五四式はスライドストップがシャキッとしっかりかかりました。これなら調整の必要はないと思いましたが、モデルガンパーツショップM9の店長ブログで、フォロアーの後端内側を面取りするとスプリングが引っ掛からなくなり、カートがおじぎしにくくなると紹介されていましたので、やってみました。これで完璧作動間違いなし!


タナカのトカレフシリーズは、とにかく発火性能抜群なので、発火して遊びたい人には超おすすめです。
来月にはこの五四式の密造モデル(笑)も発売します。無刻印でサイレンサー装着用のスレーデッドバレル搭載のようなので、ヤバイ雰囲気の銃が好きな人は注目です。
  

Posted by Red at 21:45Comments(6)モデルガン

2022年08月01日

C-Tec製Wキック+Pのローダー作ってみた


ちょっと前にC-Tecから発売されたCP-Wキック+Pカートリッジです。
これは以前発売されたWキックの進化版になります。

基本な構造は一般的なCPカートと同じで、インナーFピンの前にさらにもう1個7mmキャップをセットします。


+Pの大きな変化は、Fピンの上部に穴がある事です。穴といっても中空ではなく、ポケットのような感じです。

この穴に少量のシリコンオイルを注してセットします。
すると、

凄まじいマズルフラッシュが楽しめる優れものです。


ただ、このポケットにオイルを注入するという作業が意外と難しい。

このように普通にスプレーすると、ブシャーッと周囲にも撒き散らし、きちんと穴に入っているのかよく分かりません(笑)。
発火仲間は、まず精密ドライバーやピンポンチのような物にオイルを吹き付けそこから垂らすようにするとか、スプレーではなくボトルタイプを使うなどの工夫をしているようです。

そこで、このFピンの穴にオイルを注しやすくするための漏斗(じょうご)のような物を作ろうと思いました。

設計データの断面。

だんだんと穴が狭くなっていて、最終的にはFピンの穴と同じサイズになっています。
これを3Dプリントするわけですが、新しい材質のレジンを使ってみました。

このような透明な物が出来ました。

形状はカートに付属しているローダーと同じにしました。

ローダーとしても使え、オイルを注すのにも使えるというわけです。


このようにスプレーのノズルを入れれば無駄なくFピン穴にオイルを注せる!
…と思ったのですが、やっぱりスプレーの噴射って勢いありますね。ブシャーっと吹き戻してきます(笑)。ちゃんと穴にオイルが入ったかよく分かりません。
でも無いよりは作業しやすくなったかな?と思います。

あと、今回材質としてレジンを選んだわけですが、表面にオイルが付くとヌルヌルになり、ローダーとして使おうとすると手が滑ります(笑)。
というわけで、PA12というよく使うナイロン系樹脂でも作りました。

こちらは表面がザラザラなのでオイルが付いても問題なし。でもこれを見せた人から「透明なところがイイ」とも言われたんですよね〜。まあこの辺りは好みの問題でしょう。

Wキック+Pはとても面白いカートなのでおすすめです。デザートイーグル用も発売されていますので、そちらも入手したいです。

  

Posted by Red at 18:45Comments(9)モデルガン3D造形

2022年07月29日

ウィルソン92Gへの道(6)リコイルSPガイド


昨年、マルシンM9A1をベースに、ウィルソンコンバットによるカスタムベレッタ、Beretta/Wilson 92G Brigadier Tacticalを製作しました。
ウィルソン92Gへの道(1)
ウィルソン92Gへの道(2)
ウィルソン92Gへの道(3)
ウィルソン92Gへの道(4)
ウィルソン92Gへの道(5)
なんとか外観を作り上げたものの、持ち越した課題がいくつかありました。
そのひとつがリコイルスプリングガイドです。

この銃にはウィルソン製のカスタムガイドロッドが組み込まれています。
その特徴はスパイラルフルート、すなわち螺旋状の溝が切られている事です。

ウィルソンコンバットのオフィシャルショップより画像を拝借
アナウンスでは、この溝によって表面に汚れが付きにくくなり、スプリングの動きがスムースになるらしいです。本当にそんな効果あるのか分かりませんが。

昨年の製作時には、暫定的にマルシン純正のガイドロッドに手で溝を掘って再現しました。
その結果…

非常に残念な仕上がりとなりました(笑)。

私の腕と貧弱な工具では無理だと分かりましたが、旋盤やフライス盤を扱える人にとっては溝を掘るぐらい造作もないだろうと考え、外注しようと思っていました。
しかしそういった加工に詳しい知り合い何人かに話を聞いてみたら、私が思っていたほど簡単にできる加工ではない事が分かりました。
特にマルシン純正のガイドロッドを加工するには、パーツを固定する方法を工夫しなくてはならず、しかも失敗も出来ないため、ガイドロッドそのものを新たに材料から削り出すのが現実的だろうとの話です。
…そんな大げさな事になるなら、3D造形で作ってしまう事にしました。

昨年自分で彫った時は溝4本でしたが、「おそらく3本」とのアドバイスを知人からもらい、120度ずつ回転する溝を作りました。CADソフト上でもこの溝を作るのは結構難しかったです。

造形された物がこちら。

素材はアルミです。
後端に飛び出ている突起はわざと作りました。

突起部分をドリルやリューターに咥えさせて回転し、ヤスリやペーパーを当てて研磨するのと、塗装時の持ち手にするためで、あとで切り落とします。

研磨、焼き付け塗装して完成したウィルソンタイプのベレッタ用リコイルスプリングガイド。

もう少し溝を太くしても良かったです。

銃に組み込んでスライドをホールドオープンした状態。

カスタムガイドロッドだと分かるのはこの状態になった時だけです(笑)。
ウィルソン製ガイドロッドは溝があるだけでなく、先端に丸みがあるのも特徴なのでその部分も再現しました。
だからスライドが閉じていても、よく見れば先端形状が違うのが分かるはずです。

…まず誰も気付きませんね(笑)。
しかし、とりあえず宿題を1つ片付けられました。
  

Posted by Red at 22:52Comments(2)モデルガン3D造形

2022年07月25日

トカレフのマガジンフォロアー加工の話など


タナカのトカレフ絶好調です!
快調作動動画もどんどんネットに上がっていますから、これはもう発火式モデルガンの傑作と言って良いでしょう。

一点気になったのが、マガジンフォロアーの動きがイマイチな事です。
マガジン内でカートがおじぎしたり、マグキャッチがかかる穴に引っ掛かって止まってしまったり。このような報告も結構ネット上で見られます。
自分の個体は、空マガジン挿入状態でスライドを手で引いても、スライドストップがかからないか、かかっても非常に浅くしかかからない状態でした。これもマガジンフォロアーの動きが悪いのが原因と思われます。

そこでマガジンフォロアーをちょっと加工しました。

マガジンから取り出し、側面にペーパーを掛け、コンパウンドで磨きました。
削るというよりも磨いたという感じです。マガジンチューブの内側との摩擦抵抗を減らす事が目的です。

さらにスライドストップがかかる部分の側面も同様に磨きます。


これをやった後は、手動でスライドを引いても、シャキッとスライドストップがかかるようになりました。
そしてカートがおじぎしてのフィーディングトラブルも減った気がします。…気がしますというのは、もともとフィーディングトラブルもほとんど起きなかったから、減ったのか元々の快調作動なのか判別がつきません。

ちなみに不発が起きている方もいるようですが、カートをセットする際、ライナー内部にオイルを塗布しましょう。キャップが内部でスムースに動かなければ不発の原因になるでしょう。

また手動での排莢がうまく行かないとの話を聞いて自分も試してみましたが、確かにカートが排出されにくいです。エジェクターに当たるところでかなり強く引かないと排出されません。
おそらくこのモデルガンは発火作動を前提としたセッティングなのでしょう。非発火派の方は手動での装填排莢用に調整されると良いと思いますが、それをすると発火時のバランスを崩す可能性があるでしょう。
発火するとトラブルはほぼゼロですから、自分はこの神がかり的なバランスは触らないようにしようと思います。

残念な情報としては、このトカレフを購入された方の中で、1発でバレルが破損した事例があるようです。
私の知る限り3件あり、どれも初弾でロッキングラグのあたりから破損したらしいです。
新製品にトラブルは付きものですが、メーカーが耐久性に自信を見せていた製品なので、このようなネガティブな事例が発生した事は残念です。ただ、今回のトカレフは全国で予約完売かそれに近いショップが多く、かなりのヒット商品となっているようですので、その状況で破損報告が続々と上がっているわけではないという事は、破損は稀な事例かと思います。
いずれにせよ1発破損という事は明らかに初期不良ですので、今後そのような個体に当たってしまった方は、メーカーか購入店に連絡して対応してもらってください。

そして、取り扱い説明書でその存在が明らかになった中国トカレフ“五四式拳銃”が、早くも来月登場します!
スライドのセレーションやリアサイト、さらにグリップも結構違うようなので非常に楽しみです。
人民解放軍の銃がモデルガン化される日が来るとは想像もしていませんでした。しかもまたオールHW製!これは買うしか!
  

Posted by Red at 19:42Comments(10)モデルガン

2022年07月16日

トカレフTT-33(タナカ)モデルガン入門にも最適!


