2016年05月31日

デトニクスPFC発火への挑戦の続き


以前、CAWのデトニクス(MGCリバイバル)をPFCで発火するという実験を行いました。
さほど調整する事なく、爆音プラグのロングタイプを使用して発火したところ、まあまあ良い動きを見せました。
ただし当初の懸念通り、ややパワー不足なのと、不発も発生しました。
またコメント欄では、同様に試した方が、まったくブローバックしなかったり、不発が頻発したという報告を頂きました。

原因はおそらく、デトネーター先端の形状と、プラグとの相性にあるのだと思います。


写真のデトネーターは、左がCAWデトニクス、中央が新日本模型のコマンダー、右は年代不明ですが、比較的古いMGCのコマンダーです。
デトニクスとコマンダーで全長が違うのは当然ですが、先端にご注目ください。

左2本は先端の角度が緩やか(先端より遠いところからテーパーが始まっている)で、右の物のみ角度が急(先端に近い所からテーパーが始まっている)です。
手持ちのGM12系のデトネーターをいくつか確認したのですが、すべて左2本と同じ角度で、右端のデトネーターのように角度が急なものは他に見つかりませんでした。スモールカート用のデトネーター先端は右端のような角度なので、リアルサイズ化された初期の頃がこのような形状だったのかも知れません。

で、全長は同じでも、このように先端形状が違うと、当然ながらプラグのはまり具合が変わって来ます。爆音プラグでは、その違いが顕著になります。

先端の角度が急なデトネーター(右)のほうが、プラグが浅くはまります。おそらくこれなら問題なく作動すると思います。
左のように深くはまってしまうと、デトネーターとプラグを足した全長が短くなるわけですから、不発が起きるしパワー不足に至る事が想像されます。
太いデトネーターを削って細くするのは比較的容易ですが、細いものを太くするのは困難なので、こりゃあ専用のデトネーターを自作しないと無理かなと思っていました。
他には、プラグを長くするという方法もあります。そっちのほうが手っ取り早いので試してみました。

左はマックジャパンが試験販売している、+Pカートリッジに付属のプラグです。

ロングプラグ(右)よりもさらにロングです。
ロングプラグではパワー不足なので、この+P用プラグを使用しての発火テストをしてみました。

結果は、
不発も暴発もなく、キャップにもしっかり穴が空いてパワー十分です!
…ところが、手の感触では十分なパワーを感じるのに、排莢に勢いがありません。
おそらく、プラグを長くした事でカート内部でのピストンストロークが短くなった事が原因と思われます。なかなかうまくいかないものですね。
が!プラグをちょっと加工すればこの問題も解決できそうな予感。そのテストはまた後日行います。
  

Posted by Red at 20:37Comments(0)モデルガン

2016年05月29日

USPディスコネクター加工

モデルガンパーツショップM9のブログで、タナカUSPのディスコネクターを加工し、スライドの動きを滑らかにする方法が紹介されていたので、試してみました。
USPはノーマルの状態では、うまく発火・ブローバックしても、スライドの動きがもっさりした印象を受けます。それが解消できるというわけです。


やり方は、ディスコネクターの角を削って丸めるだけです(削りすぎに注意)。

ついでに、スライド側のディスコネクターが接触する部分も、ほんの少しだけ角を丸めました。


これで銃を組み上げて作動させてみたところ、手動でもスライドの動きが滑らかになったし、発火時もスライドのスピードが早くなったと感じます。

「劇的に」というほどではなく、「わずかに」ですが、ギリギリの強度、微妙なバランスで成り立つモデルガンの作動においては、そのわずかな違いが重要だったりします。

ちなみにタナカのUSPは非常にリアルに出来ていますが、それ故にフレームもスライドも極めて薄い箇所があり、破損しやすくなっています。
6月の再販分ではもう無理な話ですが、いずれは改良を望みたいです。
  

Posted by Red at 19:59Comments(0)モデルガン

2016年05月27日

サビ止めの結果

マルシン製ガバメントのエキストラクターが錆びやすいので、

ローバルという防サビ剤を試してみました。
1ヶ月が経過したので、結果報告です。

エキストラクターを脱脂し、ローバルを吹き付けた状態がコレ。

1ヶ月間、不定期に発火しました。200発以上は発火していると思います。その間、エキストラクターを取り出したのは2回。あとはスライドにセットしっぱなしで、発火後のクリーニング時には、ブリーチフェイスと一緒に、清掃できる部分だけ(爪の部分だけですけど)、汚れを落とす程度の手入れです。

1ヶ月後の状態がこちら。

ブリーチから露出している爪のあたりは、カートのリムと当たったり擦れたりするので剥がれる事は想定していました。

問題は中央の上部です(射手から見ると右側)。

カートの保持力を調整するために、エキストラクターを少し内側へ曲げてあるため、中央部分がスライド内側に接触し、防サビ剤が剥げてしまっています。当然、その箇所がサビています。カートを保持した時のエキストラクターの動きか、出し入れの時に擦れているのでしょう。

