2018年11月26日

グロックのコッキング不良について

少し前になりますが、「グロックのトリガーを引いたまま、速くスライドを引くとコックされない」という質問を受けました。

つまり、↓こういう風にスライドを引いて離すと、
グロックのコッキング不良について
本来ならトリガーの位置に関係なくストライカーがコック(プリコック)状態で保持されるはずなのですが、そうならないという事です。

実はこれ、自分も同じような個体をいくつも見ています。
グロックがEVO化されてしばらく経ってからのモデルに、このような症状が起きる物が多い気がします。
トリガーを引いたままゆっくりスライドを操作すれば問題ないのですが、勢いよく引いて勢いよく離すと(つまり発火・ブローバック時に近い動きをさせると)、スライドが戻った直後にバイ~ンという、ストライカーがリリースされる音が内部から聞こえるのです。
つまりストライカーがコックされないのではなく、一度コックされ、勝手にリリースされているという事です。このような症状の銃は発火すると、当然の事ながら暴発します。
モデルガンで暴発というと、次弾がチャンバーに送り込まれた瞬間の発火が多く、その時の音を文字で表すと
ババン!
です。しかし、この症状のグロックの場合には、
バン!バン!
となります。次段は正常にチャンバーに送り込まれ、スライドが閉鎖された後にストライカーがリリースされているから、ダブルタップのようなタイミングになるのです。他のモデルではあまりない現象です。

で、この原因なんですが、トリガーグリープ後端の問題が考えられます。
グロックの撃発の仕組みは、トリガーグループ後端にストライカーのコッキングピースを引っかけ、ストライカーを引っ張るようになっています。
グロックのコッキング不良について
ストライカーが勝手にリリースされてしまうのは、このトリガーグループ後端とコッキングピースの引っ掛かりが甘いからだと考えられるのです。

対策としては、
グロックのコッキング不良について
トリガーグループの後端をわずかに曲げて角度を急にするか、

グロックのコッキング不良について
トリガーグループの後端を叩いてわずかに伸ばすかです。

どちらにしても、非常に硬くて大変です。


しかし、見た目で分かるほど曲げたり伸ばしたりする必要はなく、本当にちょっとだけで大丈夫です。
実は以前、老朽化したトリガーグループを新しい物に交換したのですが、その交換後にも今回書いているような症状が起き、上で書いた「曲げ」と「伸ばし」を少しずつ行ったところ改善されました。この事からも、トリガーグループの問題であると考えられるのです。
その他、コネクターが内側へ押される事でトリガーグループ後端がディスコネクターのようにせり上がるのですが、何らかの干渉でこのせり上がりが不十分である事が原因とも考えられますが、そちらは検証していません。

来月にはタナカからグロックが再販されますので、この問題が改善されていれば良いですね。


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この記事へのコメント
お久しぶりです。以前質問をさせて頂いた者になります。
やはり、発売後にバーストの問題が指摘されていたのもここが原因だったんですね…
あの後、トリガーバーを曲げるのが怖くて結局コネクターとトリガーバー周りを重点的に研磨・すり合わせをしたら結構マシになりました。
それでもまだ手動では怪しい感じでモヤモヤしていたので、意を決して加工してみる事にします。
詳しく解説して下さり本当にありがとうございます。
Posted by ハル at 2018年11月27日 01:13
いつも楽しくこちらを拝見しています。
私もグロックはたくさん持っているのですが同じ症状に悩まされ続けました。
トリガーグルーブの曲げも試して折った事も何度も、、、汗
そして色々いじくりましてたどり着いた対策としてスライド側のディスコネ用の丸いパーツの頭を削るという方法にいきつきました。
詳しい理屈はあまりうまく説明出来ませんがシアのせり上がりも若干上がるせいか先の症状は全く発生しなくなりました。
なので手持ちのグロックは全てこの方法で対策して今の所問題は出ていません。
ちなみにあまり発火させないので見当違いの事でしたらすいません。
モデルガン好きのご報告まで。。。
Posted by 通りすがり at 2018年11月27日 03:43
>通りすがりさん
なるほど!ファイアリングピンロックの上部(組み立てた時には下部)を削るという事ですね?
確かにこのパーツがトリガーグループの上昇を妨げている可能性もあります。
そうだとすると、ファイアリングピンロックを押し上げるトリガーグループ側の突起部分の頭を削るという事でも良さそうですね?やりすぎるとAFPBが解除されなくなってしまいますが、適度な加工ならご指南頂いた方法も良さそうです。これは気付きませんでした。
ネットでもこの症状についての話はほとんど見られず、情報も少ないので助かります。
折を見て追記したいと思います。ありがとうございます。

>ハルさん
やはりコネクターを研磨して動きを良くすれば少しは改善が見られるのですね。
通りすがりさんの方法も良さそうです。
色々な方法を複合的に行えば、それぞれの加工もわずかで済むので良いと思います。
トリガーバーは恐ろしく硬いので、今後は通りすがりさんの方法も取り入れたいと思います。
Posted by T.K.RedT.K.Red at 2018年11月27日 21:37
度々失礼します。
私の経験では手持ちのグロックは全てトリガーを強く引いた状態で発火時のように勢いよくスライドを戻すと、同時にストライカー(ファイアリングピン?)が前進してしまうか、トリガーを戻す際にパチンと前進してしまいます。遊び続ければ更に症状が悪化していました。
その為、ダブルタップとか速射が出来ないのであまり発火しなくなりました。(連射好きなので)

しかしそれ以来グロックのシンプルなメカニズムに関心してなんとかならんかと弄り倒して行き着いたのが先のファイアリングブロックを削る、という結論なのでした。
結構ゴリゴリ削った事もありますが、ファイアリングピンがロックされ続けるという自体には遭遇した事はないので意外とロックのクリアランスは大きいのかもしれませんね。
残念ながら最近のエボは持っていないので今でも通用するか分かりませんがご参考になれば幸いです。

P.S.
セキュリティシックスのエジェクター素晴らしいですね!
僕は中古品を子供の頃手に入れて子供ながらにクーガーにしたりまた戻したりと遊び回った結果エジェクターもボロッボロになりましたが、数年前にJBウェルドとマルシン586のジャンクを駆使して再生したのですがこのエジェクターが出るまで待てば良かった、、、
まさかこんな物を作ってくださる人が居るなんて思いもよりませんでした。
今後も楽しみにしてま〜す!
Posted by 通りすがり at 2018年11月28日 19:28
>通りすがりさん
おっしゃっている症状は、自分が見て来た症状とまったく同じです。
ファイアリンピンロックの加工で対応できるとは想像もしていなかったので、今回はとても有益でした。
ネット上でも情報がほとんどありませんでしたから、自分も自己流で試行錯誤していたのですが、こうして情報を出す事でまた新たな情報を得られるので、ブログをやっていて良かったと思います。
セキュリティシックスのエジェクターは、マルシンM586を加工して流用するのは結構大変だと聞きます。
ちなみに、数年前には自分もこれを作るとは思いもよりませんでした(笑)。
Posted by T.K.RedT.K.Red at 2018年12月01日 22:04
 
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