「モデルガン初心者の入門用にはトカレフがいい。箱出しで快調に作動し、モデルガンの楽しさを知るのに適した製品だ」
もし10年前にこんな事を言ったら、狂人扱いされたでしょう。
しかし現実にそんな世界がやって来ました。
タナカの新製品、トカレフTT-33です。

モデルガンにおいてトカレフは発火作動を望めない「動かない」モデルの代名詞。
それを発火マシンを次々と送り出しているタナカが出すという事で、一体どうなるかと思っていたところ、想像を遙かに上回る絶好調!
スライドがキビキビと動き、まったくジャムる気配もなくカートを勢い良く吐き出します。


しかも本体にはカートが1マガジン分8発付属しているので、キャップ火薬とオイルだけ追加で買えば快調ブローバックが楽しめるという、まさにビギナーにうってつけのパッケージに仕上がっています。これは間違いなく発火して遊ぶためのモデルガン。かつてのトカレフを知っている人は信じられないでしょうが、ホントにホントです。

発火性能だけでなく、外観も素晴らしい、撃ってよし見てよしのモデルガンです。

細身のボディが再現されているだけでなく、かつてのモデルでは入ってなかった刻印の数々もしっかり入っています。


右側面。
こちらもフレーム側面やトリガーガード、トリガーなどに色々な刻印が再現されています。
スライドストップはクリップで固定。トカレフの特徴のひとつです。分解する時にはこのクリップをずらして外します。


特徴的なスライドの滑り止めとラウンドスパーハンマー。
スライドトップには、フレーム左と同じシリアル番号と製造年が刻印されています。

通常分解。

実銃の写真と見比べてもソックリですが、至るところにモデルガンならではの破損防止対策が施されています。


リコイルスプリングガイドとリコイルスプリングリテイナー。ここにバッファーが仕込まれています。他にも各所バッファーが取り付けられているようです。


バレルはタナカのSIGなどで採用されている樹脂と同じように見えます。耐久性が期待できます。
ガバと同じブローニングタイプのバレルリンクが付いており、ショートリコイルが再現されています。発火性能を高めるためにストレートブローバックになると予想していました。ショートリコイルを再現しながら完璧作動とは本当に凄い。
さらにデトネーターは一本の金属棒ではなく、4パーツで構成されています。これも破損対策と思われますが、詳細は不明です。


トカレフはシアーやハンマーなどのメカがユニット化されているのが特徴で、そのユニットはピンなどで固定されているわけではないので、簡単にスポッと抜けます。


これがトカレフの心臓部・メカユニット。なんとこの中にメインスプリングまで内蔵されています。

新規で作られた7.62mmトカレフ弾を再現したカートリッジ。

パーツ構成はパラカート時代から続くタナカ伝統の二重構造ですが、ライナーの形状が新しいし、Fピンは最新仕様の快音トップ。
そして外側のケースは超ジュラルミン。非常に軽量で、全長の長いカートがスポンスポン飛んでいきます。


今回、特筆すべきはフレーム、スライド共HW製であるという事です。
近年のタナカの傾向では発火の衝撃に堪えられるよう、スライドはABSにしてくると誰もが想像していたと思いますが、良い意味で期待を裏切られました。
オールHW製だと重量がアップし、触った時の硬質感が高いのも勿論ですが、ブルーイングが出来る点もポイント高いです。

しかし、これほど華奢なトカレフをオールHWで完成させるには、そうとう破損対策を研究された事は間違いないでしょう。タナカの技術力は凄まじいの一言です。
ハドソン製とのパーツ互換が気になる方もいるかも知れませんが、ここまで完璧作動に仕上げて来たという事はもはや別の製品と考えるべきだと思います。ちょっとやそっとの違いではないはずです。

そして発売と同時にモデルガン界隈を驚かせ、狂喜させたのが説明書の部品図です。

54式のパーツが記載されている!!
つまり、近い将来に中国製トレカフ、54式手槍が発売される事を意味しています!ここに記載されている以上は数ヶ月以内、もしかしたら来月発売かも知れません。メッキモデルにも期待しちゃいますね。
今年下半期はトカレフフィーバーになりそうです。
  

Posted by Red at 00:01Comments(16)モデルガン

2022年07月13日

タナカ新製品【トカレフTT-33】開封ライブ


いよいよタナカの新製品・トカレフTT-33が発売されます。
というわけで!
7月14日(木)23時〜
開封の様子を、恒例のYouTubeライブにて生配信しますので、お時間のある方はご試聴ください。

当方のYouTubeチャンネルにて配信しますので、配信枠への直リンクか、当方のチャンネルトップからお入りください。

個人的に、今年一番の注目製品です。事前情報のように、本当に快調に動くのでしょうか?壊れないのでしょうか?まだ信じられません。
ご試聴頂ける方は、よければチャットにもご参加ください。

※ライブ配信をしていると、YouTubeの運営に(AIに?)銃器と勘違いされて強制終了される可能性がありますが、予備枠を設けてありますので、途中で配信がストップしたら説明文の下にあるリンクより予備枠に移動をお願いします。

※アーカイブは数日後に削除します。
  

2022年07月12日

グロック用カービンキット(APS製)


グロックをカービンにしました!
タナカのグロックは新旧色々と所有しているので、1挺ぐらい変わった感じにしたいのと、Gun Pro誌でToshiさんがグロックをカービン化している記事を見て影響されました(笑)。ついでに最近観た映画『レイジング・ファイア』でもグロックのカービンが登場していてカッコイイです!

で、グロックのカービン化キットは色々と販売されているのですが、その中からAPS製を購入しました。理由はフォアグリップが付属していてお得なのと、コッキングハンドルがブローバック時に前後するタイプだからです。

こちらがカービン化キット。


パカっと開けてグロックを入れるだけなので簡単です。

エアガン用ですが、モデルガンでも加工なしでポン付け(ポン入れ?)です。


銃の後部に、このようにコッキングレバーを取り付けますが、これもただ被せるだけで、しかもセレーション部分に噛み合ってるだけです。
こんなもんで外れないの?ガスガンならともかく、モデルガンのコッキングは固めなので大丈夫かなぁ?と思いましたが、まったく問題ありませんでした。

発火も問題ありません。

不発はグロックのほうの問題です(笑)。
映像では分かりにくいですが、撃つ度にコッキングレバーが前後します。動くほうが絶対に面白いと思ってこのカービンを買ったわけですが、実際に構えて撃つとレバーが顔のすぐ前なので結構怖いです(笑)。


エジェクションポートは前後幅は十分ですが、上に空間がないのできちんと排莢するか心配でしたが、エジェクショントラブルは起きません。でも排莢方向がほぼ水平に変わったので、たぶんカービンキットに衝突して真横に飛んでいるのだと思います。

今回はグロック17を入れていますが、やっぱりグロック18(C)のほうがイイですね。今度はフルオートで撃ちます。
そうなると、やっぱりロングマガジンが欲しくなるわけです。。。

カービン化って楽しいですね!グロック用やベレッタ用など、他にも色々と売っているので少しずつ試していきたいと思います。
  

Posted by Red at 00:41Comments(0)モデルガン

2022年06月26日

中国から来た新ジャンル

昨年から一部マニアの間でじわじわと人気が高まっている、中国製の排莢式トイガンです。

このブログを開設して以来、一貫してモデルガンだけを紹介してきましたが、ついにモデルガン以外を紹介する日が来ました。もうこのムーブメントは無視できないぐらいアツいです。
amazonで「HORA.」というブランド名で販売されているトイガンシリーズで、これがモデルガンマニアのツボを突きまくっているのです。

まず人気に火が付いたのがグロックです。

モデル名、口径、セレクターの関係などが微妙にアレンジされていますが、基本的にはリアルサイズです。
で、これに弾を込めてトリガーを引くと、
ブローバックして排莢します!



これのスゴいところは、ガスや電池などのパワーソースを一切使わないのです!
我々としては「タニオアクションのようなもの」としか表現できないのですが、実際にはタニオアクションとは違います。タニオアクションであればトリガーとスライドが連動して後退しますが、このトイガンの場合、ダブルアクションのような重さのあるトリガーを引いていき、レットオフのタイミングで初めてシャコッとスライドが後退、前進します。
詳しい仕組みは不明で、とても不思議です。
そしてこのトイガンは弾を発射する機能はなく、ブローバックと排莢だけを楽しむ玩具です。想像ですが、中国ではエアガンに対する締め付けが厳しくなっている事から、メーカーがこのような方向性を模索したのかも知れません。しかしこれが日本のモデルガンマニアの琴線に触れたのです。

こちらが使用するカートです。

グロックに付属していたのは金メッキされているほうで、後になって光沢のある黄土色に変更されました。

準備や後片付けの必要がなく、パワーソースもなしでブローバック、排莢が気軽に楽しめる玩具。価格は2000円台~3000円台。話のタネに買ってもイイかなと思わせます。
とても面白いですが、触るといかにも粗悪な樹脂という感じで、重量も軽くスカスカ。自分が買った物はスライドが明るいグレーで、フレームが黒のタイプですが、フレームが青のバージョンもあり、そうなるともう見るからにチープな玩具という印象です。

「あのグロック面白いよね〜」なんてマニアの間で話題になってから数ヶ月、次に登場したのがこちら。

CZ Shadow2です。
グロックから一気に質感がアップし、スカスカ感がありません。そして外観もさらにリアルに。
それだけではなく、なんと射撃も出来るようになりました!
バレルにレーザーポインターが仕込まれ、トリガーを引くと一瞬だけレーザーが照射されます。


レーザーに反応してパタパタと倒れる、シューターワンのような専用ターゲットも販売されています(先のグロックも、レーザー照射タイプが出たみたい?です)。
一気にグレードアップして、価格も倍の6000円台になりました。ただこれだけクオリティが上がっていれば妥当でしょう。しかもモデルガンにおいてCZはマルシン製の不完全な物しかないので、CZを手にしてみたいモデルガンマニアには悪くないはずです。

このように、「モデルガンで製品化されていない銃が出たらイイな」と思っていたら、コイツが登場しました。

S&W M&P。
ここまで来るともう外観はエアガンと遜色ありません。しかもウェイトが仕込まれているのか、持つと少しズッシリします。
現在、自分が最もモデルガン化してほしい銃は、H&K VP9と、このS&W M&Pです。
というわけで、M&Pをパコパコと排莢させられるというのは、楽しくて仕方ありません。


あ、すべての銃に共通ですが、トリガーフィーリングはダブルアクションオンリーのような感じです。撃ったあとのトリガーのリセットは最初の位置まで戻す必要があり、トリガープルも重めです。

ここで紹介した3機種のほか、USPやベレッタM9A1、キンバーなどもラインナップされているので、ご興味のある方はamazonで「HORA 排莢式」と検索してみてください。

このシリーズは弾を発射しませんが、モデルガンとも違いますし、もちろんエアガンやナーフとも違います。まだカテゴライズされていないジャンルのトイガンと言えます。いくら進化しても日本のモデルガンと競合する事はないでしょうが、我々から熱い視線が注がれている事は間違いありません。

特筆すべきは、昨年グロックが注目されてから1年も経たずに凄まじい進化を遂げ、次々と新作が投入されている事です。このスピード感とフットワークの軽さは、さすが中国、恐るべしです。
SIG P320の登場は時間の問題でしょう。VP9が製品化されたら、私は絶対買います。

  

Posted by Red at 02:33Comments(6)モデルガン

2022年06月22日

トカレフ発売間近!最凶伝説にピリオドなるか


タナカの7月の新製品が発表されました。トカレフTT-33です!
昨年の秋に開発している事が判明して依頼、待ち侘びていた方も多いでしょう。自分もその1人です。
タナカが新製品を出す場合、雑誌などで発表して2ヶ月後ぐらいに発売というパターンが多いですが、今回は突然の「来月発売」です。もう間もなくです!

