2020年09月03日

DMM.makeの現状

数年前から3Dでパーツや治具などをモデリングし、DMM.makeの3Dプリントサービスを利用して造形しています。
自分で使うために作るだけでなく、そのデータを出品・販売できるところもDMM.makeの特徴です。

出品者は3Dデータをアップしておくだけで、それを見た人が注文をすると、DMM.makeが勝手に造形し、注文者に発送してくれます。
在庫を持つ事もないし、こちらに注文者の個人情報も知らされないので、情報の取り扱いに気を使う事もありません。こちらはデータを上げておくだけですから何のリスクもない、まさに次世代のビジネススタイルだと思います。

自分もDMMのクリエイターズマーケットにショップを作り、製作したデータを出品していたのですが、2年ぐらい前に規約が変更となり、出品に際してデータの審査が行われるようになりました。
出品方法が改定されてから、しばらく出品していなかったのですが、トイガン関連のパーツは軒並み審査で落とされるという話は聞いてました。

先日、改定ルールで初めて商品の出品申請を行いました。

出品申請を行ったのは下記の4点です。

1)タナカ・デザートイーグル用.50AEカートのスタンド
DMM.makeの現状

2)そのスタンドと、7発一気に火薬を装填できるローダー。
DMM.makeの現状


3)7連ローダー単体
DMM.makeの現状


4)CAWオリジナルガバメントで、C-Tecの中空インナーを使えるようにするためのデトネーター。
DMM.makeの現状
(写真下)
これはだいぶ前に作った物ですが、欲しいという方がいらっしゃったので一緒に出品申請しました。

このうち、(1)(2)は出品申請が通り、(3)と(4)はハネられました。

審査に落ちた理由は下記の通りです。

本品はエアガンのパーツということですがを購入したお客様の利用用途までは弊社で保証できかねるため
『DMM.make 3Dプリント利用規約』とご利用ルールページ記載の『禁止データ』に該当すると判断させていただきました。
出品者様へも意図しないトラブルに巻き込んでしまうリスクを考え、
皆様の安全のための措置となりますことを何卒、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。


色々ツッコミどころ満載です(笑)。
まずエアガンパーツじゃないし。
(4)のデトネーターが落ちるのはある程度予想してましたが、(3)については意味不明。(2)に同じ物が含まれているのに(笑)。

(4)のデトネーターにしても、私は過去にデトニクス用のフラッシュホールデトネーター出品に際し、DMM.makeとやりとりをして、「デトネーターを組み込む事で、弾丸の発射は100%不可能になるため、安全な物である」という内容を理解して頂き、「他のユーザーに誤解を与えないよう、写真をケアする」
「武器や凶器になりえない事を明記する」という条件で出品を認められた過去があります。
その時の記事1
その時の記事2

つまりDMM.makeはデトネーターが凶器になりえない事は把握しているはずですが、審査担当者はその事実を知らないか、意図的に知らないフリをしていると思われます。

で、そうこうしているうちに、審査を通った(1)と(2)も、出品を取り消されました。
理由は
「この商品はDMM.comが定める禁止行為に該当すると判断されたため現在公開できません。」
との事。
どのような禁止行為なのかを現在問い合わせ中ですが、まあ、再出品できる可能性は低いでしょう。

結論としては、DMM.makeのクリエイターズマーケットで我々の趣味に資する物を出品する事は、今後ほぼ不可能という事でしょう。
外装パーツならともかく、カートを立てる物までダメという事でしたらもう無理です。

幸いなのは、出品方法改定前に出品した物については、これまで通り出品し続けられる事です。
ただ、それだっていつどうなるか分かりません。

私はプロではないので販売できなくても別に困らないので、今後の販売方法についてはゆっくり考える事とします。

今回のDMM.makeの対応について、ツッコミどころはいくらでもあり、一応問い合わせなどは行いますが、強く抗議したり批判するつもりはありません。

DMM.makeのスタンスは、一般企業・組織としてごく普通です。
デトニクスのデトネーターの件について、当方の説明に理解を示してくれた事のほうが、「イケイケ」だったのだと思います。
DMMグループは、同人作品やロボット製作などクリエイターの活動を積極的にサポートするようなサービスが多く、それだけに先進的で尖った部分を持っている組織だと思いますが、角のとれた一般企業に変化して来たという事だと思います。

そしてこれは過去に幾度も書いている事ですが、トイガン関連のパーツは「作っていい物」と「作ってはいけない物」、「作らないほうがいい物」があります。
DMM.makeの出品方法改定前は、エアガン用のスライドデータなどを出品している人もいました。それ自体は違法ではありませんが、少々危険な方向に向かっているのではないかと感じる部分がありました。
3D造形などの発達で手軽にパーツ類が作れるようになって来た以上、製作者は強い倫理観を持って銃刀法及び組合の自主規制に適合する物のみを作らなければいけません。
そのラインを守れなければ、規制が出来たり、最悪製作者がお縄になるのも当然だと思います。
3Dプリンタで金属製パーツが作れる以上、この事は今後も言い続けようと思います。

とは言え、トイガンと3Dプリントは非常に相性がイイと感じますから、DMM.makeはSTGAやASGKなどの自主規制団体に協力を仰いで審査体制を構築すれば、公正な審査も行えますし、販売数を増やして収益を上げる事ができるのになぁと思います。
まあ余計なお世話ですが。


追記:DMM.makeに問い合わせた結果、再出品が認められました。


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この記事へのコメント
何か見当たらないと思ったら、そういう事情だったんですね・・・・
なるほど確かに基準は必要でしょうが、樹脂製のスタンドやローダーがダメってことになると厳しいですね~

