2014年09月18日

GM-7の不調〜検証編〜

GM-7の不調〜検証編〜
気がつけばブログ開設から1年です。
拙い記事をご覧頂いている皆様には感謝感激です。
今後ともよろしくお願いします。

さて、開設まもない時期に、「GM-7の不調の原因はデトネーターの形状にある」という記事を掲載しました。
GM-7の不調〜検証編〜
デトゴム直下の部分が刀のツバのように膨らんでいる現行のデトネーター形状ではデトゴムの消耗が早く、ここを削り落として初期GM-7のものと同じ形状にすればデトゴムの消耗が改善される
という内容です。
この記事への反響は大きく、参考にしてくださっている方も大勢おられるようです。

で、実際に試された方の反応は様々で、「劇的に調子が良くなった」という方もいれば、「全然効果がない」という方もいらっしゃいます。
そもそも「現行のデトネーターでも問題なく快調に発火できている」との意見も見られます。

当方、理論的な事は分からないのですが、あらためてこのデトネーター形状による効果の違いを検証してみる事にしました。

未発火のGM-7を使用し、デトネーター形状の違いによるデトゴムの消耗具合を比較します。
使用するデトネーターは1本だけで、
1)ノーマルのまま
2)ノーマル形状からツバのエッジを少し落とした状態
3)ツバを完全に削り落とした状態
…の、3パターンでテストを行います。

本来であれば(1)と(3)だけを比較すればいいのですが、ノーマル形状でも問題なく動く個体があるため、エッジ部分のわずかな仕上げの違いによって消耗度に差が生じているのではないかと考え(2)のような状態でも実験してみます。見た目は変わりませんが、触った時に指先でなんとなく違いを感じる程度にエッジを丸めました。

検証は以下の条件で行います。

●使用機種は未発火のタクティカルベーシック2。樹脂オープンカート50発、8マキシマガジン3本。

●各デトネーターで発火し続け、デトゴムが何発で限界に達したかを比較する。

●発火はメトロノームのリズムに合わせ、秒間2発のサイクルで行う(テンポ120)。

●マグチェンジは10秒間。

●マルファンクション発生時は速やかにクリアし、発火を続行する。

●マルファンクションやバーストが発生した場合、排莢すればカウントし、排莢しなければカウントしない。これは装弾不良や不発はバレル内の汚れが原因である事が多く、デトゴムの消耗度とは関係がないため。逆に排莢不良が発生した場合はデトゴムが原因である可能性が高い。今回はデトゴムの消耗度を測る事が目的であり、銃の性能テストではないので、作動性については問題にしない。

●閉鎖不良や排莢不良が連続で発生したら、タニオ・コバ推奨の簡易クリーニングを行った後、発火を続行する。

●50発を消費した時点でバレル、デトネーター、カートのフルクリーニングを行う。

●クリーニングしても調子が戻らない時点でテスト終了。


検証動画です。


◆結果◆

ノーマル形状 43発
2〜3マグでデトゴムがヘタる個体もある(自分も経験済み)事を考えればまずまずの結果です。きっと当たりに近い個体なのでしょう。しかしGM-7発売当時に、その快調さに衝撃を受けた者としては、あまり調子がいいとは言えません。
火薬やデトゴムのカスによる閉鎖不良が発生する事なく、いきなりデトゴムが寿命に達しました。

ノーマル形状エッジ落とし 51発
少しだけ向上が見られました。
数だけを見ればノーマルと比較しても誤差の範囲と考えられますが、銃の挙動が違うような気がします。30発を超えたあたりで閉鎖不良が発生しはじめ、簡易クリーニングによって解消しました。
射手の感触としても、なんとなく調子がいい気がします(気のせいかも知れません)。


加工デトネーター 71発
ノーマルと比べて約30発の差が出ました。これは誤差の範囲ではないと思います。
エッジ落としと同じように30発を超えたあたりから閉鎖不良が発生し、簡易クリーニングによって解消しています。


今回の結論。
デトネーターのツバを削り落とした場合に、一定の効果が得られた。使用したのは未発火のGM-7だったため、検証中に各所が擦れて「銃の調子が良くなったため」と考える事もでき、厳密な検証とは言えないが、その点を考慮しても約30発の差は大きいと思う。
ノーマル形状のエッジを丸めた場合も、わずかに向上が見られた。発火時、デトゴムには極めて大きな負荷がかかっているため、デトネーターの仕上げがデトゴムに影響を与える事は想像に難くない。
「ツバを削り落としたけど効果がなかった」という方は、ヤスリやペーパーなどでエッジを丸めて再度試してみて頂きたいです。


今回は比較実験であり、銃(デトゴム)にかなりストレスがかかる条件で検証を行いました。従って「普通の発火」であればデトゴムはもう少し持つはずであり、今回の結果がイコール「通常使用時のデトゴムの寿命」ではないという事をご理解ください。
経験上、GM-7のデトゴムはもっと持つはずと考えています。
次回は少し条件を変え、デトゴム1本で100発発火する方法を探っていきたいと思います。


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