今回のトカレフに期待が高まるのは、作動性能の技術向上著しいタナカが発売するからです。
もしこれが他のメーカーだったらそこまで期待しないでしょう。
かつて発売されていたトカレフは、モデルガン史に残るほど作動が困難な物でした。誰が一番トカレフのモデルガンを快調に動かせるか?という大会まで開かれたほど。まさに「凶銃トカレフ」です。

タナカは情報公開と同時にプロモーション映像も公開しました。

あの最凶のモデルガンが、ラピッドファイアで2マガジン!
にわかには信じられません!ガスガンかと思いました(笑)。

そう言えば以前、森副社長がSNSに「ラスボス感がある」と書かれており、調整に苦難されている様子がうかがえました。タナカの公式ブログによると、各所にバッファーが仕込まれて耐久性もバッチリになっているようです。相当研究されて仕上げたものと想像されます。

さらに特筆すべきは、今回はスライド、フレームともHW製になるとの事です。
近年のタナカのオートは、フレームがHW、スライドがABSという組み合わせが増えていましたが、重量を考えればスライドもHWのほうが良いですし、ブルーイング派にも歓迎されるでしょう。しかも現在、HWは材料が不足しており、トイガン業界全体で見ても今後のHW製品の行く末がどうなるか分かりません。もしかしたらオールHWのトカレフを入手できる最後のチャンスになるかも?そうならないとイイですが…。

さらに、新規で作られたトカレフ弾のカートリッジが、本体に1マガジン分(8発)付属するそうです!
これはおそらくエントリーモデルを想定されているからで、タナカの公式ブログでもそのような事が書かれているから、それだけ作動性能、耐久性ともに自信があるのだと思います。

これでトカレフ最凶伝説に終止符が打たれるのか?
店頭に並ぶのは7月14日頃と思われます。
  

Posted by Red at 00:14Comments(6)モデルガン

2022年06月19日

V10のバレルを作る(2)


前回:V10のバレルを作る(1)

MGCのV10ウルトラコンパクト用のバレルを、GM-7バレルを加工して作る後編。
前回はGM-7バレルを切断し、コーン部分をかぶせてポート空け、ロッキングラグとチャンバー後部の加工、バレルリンクおよびフィードランプの取り付け、チャンバーカバーの製作などを行いました。

ここまでやれば問題なく作動するという自信がありました。
GM-7バレルをMGCガバにスワップするのは過去に何度もやって来たからです。
実際、手動での操作や装填/排莢は問題なくできます。

ところが実際に発火テストを行うと、作動不良が頻発しました。

こんな感じで、バレルが前に傾いて止まってしまうのです。
ロッキングラグの削りが甘いのかと思いましたが、追加工しても改善されず。
こういう状態になると、スライドは戻っても以後バレルがショートリコイルの動作をしなくなります。

原因を探ったところ、

リコイルスプリングガイドが傾いている事が分かりました。
この状態のままスタックしているのです。

なぜ斜めになったまま動かないかと言うと、、、
リンクとガイドが斜めに嵌まって動かないのかと思ったらそうではなく、ガイドがバレルに嵌まっているみたいです。

V10やデトニクスのリコイルスプリンガイド後端は、動きをアシストするため(?)のラグが2本あるのですが、このラグがバレルリンクの溝に嵌まり込んでしまっているのです。

MGCのバレルとの比較。

左がMGCで右がタニコバ。
タニコバのバレルは、リンクが厚いために溝が広いうえ、付け根のところもMGCより深く切り込まれています。
このせいでリコイルスプリングガイドが嵌まり込んで動かなくなっているようです。

溝の幅を狭くするのは大変なのと、リンクも薄くしなければいけないために、とりあえず付け根のところを塞いでみる事にしました。

金属パテ・ジーナスで埋めました。
これで発火テストを行ったところ、スタックする事はなくなりました!対策としては正解だったようです。

ただ、3マガジンほど発火したあと確認すると…

埋めた部分が押し込まれるように外れていました。。。
パテの強度は十分ながら、リコイルスプリングガイドが押す力は相当なようです。

そこで今度は溝の周囲を1mmほど掘り、


そこへ厚さ1mmのABS板を埋めるように貼りつけました。こうすれば押し対する耐性はあるはずです。


というわけで発火です!
まずは一般的なCPカート(C-Tec製マイルドキック)で。デトネーターはBWC製のCPカート用です。

快調作動!
埋めた部分も無事です。

良い感じなので、今度はダブルキャップでの発火です。
これを試すためにこのバレルを作ったようなものです。

C-Tec製のWキック+Pというカートです。

こちらは以前発売されたダブルキャップカート、Wキックとほぼ同じなのですが、Fピンの頭にポケットがあります(中空の穴ではない)。
このポケットに、少量のシリコンオイルを注しておくと、凄まじいマズルフラッシュを実現するというかなりホットな製品です。


GM-7用の専用デトネーターで発火。

スロー映像。


ポートから見事にV字の火が吹き上がっています。これは面白い!


銃口の上半分を塞ぎ、インサートの上を通るガスをVポートからだけ出すようにしましたが、しかしC-TecのWキック+Pの実力なら、このような小細工も必要なかったかも知れません。

シングルキャップ及びダブルキャップ合わせて11マガジン発火した後のバレル基部。

若干攻め込まれていますが(笑)、弾力のあるABS板なのでとりあえず大丈夫そうです。
これでダメなら、横穴を空けてピンを打ち込む事も検討しないといけません。


V10を発火するのは初めてだったのですが、デトニクスよりも安心感があると感じました。
それはデトニクスよりもわずかにスライドが長いからです。
コンパクトモデルではスライドのアゴの破損という懸念がありますが、このわずかな長さの違いによって、壊れそうだという感触があまりないです。それはMGCの純正バレルで発火しても同じ印象です。どちらかと言うとコマンダーを撃っているのに近い感触です。

とても優れたモデルガンだと思いますが、モデルガン低迷期に発売された製品なので、生産数も少なく、中古市場でもあまり出回っていません。
CAWにはこういうモデルのリバイバルをしてほしいなぁと思います。

  

Posted by Red at 18:17Comments(0)モデルガン

2022年06月10日

V10のバレルを作る(1)


MGCのV10ウルトラコンパクトです。バレルに空けられた10個のポートが特徴的なコンパクトガバです。
1911系のモデルガンはタニオ・コバのGM-7やそのカスタムで網羅されつつありますが、このV10は未だGM-7ではモデルアップされていません。まだまだMGCガバも現役という事です。

さて、このV10用のバレルを、GM-7用バレルで作ろうと思います。
その理由としては、
1)オリジナルバレルが壊れたらパーツ調達が困難
2)タニコババレルは壊れにくい
2)各種デトネーターを用いて様々なカートが使える
などなどです。

まずはともかくタニコバのバレルをぶった切ります。

インサートが複雑怪奇な形でバレルの樹脂に食い込んでいるのが分かります。これは抜き取る事なんてできないと、この断面を見るとよく分かりますね。
バレルは最終的な長さよりも5ミリぐらい短めに切りました。V10はコーンバレルなので、ここにアウターを被せて完成させます。

そのアウターを設計。

センターから何度傾けたところにポートを配置するのかよく分かりませんでした。しかもテーパーが付いているので余計に位置決めがしにくい。意外と苦戦しました。
3Dプリントが仕上がるまでに数日かかるので、それまでの間に他の加工をします。

まずはチャンバーカバーを作りました。

V10のチャンバーカバーには「マニュアルを読め」とかゴチャゴチャと書かれていますので、それを再現。
当方の安物レーザー刻印機はステンレス板にも刻印できますが、彫るというよりも焼き付けるぐらいの感じです。まあ個人用の自作なので十分です。これを曲げてバレルに貼りつけます。


GM-7バレルをMGCに流用する場合の基本加工、ロッキングラグとチャンバーの左側(赤矢印)を削りました。
ロッキングラグはチャンバーカバーと同じ高さになればOK。チャンバーの左側は1mm程度削ります。
またフィードランプも増設しました。

GM-7バレルをMGCガバに使うための変換用バレルリンク。

これはカスタムショップなどが独自に作って販売していたり、自分もDMM.makeで販売しています。
これを付ければイイだろうと思っていましたが、そうではありませんでした。
このリンクはGM-7バレルに付くように、MGCのリンクよりも約5mm厚くなっています。リンクと接触するリコイルスプリングガイドの後端は、ノーマルガバではフラット面になっているので問題ないですが、V10はデトニクスなどと同じように溝があります。厚いリンクだとこの溝に嵌まらないのです。
リンク全体を薄くするとバレル側がユルユルになってしまうので、仕方ないから溝に嵌まる部分だけを削って薄くし、なんとか嵌まるようにしました。


そうこうしているうちにコーンバレルのアウターが仕上がってきました。


これを被せるわけです。


接着はJBウェルドを使用しました。衝撃と熱に耐えられるよう、ここは強力な接着剤が必要です。

このアウターでは、以前からやってみたかった事を試しています。

マズル側から見ると分かりますが、インサートの上半分を塞いであります。
こうする事で、インサートの上を通るガスはポートだけに抜け、マズルへはインサートの下を通るガスだけが抜ける事になるはずです。たぶん。
ダブルキャップなどで発火した時の効果に期待しています。

しっかり接着されたところでポートを空けて行きます。

アウターの穴は位置決めのためで、やや小さく造形しています。これより少し大きめのドリル刃で穴を空けます。
直径は3mm。

穴が空いたところで仮塗装してみました。

とりあえず形にはなりました。発火しないならこれで十分。
しかし自分の場合は発火を楽しみにこれを作っています。実際に発火テストをしたら作動が不十分でしたので調整が必要です。

というわけで続きます。
  

Posted by Red at 18:49Comments(4)モデルガン

2022年05月10日

グロックのストレートブローバック化


タナカのグロック17をストレートブローバックにしてみました。


このような形状のパーツを設計。樹脂で3Dプリントしてテストした後、チタンで造形しました。
バレルの下にあるバレルサポートというパーツを取り外し、代わりにこれをつけます。

Lを横にしたような部分がシャーシに引っ掛かり、バレルが後退しなくなります。ブローニング式ショートリコイル(疑似)の動きをキャンセルするのです。
バレルが後退しないとマガジンからチャンバーへのカートの送り込みに支障が出るので、フィードランプを延長しているわけ。


スライドを引くとバレルがダストカバーよりも突き出たままだという事が分かります。
タナカのグロックは最初からチャンバー上部が一段下がっているので、特に加工しなくてもスライドの内側と干渉する事もないようです。

バレルが動かず、スライドだけが動くので、スライドを手で引いてみても余計な引っ掛かりがなくスムースに動く事が実感できます。
そして発火テスト!