あ、自分のスタンド&ローダーはすぐに頼んで今活躍してくれてます。これはラッキーだったとしか・・・・ありがとうございました。

うーーーーんもうプリンター自前で揃えますかあ(^^;)
Posted by momotaro1911momotaro1911 at 2020年09月03日 21:37
こんばんわ、管理人さん。HANAREIKOです。

実は私、主さんの3Dプリント関連の記事に感銘を受けて一年前から3Dモデリングを始めたのです。
操作方法がイマイチ理解できないソフト(blenderを使ってます)を自分なりに動かし、何日も掛けて造ったオリジナルパーツをDMM.makeで出力してもらって――
結果、耐久性を持たせるために必要な寸法を計算せずに造ったせいで、破損する(笑)なんてことも愉しみつつ色々造ったりしているのですが
「これ、結構いいのでは?」 というアイテムが出来たときに、DMM.makeに出品できなくなったことを思い出して淋しくなったりします……。
他の作者さまのページなどでも新規の商品が出品されていないところを見ると、もうDMM.makeを出品に使うのは難しいのでしょうね。
普通の対応といえば当然かもしれませんが、あの販売形態を使うことが出来ないのはなんだか悔しいですね。
Posted by HANAREIKO at 2020年09月03日 22:50
>momotaro1911さん
早めにご注文された方はラッキーでした!
…と思いましたが、DMM.makeからメールが来て、再出品が認められました!
現在、再審査を受けていて認められる見込みです。お騒がせしました。
認められたのは、単なるスタンドだという事が分かったからだと想います。デトネーターなどの出品はもう諦めています。
ちなみに、トイガンパーツが不可になったのは出品する時だけであって、自分で作った物を自分で買う分には従来通り問題なく造形してもらえるんです。
なので、これからも自分用にはDMMでパーツを作っていきます。

>HANAREIKO
おお、3Dモデリングの同志ですね!
私はいくつかソフトを試した結果、Fusion360に落ち着いたのですが、いずれにしても3DCADソフトって操作方法やユーザーインターフェースが独特で、とっつきにくいですよね。ご苦労されたのがよく分かります。造形してみて耐久性がダメだったりとか、自分もあります!
1年前に始められたという事は、出品できなくなってからだと思うので、それはちょっと淋しいですね。
何か解決方法があればいいのですが…。
とはいえ、自分用の物を1点から作れるというだけでも、夢のような時代になった事は間違いありません。ポジティブに楽しみたいと思います。
Posted by T.K.RedT.K.Red at 2020年09月05日 00:24
私も3Dモデリングに興味があるのでコメントさせていただきます。現状TK様は設計はご自身でされて、そのまま3Dプリンターで出力(制作)する所をDMMで代理?制作してもらっているということでよろしいのでしょうか。
そして現在自分用に作ることは可能であっても、皆さんと共有したいとデータを公開し誰でも注文出来る状況が規約が変わり難しくなったと。

あと、fusion360?というソフトはパソコンで作業されているのですか?
すみません長文になってしまいましたが私もワンオフのパーツを作ってみたいのです。
Posted by m&m at 2020年09月05日 09:13
>m&mさん
すべておっしゃる通りです。
私はパソコンで設計し、完成したデータをDMM.makeにネット上で送り、3Dプリンターで造形して出来た物を郵送してもらっています。
私のように3Dプリンターを持っていない人のための3Dプリントサービスというのは他にもあるのですが、DMM.makeは価格が安い、選べる材質が多い、送料が無料、など他の追随を許さない神サービスです。
私の作ったデータを、他の人が買う事もできるのですが、その基準が厳しくなったという事です。

Fusion360というのはパソコン用の無料ソフトです。
このような設計するためのソフトは3DCADソフトと言うのですが、Fusion360以外にもたくさんあり、パソコンだけでなくスマホやタブレットで使えるアプリもあると思います。
ただ細かい作業をするには、やはりパソコンを使うのが適していると思います。
私は旋盤などの技術がないので、ワンオフパーツを作れる方々がうらやましかったのですが、3Dプリンターのおかげで初期投資もなしで自分だけのパーツが作れるようになり、世界が広がった思いです。チャレンジする価値はあると思います!
Posted by T.K.RedT.K.Red at 2020年09月05日 14:08
仰る通りで、モデルガンはデトネーターを組み込んで初めてその本領を発揮する訳で、デトネーターという障壁がある以上、絶対に実弾なんぞ撃てませんし、複雑な化学薬品を使う実弾に似たものなど作れるわけがありませんから。ですが一般的にみるとやはり危ないものとの認識が未だに強く、それはこれからも払拭されることはないでしょうね。昔は後撃なんていうチョークホールのパーツもありましたが、やはりデトネーターシステムが一番です。古いモデルともなるとリペアパーツを探すのにも一苦労している現在、貴殿のようにパーツを作ってくださる方が居られるのは心強く思う次第です。弾が出ないからモデルガン。されど弾が出ないからモデルガンが好きな、通りすがりのオッサンでした。失礼しましたm(__)m
Posted by 通りすがりのオールドファン at 2020年10月04日 07:05
>通りすがりのオールドファンさん
私も、モデルガンって弾が出ないところがイイと思うんですよね。
モデルガンは世界一安全な銃ですし、デトネーター方式をはじめ、様々な安全策を考案されてきた先人たちのおかげで現在があると思います。
できれば世間にその事を知ってもらえればいいと思っています。難しい事ですが、微力でもできる事はやって行きたいと思います。
Posted by T.K.RedT.K.Red at 2020年10月04日 23:31
 
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