2017年10月26日
USPのヴァリアント変更中

タナカのUSPです。
ABSからHW、エボリューション、そしてHPと進化を遂げていて、個人的に好きなモデルのひとつです。
タナカから発売されているUSPはヴァリアント1と呼ばれているタイプで、コントロールレバーを跳ね上げるとセフティON、下げてセフティOFF、さらに下げるとデコッキングというものです。
USPはコントロールレバーの用途や発射方法を中心に、ヴァリアント1〜ヴァリアント10まで存在します。
それぞれどのような物なのかWikiから引用。
●ヴァリアント1
シングル/ダブルアクション。後方から見て左側にコントロールレバーがあり、セーフティー、デコッキング両方の機能を持つ。
●ヴァリアント2
ヴァリアント1のコントロールレバーを後方から見て右側としたもの。
●ヴァリアント3
シングル/ダブルアクション。後方から見て左側にコントロールレバーがあり、デコッキングのみの機能を持つ。
●ヴァリアント4
ヴァリアント3のコントロールレバーを後方から見て右側としたもの。
●ヴァリアント5
ダブルアクションのみ。後方から見て左側にコントロールレバーがあり、セーフティーのみの機能を持つ。
●ヴァリアント6
ヴァリアント5のコントロールレバーを後方から見て右側としたもの。
●ヴァリアント7
ダブルアクションのみ。コントロールレバーが無い。
●ヴァリアント9
シングル/ダブルアクション。後方から見て左側にコントロールレバーがあり、セーフティーのみの機能を持つ。
●ヴァリアント10
ヴァリアント9のコントロールレバーを後方から見て右側としたもの。
そしてこの中のいくつかは、コントロールレバーの裏側に取り付けているディテントプレート、

これを交換する事でヴァリアントを変更する事が可能です。
この事は、スクラッチビルドで有名なキノハナさんと話していて深く理解しました。キノハナさんは銃の構造に非常に精通していて、くろがねゆう氏のカレイドスコープエッセイにも度々情報を提供されている方です。
キノハナさんに見せて頂いたH&K社のパーツリストによると、コントロールレバーを変更する事なく、ディテントプレートの変更のみでヴァリアント1から変えられるのは、ヴァリアント9です。デコッキング機能なし。レバーの機能はガバメントと同じような感じになります。
さらに調べると、ヴァリアント1からディテントプレートの交換のみでヴァリアント3(デコッキング機能のみ)に変更している動画をYoutubeで見つけました。確かに構造を考えると、ディテントプレートだけで変更できるはず。H&K社のパーツリストにはヴァリアント3専用のコントロールレバーが存在していましたが、おそらく「S/F」の刻印がないだけで、形はヴァリアント1と同じなのだと思います。
というわけで、ディテントプレートの交換で変更できるのは、ヴァリアント3とヴァリアント9。
そのディテントプレートを試作しました。

左がタナカのディテントプレートを真似して3Dプリンターで作った物、この設計データを変更して作ったのが後の2つ。
中央がヴァリアント3用、そして右がヴァリアント9用です。
調べるとヴァリアント9とヴァリアント5&6はディテントプレートが共用で、本物のパーツにはヴァリアント5&6用である事を示す「5+6」と刻印されているようです。「9+10」という刻印は入らないみたい。
これらのディテントプレートをUSPに取り付けると、コントロールレバーの機能が変わります。

それぞれ、中央の白線のところまでしかレバーが動かなくなるわけです。
ヴァリアント9はコック&ロックからセフティを解除した際に、勢い余ってデコッキングしてしまうという心配がなくなり、またガバメントでやる人が多い、右手の親指をレバーに乗せての射撃もやりやすくなります。
しかしコック&ロックでの携行は精神的ストレスがあり、デコッキングするにはハンマーを指で押さえながらトリガーを引く、いわゆる指デコをしなくてはいけません。
なので実銃ではヴァリアント3のほうが需要があるようです。チャンバーへ弾を装填したらレバーでデコッキング、マニュアルセフティはなく、初弾はダブルアクション。これならSIGのPシリーズと同じ操作になり、確かに実用的です。
試作したディテントプレートは後加工が必要だったのでもう少し設計を修正し、いずれはDMM.makeに出品しようと思います。
とりあえずUSPに組み込んだ物を11月5日のVショーで参考展示する予定ですので、ご来場の方は手にとって操作してみてください。ブースは5階、GunフロアのF14です。
そして、Vショーではまた発火好きの有志モデルガンフリークスによる『モデルガン発火体験コーナー』もあります。お越し頂ければどなたでも無料でモデルガンの発火体験ができますので、モデルガンを撃ちたいという方は、ぜひお越し下さい。