これまで200発ほど発火しましたが、大きな不具合は発生しません。
撃ち心地がやや違う感じがしますが、これもバレルが動かない事による変化でしょう。

さて、なぜこのような事をやっているかと言うと、いくつか理由があります。

1つは作動の安定性を図る事です。映画などに使われるプロップガンも、ショートリコイル方式の銃をストレートブローバックにする事が多いようです。これは実銃ベースのブランクガンを使う海外でも同様です。余計な動きを排除する事でジャムは起きにくくなります。
そして実際に試してもフィーディングトラブルは少ないです。

そしてもう1つは破損対策の試行錯誤です。
下の画像は過去に自分が壊したグロックのスライドの1部です。

上2つがHW、下2つがABSです。
HWはアゴが完全に吹き飛んでいますが、さすがのABSはクラックだけです。
注目すべきは、ABSスライドのまったく同じ箇所に、同じようにクラックが入っているという点です。この2本だけでなく、ABSスライドのクラックはほぼ確実にココに入ります。そう思ってHWのほうを見ると、ABSのクラックと同じラインで割れている事が分かります。

スライドの破損は、不発と並んでグロックの永遠の対策テーマで、自分も過去に何度も「破損対策」の記事を書きましたが、どの方法を試しても確実に破損を防ぐ事はできません。また先頃タナカが発売した『EVO2改』仕様では、スライドの内側に金属パーツを取り付ける対策が施されていますが、それでも同じようにクラックが入った事例があるようです。

同じように割れるという事は、単に素材の弱さとかだけでなく、この1点に特に負荷がかかっていると考えられます。
その負荷の原因は何なのか?
分かりません!
というわけで色々と試しているのです。
ブローニングタイプのショートリコイルは、バレルが後退するだけでなくティルト(上下に傾く)しますから、その動きが悪さしているかも知れないという仮説を立ててのこのテストです。バレルが固定されスライドが真っ直ぐ後退するだけならバレルがスライドに影響を及ぼす可能性は低いです。
これでもスライドが同じように壊れるなら、バレルの動きは関係なかったという事になります。とにかく色々と試して可能性を潰していくしかありません。

先に述べたように発火性能に関してはショートリコイルしないほうが調子は良いです。
しかしモデルガンの疑似ショートリコイルは、ユーザーの無い物ねだりにメーカーが応えて工夫を凝らし再現してくれた、努力とアイディアの結晶です。そのショートリコイルをキャンセルするのはとても心苦しく、できるならショートリコイルは活かしたまま遊びたいです。ホールドオープンした時もカッコ悪いし…。

でも、意外とこのストレートブローバックバレルが需要あるみたいで、多くの方からパーツが欲しいと言われました。まだ設計を若干修正しますが、形になったら何らかの形で販売も検討します。やっぱりみなさんグロックには苦労してるんですね…。自分だけじゃなくて良かった(笑)。

スライドの破損対策にはならなくても、このパーツ形状だとバレル基部の破損防止にはなるはずです。
またグロック18(C)はスライドの動きが速いので、このバレルにしたほうがフィーディングが安定するでしょう。

テストを続けます。
  

Posted by Red at 00:09Comments(15)モデルガン

2022年05月01日

GWビクトリーショー/タニコバ社長も参戦!


本日は都立産業貿易センター浜松町館にて第99回ビクトリーショーが開催されました。
ゴールデンウィーク、さらに宣言や措置などが出されていない中での開催という事で大変な盛況でした。馴染みのブースで話を聞いても、前回に比べて大変よく売れたそうです。
当方は2020年からディーラー出店を控えていますが、世情を見ながら出店再開も考えようと思います。

本日最も驚いたのは、タニオ・コバの小林社長が出店されていた事です!
何のアナウンスもせずに出店しているので、「小林社長っぽいなぁ〜」と思いながらも一度スルーしてしまったほどです。気付かなかった方も多いと思います。
メーカーとしてというよりも、社長個人での出店という感じで、ブース名は“コバさん屋”(笑)。奥様と2人で、ホルスターや洋書などを販売されていました。

貴重なホルスターの数々。
そんな中で当方が購入したのは、

イングラム用ホルスターです。
ハーネス無しなのでお値打ち価格。
これは社長が海外から持ち帰った本物で、これを参考にMGCでホルスターを製作されたそうです。ただMGC製はマガジンなども入るホルスターは見た事がありますが、このタイプを私は見た事がありません。


ちょうどイングラムがマイブームですし、社長から直接購入できて良かったです。
久しぶりに元気そうなお姿も拝見できて嬉しかったです。


銃を入れる向きはこれで合ってるのかしら?
よく分かりませんが、とても良い戦利品となりました!
  

Posted by Red at 23:09Comments(3)モデルガン

2022年04月14日

イングラムM-11の調整


MGCのイングラムM-11を近代化した記事を前回書きましたが、これに先だって銃本体の発火調整を行いました。

MGCのイングラムと言えば、昔から「絶好調モデル」として有名ですが、実のところ1マガジンノートラブルで発火できている様子をあまり見た事がありません。これは生でも動画でも。そして自分自身の保有モデルでも。大抵は途中で排莢不良が起きて撃ちきれません。
もっとも、近年のタナカやタニオ・コバなど、箱出し無調整でガンガン動くモデルガンに慣れてしまったから物足りなさを感じるだけで、当時としてはこれぐらいでも「絶好調」だったのかも知れません。

さてイングラムの調整ですが、吠えるモデルガンさんのブログにその方法が記載されていますので、実際に調整される方はそちらをご参照ください。とても価値のある記事です。
この中で一番のポイントはボルトの加工だと思います。

ボルトが一番後ろまで後退した時、エジェクションポートの前方にボルトの一部が露出します。
この部分はなくても問題なさそうですし、あると超高速で作動するイングラムの事ですから、排莢の妨げになりそうです。


このように切り取りました。これでボルトがいっぱいまで後退してもエジェクションポートにボルトが現れなくなり、カートがエジェクトする際に邪魔になる物はなくなります。

というわけで、吠えるモデルガンさんの記事に書かれている事をすべて実施したら、ほぼ確実に作動しました!
もうこれだけで十分とも思えるような快調作動でしたが、さらに万全を期すために以下の加工も追加で行いました。

より確実に排莢するようにバレルのフィードランプの右側を少し削りました。

この辺りにカートが挟まる事が多いので、引っ掛かる物さえなければとりあえず外に出てくれるだろうという考え。

そしてわずかではありますが、エジェクションポート前方の内側も面取りしました。

こんな少し削っただけで効果があるかどうか分かりませんが、少しでも当たりそうなところは削っておきたいです。

また、ボルトの重量を増加する方法も考えてみました。
イングラムでジャムる原因は、やはりボルトの動きが速すぎるからだと思います。カートが排出される前にボルトが前進してしまうからエジェクションポートに挟まってしまうというわけ。であるならば、ボルトの動きを遅くすれば排莢が間に合うはず。

ボルトを後ろから見ると、エキストラクターの上あたりに空洞があります。

これが何のための空洞なのかよく分かりません。
左側はリコイルスプリング&ガイドが入るためにくり抜かれているので、左右のバランスを取るため?
初期のボルトだけなのかと思ってCAWが近年リバイバルしたイングラムを見てみましたが、同じように空洞になっています。
ここが埋まっていても作動に支障はなさそうなので、ウェイトを仕込んでみようと思います。

タングステン粘土。

以前購入したもので、ゴルフや釣りに使用する高比重の粘土です。
これを例の空間にみっちり詰めました。

粘土なので固まらないため、衝撃で飛び出さないようにこの上からパテでフタをしました。

結果、6グラム重量アップ。

でも先の加工で切り取ったぶん軽くなっているはずなので、実際には5グラムぐらいのアップでしょうか。

以上の調整を施した上で、タニコバのイージーCPカートで発火したら、もう絶好調も絶好調!
まったくジャムる事なく32連マガジンをどんどん撃ちきれます。

ボルトの重量をアップした事で、耳で聞いても連射速度がわずかに落ちている感じがします。そして排莢方向も安定した感じ。通常はカートシャワーの異名のごとく、横にも前にもカートを撒き散らす感じでしたが、全弾横一直線にエジェクトするようになりました。

実に爽快!
でも調子に乗ってバリバリ撃っていると火薬がみるみる減っていきます(笑)。
そしてイージーCPカートだと、やはりカートの組み立ては面倒。ここはやはりオープンカートをメインにしたいと思います。

ちなみにモデルガンでHW樹脂が採用されたのは、このイングラムのボルトが最初だと言われています。特に自分の所有するモデルのボルトは赤茶色の初期モデルと思われます。そんな歴史的にも貴重なボルトにメスを入れるのは少し忍びない思いでしたが、やはり動かしてこそ真価を発揮するモデルだと思いますので、きっとイングラムも喜んでるでしょう(笑)。
  

Posted by Red at 01:01Comments(7)モデルガン

2022年04月07日

M11近代化改修キット


ぱっと見、何の銃か分かりません。
しかしよく見ると、見慣れたレシーバーが搭載されている事に気付くと思います。

これはMGCのイングラムM-11です。それを“近代化改修キット”に組み込んだら、こんなシビれるカービンに変貌したのです。

この“M11近代化改修キット”は3Dプリンターで製作したパーツ類を、ツイッター上で不定期に受注販売しているQ @Q41016534さんの作品です。KSCのガスガンM11A1用に製作されたものです。
最初にこのキットを見た時、あまりのカッコ良さに驚いたと同時に、どのような仕組みなのか分かりませんでした。グリップとトリガーの位置が明らかにオリジナルとは違うからです。内部メカそのものを変更するキットであれば、モデルガンでは使えないだろうなぁと諦めかけたのですが、詳しく調べると内部パーツを一切いじる事なく、銃本体をセットするだけ(詳細は後述)だと分かり、購入を決めました。
そして、KSCのM11A1に使えるのなら、MGCのM-11にも使えるだろうという事を半ば確信していました。

MGCのイングラムM-11は1981年発売と大変古い製品ですがその開発経緯は異色で、実銃を軍や法執行機関に売り込む際にフルオート発火を見せられるデモンストレーション用のモデルガンが欲しいとのオファーを海外から受けて製作が始まったといいます。MGCには実銃の詳細な資料や国内でも所持可能なグリップなどが提供されたばかりでなく、実銃が横田基地に送られ、小林さんが基地に通って採寸や写真撮影などを行い設計されたという逸話も残されています。
だからMGCのイングラムは40年以上前の製品でありながら実銃のレプリカと言えるほどの完成度。M11と形状に違いのないM11A1をKSCが発売したのは2000年代ですからこちらも実銃に忠実なサイズのはずで、だからKSC用であってもMGCが使えると思ったのです。

閑話休題。
こちらがM11近代化改修キットです。


まずは銃本体のグリップ(背面部分)を外します。銃をいじるのは、これだけです。

そして三角形のパーツをこのようにトリガーに引っかけます。
この状態でキット本体にスポッと嵌め込みます。

まるでMGC用であるかの如くピッタリとフィットしました。やはりMGCもKSCも実銃と寸分違わぬ形状なのだと想像されます。
後部に新設されたトリガーを引くと、トリガーバーのような物が動いて実際のトリガーを引く仕組み。

だから銃の機構を一切いじる事なく、まったく別の銃のようにシルエットを変えられるのです。素晴らしいシステム!

あとは右のサイドプレートを閉じるだけ。

これがキットへの組み込みを完了した状態。
グリップやストックは付属しておらず、M4用のグリップを付けられるようになっています。
M4のグリップはガスガン用として巷に溢れており、自分好みの物を付けられるわけです。

これが最低限の完成形。

自分で用意しなければならないのはM4用グリップだけです。
ストックは無しでも別にいいでしょう。これだけでもスコーピオンみたいでカッコイイと思います。


レシーバー後部は20mmレールになっているので、ここに折り畳みストックなどを取り付けられるほか、M4のストックパイプを付けるためのアダプターも付属しています。これまた自由度が高いです。

自分はLayLaxのストックパイプ(MP5などにM4用のストックを取り付けるために最初からアダプターが付いている)を取り付け、そこにマグプルタイプのストックを付けました。

グリップは、せっかくなので現代っぽいやつを。

こちらはオプションのマガジンカバー。

元のマガジンボトムを外して中に入れ固定します。
こちらは取り付け自体は問題なく行えましたが、マグキャッチがかからなかったので若干加工しました。マグキャッチのかかる位置がKSCとMGCではわずかに異なるのかも知れません。2mmぐらい削っただけで問題なく使えました。

セフティは使えなくなるので、トリガー付近に新たにセフティが付けられていたり、オリジナルのワイヤーストックも使えるようになっていたり、そのワイヤーストックの出し入れはトリガーを押す事によって出来たりと、まさに至れり尽くせり。

内部機構のアイディアもさる事ながら、ルックスも秀逸です。元の形を隠しながらも違和感なく巧みにデザインされています。
ここまでシルエットが変わるとまったく別の銃に変身してしまいそうですが、イングラムの特徴的な箱形レシーバーを露出させてイングラムっぽさを残しているあたりも素晴らしいです。

これで発火すると、普通のイングラムとはまたひと味違って楽しさ倍増です。


さて、基本的には無加工ポン付けでいけるのですが、しばらくいじって気付いた事があります。
セミオートがきかないのです(この銃をセミで撃つ事はほとんどないから別にいいんですが・笑)。
原因を探ったところ、どうやらトリガーの引きが甘いようで、ディスコネクターとシアーの関係が断たれていないようです。引きが甘いのはほんのわずかで、あと1ミリもトリガーが引かれれば問題なく作動するのですが…。ただ自分の個体は大変古いものなので、シアーが変形してディスコネクトしにくくなっている可能性があり、個体差の可能性もありますしシアーを削って形を整えれば改善する可能性もあります。

トリガーを引くパーツは、このように金属棒になっています。

ここに真鍮パイプを被せて太くしました。

これで1ミリ程度トリガーを深く引けるようになり、セミオートも問題なく作動するようになりました!

いやあそれにしてもMGCの名作・イングラムM-11がこんな現代的な姿に変わるとは想像だにしませんでした。
そしてこのような優れた製品を個人が製作して販売する時代が到来したので、この趣味はますます楽しくなりそうです。

  

Posted by Red at 19:07Comments(4)モデルガン

2022年03月30日

GM-7にカスタムエジェクターを付ける


GM-7用のチタン製エジェクターを作りました(写真上)。
形状はBWCのエジェクター(写真下)に準じています(先端の形状は自分好みの角度にエジェクトするように変えています)。
なぜこれを作ったかと言うと、GM-7は金属カートを使用して発火を繰り返すと、エジェクターが変形してくるからです。

エジェクターは発火時に最も負荷のかかる箇所ですから、モデルガンでもこのパーツだけはスチールなど硬い金属で出来ている物がほとんどです。
しかしGM-7のエジェクターは亜鉛シャーシと一体。これはGM-7が元々プラカートの使用を想定して設計されているからで、プラカートを使っている限り問題ありませんが、アルミや真鍮のカートを使うとエジェクターのほうが潰れてしまうのです。

BWCは昔から金属カートを使えるようにスチール製のエジェクターを搭載したカスタムモデルを展開しています。一時期そのカスタムエジェクターが付いたシャーシ単体でも買えましたが、現在は販売していません。そこでBWCタイプのシャーシ+エジェクターを自作しようと思うわけです。

まずはシャーシとエジェクターを切り離します。

亜鉛なので簡単に切れると思ったら、意外と大変でした(大汗)。

途中で糸ノコが壊れたりといったトラブルに見舞われながらも(笑)、半日ぐらいかけて、なんとかようやく無事に切り離せました。


続いて、エジェクターを嵌める穴を掘るため、作っておいた治具を装着します。


穴の空いている箇所をドリルで掘ります。
これも文章で書くと一行なんですが、まあまあの深さを掘るので貧弱な工具では大変です。

掘れた穴に、チタン製エジェクターを装着!

これでBWC準拠のシャーシ+エジェクターが完成!
…と思いきや…

なんかエジェクターとスライドが当たります。
どうやらシャーシに掘った穴の位置が、わずかに左側にズレていたようです。
コンマ数ミリでも外側にズレていればスライドに当たるし、逆に内側にズレてると今度はブリーチに当たります。シビアですね。自分のようにフリーハンドで作る素人には難易度高いです。

掘った穴の位置は変えられないので、エジェクターを削ってスライドに当たらないように調整してなんとか完成!


いやぁ、予想してたよりだいぶ大変でした。
うまく行ったらこのエジェクターと穴の位置決め用治具をセットにしてイベントとかで販売しようかと考えてましたが、作業が大変すぎると分かったので計画は白紙にしました(笑)。
こんなに大変だったら、変形したエジェクターをヤスリなどで整えながら純正シャーシを使い続けたほうがいいです。

ただ最近、亜鉛をサクサク削れると話題のヤスリも入手しましたので、エジェクターの除去は楽にできるようになりそう。研究を続けます。
  

Posted by Red at 00:48Comments(8)モデルガン

2022年03月23日

S&W M&P R8


タナカの新製品、S&W PERFORMANCE CENTER M&P R8です。
モデルガン史上初の8連発リボルバーです!
とてつもない存在感!
形状のインパクトもさる事ながら、持つとズッシリと重いです。様々な方法で重量アップが図られているようです。

シリンダーをスイングアウトすると…

このような異様な光景です。
でも1日いじっていたら、6連発のシリンダーのほうが変に見えてきました(笑)。
とにかく、.357マグナムを8発装填できるという、大変面白いモノです。


バレルにはM&P R8の刻印と、8発装填のシリンダーをイメージしたような刻印が。
そしてバレル下にはアクセサリーレールを備えています。リボルバーなのに!

バレル左側面。

.357マグナムを8発も装填できるのは、この銃が大柄なNフレームだからです。
.44マグナム6発よりも、.357マグナム8発というファイアーパワーのほうが、実戦的な気がします。


サムラッチは現代仕様。その上にはロックするための鍵穴(ライブ)と、下にはS&Wパフォーマンスセンターの刻印が入っています。この刻印はちょっと薄めかな。


グリップはホーグをイメージしたようなラバーグリップ。
同社のスモルトに付いていたのと同仕様で、内部にはウェイトが仕込まれています。

リアサイトはVノッチです。

こういう形状のリアサイトは初めてですが、サイトピクチャーは良いと思います。

フロントサイトとマズル。

銀色のマズルナットと呼ばれるパーツは金属製の別パーツになっています。
ただモデルガン的な自主規制のためか、前方から押し込んであるだけで、社外製のダブルキャップ以上のカートを使うとガス圧で外れてしまいます。発火する人は何らかの方法で固定すると良いでしょう。

付属のマウントレールを取り付けた状態。

上にも下にも色々と付けられるわけです。リボルバーなのに!
そしてこのレールは金属製なので、付けるとまたまた重くなります。


製品にはマウントレールの他、カート8発とフルムーンクリップ1個、そしてカートをクリップに取り付けるための治具が付属します。至れり尽くせり!
カートをクリップでまとめておけば、スピードローダー不要でワッタッチ装填ができるわけですが、クリップなしでも普通に装填して撃てるところがこの銃の面白いところです。
カートは従来品に比べて形状が少し改良されていますが(ケースの口のあたりが丸められています)、従来のタナカ製.357マグナムカートも問題なく使えます。

アルタモント製のG10グリップを本体と一緒に購入したので取り付けようとしたら、ネジ穴の位置にちょうどハンマースプリングがあり、ネジが通らないという問題に直面し、どうしようかと思いましたが、各方面から情報を頂き、無加工でちゃんと付けられると分かりました。
今後購入される方もいらっしゃるかも知れないので、つけ方を共有しておきます。

最初に試すべきは、ハンマーを起こすことです。
メインスプリングが圧縮されるとわずかに位置が変わるので、ネジがメインスプリングを避ける事ができます。

この写真のように、まず左グリップを付けてネジを通し、然るのち右グリップを被せてからネジを締めるとうまく行くと思います。

この方法でうまくいかない場合は、グリップ前面にあるストレインスクリューを少し緩めるとメインスプリングの位置が変わります。

ただし緩めすぎるとハンマーの打撃力が低下しますので、わずかで良いです。
ストレインスクリューを緩めた上で、ハンマーを起こして取り付ければほぼ確実にグリップは付くはずです。
これでもダメなら、ネジの中央部分を削って細くする事になると思います。

G10グリップを取り付け、おまけにマルイのマイクロプロサイトとシュアファイヤーのレプリカライトを付けた状態。

まさにリボルバーの究極進化形という感じがします。
この銃は競技用ではなく、特殊部隊のシールドマン(盾を持った最前線の隊員)向けの銃との事です。
確実な作動や、様々な種類の弾薬への適応力といったリボルバーの利点に加え、8発の装弾数と、各種アクセサリーを搭載可能な拡張性が組み合わさる事で、ある意味「理想のコンバットガン」と言えるかも知れません。
とてもクセの強い外観なので、好き嫌いは分かれるでしょう。しかしこのM&P R8が極めて実戦的な銃である事は間違いなく、そのような銃に魅力を感じるのはガンマニアとして当然だと思います。そしてモノとしてもめっぽう面白い。
モデルガン史に新たな1ページを刻むタナカ渾身の1挺だと思います。

  

Posted by Red at 00:43Comments(0)モデルガン

2022年03月17日

タナカ新製品S&W PC M&P R8開封ライブ


タナカから新製品、噂の8連発リボルバー『S&W PERFORMANCE CENTER M&P R8 5inch HW ver.2』が発売されますので、その開封の様子を本日3月17日(木)夜10時からYouTubeにてライブ配信します。
もともと発売延期のお知らせがあり、来週になるだろうとのんびり構えていたところ、ショップから入荷の連絡が来ましたので、急な告知となってしまいました。
タナカの野心作、モデルガン初の8連発リボルバーはどんな感じに仕上がっているのでしょうか。楽しみです。
配信枠への直リンクか、当方のチャンネルトップからお入りください。よければチャットにもご参加ください。
※アーカイブは数日後に削除します。
  

Posted by Red at 15:58Comments(3)モデルガン

2022年03月10日

俺のガバメント フォトコンテスト


昨年9月に発売されたマルシンのガバメントシリーズ、そのキットモデルを対象に『俺のガバメント・フォトコンテスト』が開催されました。
当方もキットモデルを購入して組み、写真を撮ってエントリーしました。上の写真がそれです。
発火の瞬間を撮ったのですが、排出されたカートが空ケースに見えるよう、弾頭を黒く塗りました(笑)
『俺のハイパワー』に続き、今回も落選となりましたが、Wチャンスに当選!景品のマルシン特製タオルが先日届きました!

非売品のレア物ですが、遠慮せずに使おうと思います(笑)。
キット買って、組んで、写真撮るだけでこういうのがもらえるので(エントリーすれば全員ステッカーがもらえます)、次のフォトコンテストには皆様ぜひ参加してみてください。

当方が購入したのはM1911A1、いわゆるミリガバです。
従来のマルシン製M1911A1は、ミリガバなのかS'70なのか、どっちつかずの微妙な仕様でしたが、リニューアルされてかなりミリガバっぽくなりました。

チェッカリングされたスライドストップレバー、メインスプリングハウジング、フルチェッカーのグリップパネル、フロントサイトの形状変更など、これなら誰が見てもミリガバです。
ちょうどレーザー彫刻機を購入した時期だったので、練習がてら省略されている刻印も入れてみました。

スライドトップの「P」と縦ライン。


フレーム右側面のスプリングフィールド造兵廠マーク。

これは実際のサイズは小さすぎて安物の彫刻機では再現できなかったので、少し大きめに入れました。

フレーム左側面の「G.H.D.」と「P」。

「G.H.D.」はスライドストップの下あたりに横書きで刻印されている物をよく見ると思いますが、入れるスペースがありませんでした。マルシンガバはトリガー後部の三日月型のえぐれが少し上に膨らみすぎのようです。で、調べたら縦に刻印されているモデルもあるようなので、縦に入れました。そういえばMGCのミリガバもこの向きで入ってましたね〜。

塗装はキャロムショットのブラックスチールとステンレスシルバーを使って、ビンテージ風を目指しました。

ビンテージというより、「単に汚いだけ」になりました(笑)。ビンテージ風とかエイジドとかは、味わいが出て初めてそう呼べると思うので、もっと修行します。

マルシンは先頃、M16用のアルミ(超々ジュラルミン)製カートリッジを発表しました(5月発売予定)。ぜひ.45カートもリニューアルしてほしいですね!少しずつ改良してくれているので、期待します!
  

Posted by Red at 00:51Comments(3)モデルガン

2022年02月28日

M9A1にハンマーストップを付ける


マルシンのM9A1に、タナカのSIG(EVO2)に付いているハンマーストップのような物を付けます。
要するにビーバーテイルに対するバッファーです。

矢印の箇所にバッファーを装着します。
発火した際、ハンマーがフレーム後端にガンガン当たり、破損する可能性があるからです。

以前、CQBモデルを発火していたところ、

見事にココが破損しました。実はMSGkenkenさんからバッファーの装着を勧められていたのですが、気にしないで発火してたらこのザマです。人の忠告はきちんと聞くべきです。
特にCQBモデルは、通常の92FSとフレーム形状が微妙に異なっており、グリップの付け根あたりがわずかにえぐれています。これによってハイグリップしやすいのですが、細いぶん弱いはずです。

M9A1のバックストラップも、同様のトリミングがされているので、対策したほうがよさそうです。


3mm厚のゴム板を、9.5〜10mm幅に切り取って、フレームのラインに何となく合わせるように斜めに削りました。

で、これを貼りつけます。
今回はセメダインXを使いました。

黒いゴムでなので外観もあまり崩しません。

M9A1をベースに製作したウィルソンカスタムにも同様の対策をしました。

ゴムが緩衝材になるのは勿論ですが、ハンマーが根元に近い部分で止まってビーバーテール後端に当たらなくなるので、効果を期待したいところです。

前述通りM9A1とCQBはグリップがトリミングされているので特に弱そうだから対策したわけですが、通常モデルの92FSなどでも破損したという話を聞きました。
自分はまだ経験ありませんが、92FSのHWモデルには順次同様の対策をしていこうと思います。
  

Posted by Red at 18:32Comments(4)モデルガン

2022年02月23日

マルシンM16シリーズ(M655)


マルシンの金属モデルガンM16シリーズが再販されました。これはM655CARBINEです。
マルシンのM16シリーズは初めて購入しました。もともとMGCのM16A1とタニオ・コバのM4MGを所有しておりどちらも作動は快調。対してマルシンのM16は上級者でも快調作動は難しいモデルとして知られています。それでもレシーバーが金属製なので根強いファンがいる人気モデルではあります。特に発火派ではない方にとっては、金属製というのは何物にも代え難いアドバンテージでしょう。自分の場合には発火して遊ぶので、MGCとタニコバがあればわざわざ動きの悪いマルシンを購入する理由がありませんでした。

再販される少し前、マルシンの公式ツイッターに、快調に発火作動する動画がアップされました。
あれだけ動くのなら楽しそう。価格も金属製の長物で4万円台は、現在のモデルガンシーンにおいては破格の安さ。というわけで買ってしまいました。
マルシンからはM16A1、M655CARBINE、XM177E2の3機種がラインナップされていますが、自分はサイズも年代も中間にあたるM655をチョイスしました。バレルはM16A1より短く、しかしストックはM16と同じ固定ストックというのが絶妙なサイズです。ガバに対するコマンダーみたいな感じ?

箱から出し、作動チェックもそこそこに、チャンバー付近に少しオイルをさしただけで早速発火してみました。

すると…、ノートラブルで完璧作動!

で、その動画を当方のツイッターにアップしたところ、予想以上の反響がありました。
マルシンのM16をよく知らない自分としては「なかなか調子いいじゃん」ぐらいの感じだったのですが、作動させるために悪戦苦闘して来られた旧製品のオーナーの方々には、その動画は驚愕を超えて衝撃映像だったようです。

その後も何度か発火しましたので、動画をまとめました。

ジャムも起きるので「タニコバ並み」とまでは言えませんが(価格も設計された時代も違うので当然です)、しかし少なくともこのような動画が撮影できたのは事実であり、それだけでも旧製品オーナーにとっては異次元の出来事らしいです。
あとでネット上で旧製品を調整されている方々の記録を見ました。ボルトすらまともに動かないほどだったんですね…。それに比べると確かに…(笑)。

旧製品に比べ内部も調整されているようですが、最も変わったのはカートリッジのようです。

プラグにOリングが付き、プライヤーはリムケースと別パーツになっています。旧カートは、MP40カートのようにリムケースにFピンが直接立っているような一体構造だったそうです。この銃はセンターファイヤーではなく、カート全体を押し込んで発火させるサイド発火ですから、新カートのようにプライマーが前進できる構造にする必要はありません。なぜこのように変更されたかと言うと、おそらく発火時の圧力を高めるためだと思います。

自分は旧カートを持っていないのでMP40用カート(右)との比較になりますが、旧タイプの形状ではFピンの周りがポケットになっているため、キャップからカート底までの空間が広くなります。新カートはFピン部分を別体にする事で底上げされた形になっています。これだとキャップから底までの距離が狭くなっていますから、発火した瞬間に気圧が高くなりパワーアップに繋がると考えられます。
このような理屈でプライヤーが別体になったと考えると、カート組み立て時にプライヤーのOリングにはオイルを塗る必要はないと思われます(プライヤーは動かないので)。ケース内側とプラグのOリングにはオイル必須です。

作動不良としては、まず発生したのはダブルフィードです。
チャンバーに2発入り込もうとして詰まっちゃう状態。これはマガジンリップを少し締める事で解消されました。

しかしマガジンリップを締めすぎたためか、別の理由かは分かりませんが、今度はマガジンからうまく給弾されずにボルトがカートを押し出す途中で止まってしまう問題も起き始めました。ボルトが止まらなければ問題なさそうなんですが。

ハンマーのテンションによって持ち上げられたボルトが、レシーバーエクステンションの内側に当たって抵抗になっているようです。これがボルトの動きを悪くしてそう。
とりあえずボルトキャリアの上部をペーパーがけし、コンパウンドでも磨いてツルツルにしました。

その箇所にオイルも塗布(グリスのほうがいいかも知れませんね)。
これでボルトの動きはだいぶスムースになりました。カートの送り込みも良い感じになり、カートがきちんとチャンバーに送り込まれれば作動は安定する感じです。これでしばらく様子を見てみようと思います。

外観にも触れておきましょう。
今回から、ガスチューブが追加されています。

モデルガンでは必要ないのでダミーですし、ハンドガードをつけるとほとんど見えなくなりますが、やはりないと寂しいでしょう。このような細かい改良も好感が持てます。


旧製品ではレシーバーのガタツキもあったそうですが、気になるようなガタツキはありません。
金属レシーバーいいですね!

初めてのマルシンM16系なので、少しずつ研究していこうと思います。
  

Posted by Red at 01:16Comments(14)モデルガン

2022年02月20日

タナカ3月の新製品は8連発リボルバーR8

タナカから3月発売の新製品が発表されました。
少し前からモザイクのかかった動画で予告されていたので感づいていた方も多いと思いますが、その新製品とは8連発リボルバー・S&W M&P R8です!

画像はタナカの公式HPより

スイングアウトされたシリンダーに、8個のリムが並ぶ様はモデルガン史上初の光景(笑)新鮮です!
R8は数年前にペガサス式のガスガンとして同社から発売されているモデルですが、私はモデルガン化されるのを楽しみにしていました。この銃は、モデルガンのほうが圧倒的に面白さを堪能できるはずだからです。
8発のカートはフルムーンクリップでまとめられ、そのまま装填可能。クリップなしでもOKと、この点だけでもいじって楽しそうなモデルです。

リボルバーなのに装弾数はガバと同等、それでいて.357マグナムを使用、銃の上下にピカティニーレール装備(トップは取り外し可能)と、スペックとしても非常に凶暴な銃です。外観はクセが強いので好き嫌いが分かれるでしょうが、モノとしての面白さはめっぽうだと思います。
新時代の銃が少ないと言われるモデルガン、特にリボルバーはその傾向が強いですから、R8は間違いなく新風を吹き込む新製品となるでしょう。まさにタナカのチャレンジ精神が形になったような製品。これを皮切りにバリエーション展開にも期待してしまいますね。
発売日が待ち遠しいです。
  

Posted by Red at 01:00Comments(6)モデルガン

2022年02月15日

USPのトリガー戻り不調


タナカのUSPを発火した時、トリガーが戻らない事があります。
スライドはきちんと作動してハンマーもコックされるのだけど、トリガーが引かれたまま。エボHPモデルでも、個体によってこの症状が起きます。
この問題はエボ化される前のABS時代から起きていて、ずっと謎でした。

自分としても、あれこれ原因を探って、試行錯誤してたんですよ。
どうやらトリガーというよりも、トリガーバーの動きに問題があるという事は分かりました。

トリガーバーをじっと見ると、フレームと干渉しそうな箇所があります。

そこでフレームに干渉しそうなエッジを落としたり、


トリガーバーと当たりそうなフレーム側を削ったり、


トリガーバーを押し上げるトリガー・バー・ディテントとの接点を磨いたり、


キャッチの角を落としたり磨いたり、

色々やったけど、全部ハズレ!
まったく改善しませんでした。

しかし、ようやく原因が特定できました。

どうやら、ハンマーと干渉していたようです。
ディスコネクターで押し下げられたトリガーバーが、ハンマーの下に当たって止まっていたのです。それでトリガーが戻らなかったわけですね。
銃に組み込まれた状態では見えにくい場所なのでなかなか分かりませんでした。モデルガンを調整する時は透視能力が欲しいです。


というわけで、ハンマーの当たる箇所を削り、トリガーバーのほうも角を落としました。そしてどちらも磨いて、たっぷりとグリスアップ。
するとウソのようにトリガーがスルスルとリセットされるようになりました!積年の悩みが解消。いま自分のUSPは絶好調です。
  

Posted by Red at 18:01Comments(4)モデルガン

2022年01月20日

Kフレラウンド用コンバージョン木グリ


タナカのスモルトです。
これ、スクエアバットに見えますが、グリップを外すとラウンドバットです。
タナカ純正のホーグ風グリップも良いのですが、やはり木グリを付けたいところ。しかしラウンド用でスモルト4インチに似合う木グリはなかなかありません。ラウンド用だと、大抵はサービスタイプかバナナグリップになってしまいます。
何かいいグリップは見ないかなぁ〜と思っていたのですが、タナカがこのスモルトを発売したからでしょうか、ラウンドフレームに付くターゲットグリップというのが最近流通し始めました。


アルタモント製です。
渋めのウォールナットを購入しましたが、鮮やかな色のローズウッドも捨てがたかったです。


こんな感じで装着します。
コンバージョンって感じですねぇ〜。


うひょひょ〜、かっちょええ。


後ろから見るとこんな感じ。
フレームがグリップに潜り込んでいます。

木グリは色味や木目などの具合で同じ物が2つとなく、しかもここ最近は輸入しにくくなっているようです。
以前にもまして、いい木グリに出会ったらゲットしておくべきですね〜。

  

Posted by Red at 00:37Comments(7)モデルガン

2021年12月19日

SIG Mk25のデコック異常


快調作動で壊れにくい上、格好良くてお気に入りのタナカのSIG Mk25ですが、デコッキングレバーを操作すると、なぜかマガジンが抜け出るという不具合が発生するようになりました。

当方、タナカのSIGクラシックPシリーズは何挺も所有していますが、こんな現象初めてです。

グリップパネルを外して原因を探ります。


デコッキングレバーを下げると、マガジンキャッチを押さえつけているマガジンキャッチストッパーというパーツに干渉、これでマガジンキャッチが僅かに押され、結果としてマガジンがリリースされてしまうようです。
ストッパーを少し曲げれば解決しそうですが、このパーツは焼き入れされているようで硬いために、曲げようとすると折れてしまいます。
さて、どうしようかなぁと思っていたところ、ミリブロでも有名なオラガバニストさんから神の啓示があり、ストッパーの裏側(フレームに向いている側)を削って肉薄にしてやると良いとの事です。


この通り削って薄くしました。
このストッパーというパーツは、マガジンキャッチに引っかけてあり、それをグリップパネルで押さえつける事によってマガジンキャッチが飛び出して来ないようになっています。
この写真の部分を削って薄くすると、通常時のマガジンキャッチの押し付けが僅かに浅くなります(視認できないレベルですが、左側に少しだけ飛び出るという事です)。これによって、マガジンキャッチがマガジンに深くかかり、マガジンの抜け落ち防止が期待できます。
あまり薄くなるまで削りすぎると強度不足になりそうなので、マガジンキャッチ側も少し削りました。

矢印で示している箇所が、ストッパーと接する部分なので、ここを削るとマガジンにより深くかかるはずです。

試したところ明らかに効果があり、マガジンが抜けにくくなりました。
しかし数回のデコッキングに1回は同様にマガジンが抜けてしまうので、完璧ではありません。

ストッパーに干渉するのは、デコッキングレバーの、赤丸で示した箇所です。擦れた跡もあります。

Mk25のデコッキングレバーは、従来のSIG P226とは異なる専用パーツで、たしかタナカはMk25をモデルアップした際に新規で作ったはずです。そのために従来のP226とは、若干形状が違ってしまったのか?あるいは防錆のための特殊なコーティングが施されているので、その塗膜の厚みによってストッパーに干渉しやすくなっているかも知れません。
いずれにせよ、ここがストッパーと干渉しなければマガジンキャッチを押してしまう事もないわけです。
デコッキングレバーを削って失敗すると高くつくのと、せっかくのコートを落としてしまうのは忍びないので、このレバーが触れるストッパー側を削る事にしました。

先ほどとは逆の面です。


デコッキングレバーと接触していた箇所を薄くした事で、ほとんど干渉しなくなりました。
グリップを装着して実験したらまったくマガジンが抜けなくなったので正解と判断。デコッキングレバー、ストッパーとも接触する面をコンパウンドで磨いてツルツルにし、オイルを塗布してグリスアップしました。
これで完璧!めでたしめでたし。

  

Posted by Red at 20:14Comments(4)モデルガン

2021年12月15日

タナカ版ハイパワーは実現するか?

先日、タナカがトカレフを開発しているらしいという記事を書きましたが、タナカの公式ブログによると、どうやらブローニングハイパワーにも取りかかっているみたいです。ガスガンもモデルガンもやっているとの事!

タナカにハイパワーのモデルガン化を希望する声は定期的に聞こえて来ます。
マルシンがあるじゃんと思うかも知れませんが、マルシンのは中田商店製が原形と言われていますので設計が大変古く、目の肥えた現代のマニアには物足りなく感じるようです。

こちらはタナカのガスガンです。

確かにシェイプが実銃に極めて近く、グリップも実物が無加工(もしくは小加工)で付くので、真のハイパワー愛好家ならタナカ版を求めるのは当然だと思います。

モデルガン化に際してネックとなるのは、やはり耐久性でしょうか。ハイパワーは金属だから成立するような薄い箇所もあり、発火の衝撃に耐えられるかが課題だと思います。

また、実銃の形状を忠実に再現しているが故に、エジェクションポートがとても小さいのも問題になるでしょう。
下の写真はタナカのガスガンと、EVO2カート。

空ケースを排出するのは問題なくても、弾頭付きとなると結構厳しそうです。

ちなみに、マルシン製はエジェクションポートを拡張する事で対処しています。

上がマルシン、下がタナカ。
マルシンはビジランテで、タナカはMkIIIなので形状が異なりますが、大きさの違いは分かると思います。
タナカもモデルガン化される際には、このようなアレンジがあるかも知れません。

ハイパワーは様々なバリエーション展開ができるという点で、メーカーにもメリットがあると思います。
定番のミリタリーやコマーシャルも需要があるでしょうが、自分としてはマルシンがラインナップしていないMkIIIの登場に期待します。
さらに言えば、いま実銃の世界で話題沸騰中のスプリングフィールドアーモリー製ハイパワーことSA-35なんかも…。

ああ、妄想が膨らみますね。

タナカの場合、情報が出てから何年も製品化しないという事はあまり無いので、ハイパワーもトカレフも、来年中には手にできるかな???楽しみです!
  

Posted by Red at 00:01Comments(8)モデルガン

2021年12月08日

ウィルソン92Gへの道(5)完成編

ウィルソン92Gへの道(1)
ウィルソン92Gへの道(2)
ウィルソン92Gへの道(3)
ウィルソン92Gへの道(4)

というわけで、マルシンM9A1をベースに作ってきた、Beretta/Wilson 92G Brigadier Tactical(ベレッタ/ウィルソン92Gブリガーディアタクティカル)が、ついにようやく完成しました。


ベレッタ92F(S)は、誰もが認める人気と実力を持つ銃ですが、80〜90年代にスクリーンで多用されまくったために、だいぶ使い古された感があります。
ベレッタはもう見飽きた。
そんな2000〜2010年代に、心惹かれるベレッタを2挺、目にしました。
1つはベレッタ90-TWO。曲線を多用して92F系をリモデルした銃で、流線型が優雅で美しく、未来のベレッタという印象でした。
そしてもう1つが、このベレッタ/ウィルソン92Gブリガーディアタクティカル。
初めて見た時の印象は鮮烈でした。これほど美しく戦闘的なベレッタを見た事がありません。

まず、1911の高級カスタムで知られるあのウィルソンコンバットが、ベレッタをカスタムしたというだけで堪りません。
同社の創設者であるビル・ウィルソン氏が、実はベレッタの愛好家であるという事もこの時に知りました。そんなビル・ウィルソンが「理想のベレッタ」を目指してカスタマイズした結果、すでに前時代の産物だったベレッタ92F系が、現代でも十分通用するタクティカルガンに変貌していました。
ウィルソンコンバットは、この92Gブリガーディアタクティカルを皮切りに、コンパクトモデルのセンチュリオンや、ストレートグリップのバーテックなども発売しましたが、自分は第1弾である92Gブリガーディアタクティカルこそ最高の美しさと力強さを併せ持つと感じます。だからマルシンがM9A1の発売を発表したと同時に、それをベースにこのモデルを作ると決定しました。ちょうど1年前でした。

ベレッタのスライドに、ウィルソンコンバットのシンボルマークが刻まれているとか、失禁ものです。

製作を決めた時には業者に刻印してもらうつもりでいましたが、安物ながらレーザー彫刻機を買ったので自分で入れる事ができました。
独特な形状のリアサイトは3Dプリントによる造形です。


バレルはカットダウンされ、リセスドクラウン、つまり一段下がった形状。
やや削りすぎた感もあるので、バレルはもう1本ぐらい作ろうと思います。
フロントサイトはノーマルのままですが、実銃にはトリジコンサイトが奢られています。実物やレプリカでも手に入れば載せたいところですが、形状はノーマルとほとんど変わらないので、このままでも気になりません。


ピカティニーレイルを備え、G10グリップを纏う事で現代銃の印象となり、そこへグリップ前後のチェッカリングが組み合わさって凄まじい殺気を放っています。
こうなると「イカツイ銃」になってしまいそうですが、ラウンド形状のトリガーガードと、伝統のオープントップスライドによって、美しさが保たれているのが、このカスタム銃の素晴らしいところです。

ブリガーディアスライドは本来、重量アップによるリコイル軽減を狙ったもの(ベレッタ社は認めませんが、破断対策も)であり、見た目よりも質実剛健な物であると考えられますが、自分にはノーマルのスライドよりも艶っぽく見えます。


大型のマガジンキャッチは、実際に操作してみると驚くべき使いやすさ。グリップを握り直す事なくアクセスできるため、素早いマグチェンジを実現しています。小さなマグキャッチはベレッタの欠点の1つであり、それを解消しているのです。


スケルトンハンマーは、マルシンのCQB用をそのまま流用しました。
実物の写真を見ると、もう少し肉厚です。これは内側に肉盛りすれば出来ると思いますが、自分はこれぐらいのシルエットのほうが好みです。肉盛りはいつでもできるので、しばらくはこのまま使いたいと思います。


ホールドオープンした状態。
らせん状のフルートが入ったウィルソン製のリコイルスプリングガイドは、辛うじて再現しました(笑)。
こちらもいずれキレイに作り直したいところです。


レールとトリガーガードの間のクビレた形状は、最も苦労しました。
いくら削っても正解に辿り着かない気がして、そうこうしているうちに削りすぎてしまうという危険を感じたため、よきところで切り上げました。

というわけで、ベレッタ/ウィルソン92Gブリガーディアタクティカルの製作は、これにて暫定完成です。

「暫定」という事は、まだこの後も作業は続くわけです。
前述したハンマーのリアル化や、リコイルスプリングガイドの作り直しもそうなのですが、最大の課題は「G化」です。
今回は外観の再現を目指してカスタムしたので内部機構は触っていませんが、ベレッタ92Gは本当は「デコッキングオンリーモデル」です。つまり、コントロールレバーを下げてもセフティポジションでは保持されず、SIGのように自動的に跳ね上がって戻るのです。マニュアルセフティを廃する事で、ベレッタは理想のコンバットガンになります。コントロールレバーの軸にスプリングを追加するという仕組みも分かっているので、ぜひG化に挑戦したいと思います。

自分の願いとしては、このモデルをマルシンやどこかのカスタムワークスに製品化してほしいです。
正直、「M9A1のトリガーガードを丸めて、ブリガーディアスライドを乗せればできるでしょ」と軽く舐めていたので、アチコチ加工しなければいけないと判明する度に愕然としました(笑)。
自分の趣味はカスタムする事ではなくモデルガンで遊ぶ事ですので、これぐらいのカスタムをしただけで疲労困憊。
ミスター1911が作り上げた究極の臨戦ベレッタはとっても魅力的なので、プロが作ってくれたら、ぜひ1挺購入したいです。
  

Posted by Red at 18:12Comments(4)モデルガン

2021年12月06日

ウィルソン92Gへの道(4)

マルシンM9A1をベースに、ウィルソンコンバットのカスタムベレッタを作って参りましたが、完成一歩手前です。

ウィルソン92Gへの道(1)
ウィルソン92Gへの道(2)
ウィルソン92Gへの道(3)


前回、塗装したスライドに、赤ポッチを入れました。
難しい作業ではありませんが、丁寧に塗装したスライドに赤塗料を垂らしたりしたら目も当てられないので慎重に行いました。


金属パーツは焼き付け塗装です。
焼き付けは何度もやって、だいぶ慣れました。普通の塗装では得られない安心感のある食い付きです。

前回、手でスパイラルフルートを彫ったガイドロッド。

塗装したら、ヒドかった仕上がりが少しだけ誤魔化せました(笑)。
ほとんど見えないので、暫定用としてはこれで十分。キレイに作る方法は引き続き模索します。

さて、いよいよ大詰め。ウィルソンオリジナルのリアサイトと大型マグキャッチを作らなければいけません。

ウィルソンコンバットのオフィシャルサイトより画像を拝借

まずはリアサイトから。
これは3Dプリンタで作ると最初から決めていて、M9A1の発売よりも前に設計は完了していました。
しかし問題となったのは、背面に入っている細かい横グルーブと、右側面の「WILSON」という文字です。これも3Dプリンタでキレイに造形できれば楽なのですが、試作してみるとこんなに細かい模様はうまく再現できず、潰れてしまいます。

そこでグルーブも刻印も入っていない物を3Dプリンタで作り、

後加工する事にしました。


横グルーブは目立てヤスリを使って掘ります。

そして「WILSON」の文字はレーザー彫刻機で刻印します。


表面を整え、塗装して出来上がり。

ディテールが甘いというか汚く見えるかも知れませんが、この写真はかなりの接写である事をご認識ください。
お持ちのベレッタを見て頂くと分かると思いますが、ベレッタのスライドトップはリアサイトが乗る幅がとても狭く、従って他の銃に比べるとリアサイトはすごく小さくなります。このリアサイトもめっぽう小さいです。
だからアップで撮るとアラが目立ちますが、肉眼では表面の凸凹や傷などもほとんど見えません。…と、自己弁護。

続いては大型のマグキャッチです。
これは、そのものズバリのカスタムパーツが、東京マルイのエアガン用としてNOVAから発売されています。

こちらを加工して組み込もうと思ったのですが、実際に買ってみるとマルシンのとは結構形状が違って、加工が大変そうなので諦めました(笑)。
しかしせっかく買ったので有効活用しようと思います。


ボタン部分の型を取ります。


その型に、金属系のパテ・ジーナスを入れます(最近、大活躍)。

ジーナスの入った型に、マルシンのマグキャッチを突っ込みます。

固まったら型から出し、はみ出た部分などを削り落として完成。

このようにダイジェストで書くと簡単に出来たみたいですが、実際にはうまく材料が回らなかったり、傾いて出来てしまったりと何度もトラブルに見舞われ、5回ぐらいやり直してようやくこれが出来ました。
これも焼き付け塗装します。

そして一番重要な(?)グリップパネルです。
これは本物を入手できました。

ウィルソンコンバットのメダリオン入りG10グリップです。
一応、ウィルソンの製品という事になっていますが、作っているのはVZ社です。
数年前にNOVA製のレプリカは流通していましたが、実物を扱っているショップは国内では見当たりませんでした。
そこで輸入グリップに強い中野のWhite Rookに依頼して本国から取り寄せて頂きました。
発注したのは確か春頃です。ようやく出番が来ました(笑)。


さあ、やっとここまで来ました。あとは組み立てだけです。
というわけで、次回は完成編です。
  

Posted by Red at 18:47Comments(3)モデルガン

2021年12月03日

ウィルソン92Gへの道(3)

マルシンM9A1をベースに、ウィルソンコンバットのカスタムベレッタを作る第3回。

ウィルソン92Gへの道(1)
ウィルソン92Gへの道(2)

前回までにフレームの形状を作り、刻印を入れるところまでいきました。
こうなるともうほとんど完成したも同然。
あとは一部のオリジナル形状パーツを完成させ、塗装するだけです。

とりあえずスライドとフレームを塗装しました。

塗料はブラックスチール(キャロム)とダークパーカー(インディ)です。
ズボラな自分にしては、いつになく慎重に塗装しました。


見た目を良くしたいので、コントロールレバーやスライドストップなどの金属パーツも一度塗料を剥いで塗装しなおします。

トリガーも延長しました。

これは別にウィルソンカスタムだからというわけではなく、マルシンのトリガーがやや短いからです。
以前、知り合いに作ってもらったのがとても良かったので、真似してジーナスを盛って作りました。これに焼き付け塗装をするわけですが、ジーナスが熱に耐えられる事も確認済みです。

順調に製作が進んでいたところで…
気付いてしまったんです!
ウィルソン92Gは、ウィルソンコンバット製のリコイルスプリングガイドが組み込まれているという事を!!
↓がそのウィルソン製のガイドロッドです。

ウィルソンコンバットのオフィシャルショップより画像を拝借
らせん状の溝が彫ってある!
やだーーー!なにコレーーーー!
これやらなきゃいけないの!?面倒くさーい!
実際には、スライドがホールドオープンした状態でしかこの溝は見えないわけで、それもダストカバーに隠れてほぼ見えないからやらなくてもいいんですけど…。
しかし、ウィルソンカスタムならではのポイントなので、一応チャレンジしてみます。

どうやって彫るのかよく分かりませんし、手持ちの貧弱な工具でキレイにできるとも思えませんが、とりありずハンドリューターで彫ってみます。


…汚い(笑)。
手作業じゃあやっぱり無理よね〜。
まあスライドオープンしても、先端のほうが少し見えるだけ。妥協してノーマルのままにしてもあまり問題ない箇所なので、ひとまずこんなところにしておきます。これが出来ないために銃が完成しないのは嫌だし。
しかし引き続きキレイに作る方法は模索していきます。

あとはオリジナル形状のリアサイトとマグキャッチを仕上げ、塗装したら完成です!
  

Posted by Red at 22:21Comments(4)モデルガン