う〜ん、結構剥がれやすいなぁ。自分のやり方が悪いとか、素材との相性が合わないとか、原因はあるかも知れませんが、キャロムショットの塗料とかのほうが耐久性がありそうな気がします。
  

Posted by Red at 21:57Comments(4)モデルガン

2016年05月20日

USP再販


タナカの6月の新製品が発表されました。モデルガンは、リボルバー3種類のほか、USPがまた再販になるようです。
USPは昨年9月に再販されたばかりで、それまで5年ぐらい再販がなかったので、次の再販もだいぶ先になると思っていました。
再販されるとパーツの供給が安定するので良い事です。
実銃のUSPももう古い部類に入るようになりましたが、まだ第一線でも使われている銃なので、数少ない現代的なモデルガンと言えると思います。懐に余裕があれば、もう一挺ぐらい買っておきたいですね。
エキストラクターの調整によって、PFCカートでも安定して排莢するようになりましたが、先日モデルガンパーツショップM9のブログに、ディスコネクターの角を丸める調整方法も紹介されていました。スライドの動きがよくなるそうなので、こちらも今度試してみようと思います。
  

Posted by Red at 01:01Comments(5)モデルガン

2016年05月12日

不発知らずのCPF/Wキャップカート


C-TecのWキャップカート【CPF】についてもう少し書きます。

先日の記事で、「不発が起きない」と書きました。
その後発火しても、不発はゼロです。
マルシンのモデルガンは、CPカートほど打撃力を必要としないPFC向けに作られているので、他社モデルガンと比べてハンマースプリングが弱いです。それでCPカートを使うと、打撃力が不足して不発となる事があります。しかしこのCPF/Wキャップカートでは不発がゼロ。これには少々驚きました。

下の写真は従来のCPカートに空キャップとインナーをセットし、デトネーターの付いたバレルに入れて、プライマー部分を押した状態です。

これだけプライマーが移動します。逆に言えば、これだけ押し込まなければ発火しないという事です。
実際には火薬ぶんの厚みがあるので、もう少しストロークは短くなると思いますが、まあ大体こんなものでしょう。

同じようにCPF/Wキャップカートに空キャップをセットして押し込んでみた状態がこちら。

明かにストロークが短いです。少し押し込めば発火するという事です。

リムケース部分の合成画像。

寸法から考えると、火薬ギリギリのところにFピンがセットされているようです。
普通のカートリッジでは、これだけFピンと火薬が近いと、なんらかの衝撃が加わってFピンが少し動いただけで火薬と接触し、暴発する危険があります。
しかし、以前の記事で述べた通り、CPF/Wキャップカートは、従来のCPカートと異なり、Fピンがケースに固定されて動かないので、ここまで火薬と接近させる事ができるのでしょう。
それでもプライマーとキャップ火薬が動くと暴発する可能性はあるので、その不安は拭えないですが、この発火性能は特筆すべきだと思います。

現在マルゴーで購入できる製品は、パワーがかなり強く、銃に負担がかかる物でしたが、まだモニター販売という事で、今後改良される事でしょう。
抜群の発火性能はそのままに、パワーがマイルドになれば、かなり遊べるカートリッジになるはずなので、楽しみです。
  

Posted by Red at 00:12Comments(3)モデルガン

2016年05月08日

やはり強力なCPF/Wキャップカート


C-Tecの新しいカートリッジ、CPF/Wキャップですが、先日の記事でも書いた通り、やはりパワーが結構強いようです。

マルシンの92FSで発火したのですが、比較的新しいバレルにも関わらず、30発も発火すると、

バレル基部のショートリコイル用ガイドが大きく変形しています。

あと少し発火するだけで、

このようにピンより後ろが完全になくなるのは目に見えています。

こうなると、インナーシャーシのガイドレールがバレルを保持できなくなり、

バレルがシャーシから外れ、後端がせり上がってしまいます。
バレルが破損するだけなら大した問題ではありませんが、せり上がったバレルがスライドを割ってしまうので深刻です。
これは別にこのカートを使用せずとも、マルシンベレッタの弱点のひとつであり、通常の使用でも発生するトラブルです。しかし、やはりこのカートの使用による消耗は激しい気がします。
マルシンのベレッタは、当初バレル基部のピンは存在しなかったようですが、いつからか補強ピンが打ち込まれるようになりました。しかし対策としては不十分な気がします。タナカのグロックのように、この部分全体を金属製にしてほしいところですが、今のマルシンがそれをやってくれるとは思えません。

対してタナカ/MGCの場合は、インナーシャーシのレールがフィードランプ裏側からシャーシの前部まで続いているため、バレルの一部のみに負荷がかかりにくい上、もしも一部が破損したとしても、マルシンのようにシャーシを乗り越えてバレルがせり上がるという事態は、起きにくい設計になっているようです。
実銃の写真を見ると、マルシンの設計のほうがリアルですが、やはり発火するならMGCだという事を改めて感じます。

タナカM9エボリューションでも発火しました。

少ししか発火していないのでバレルやスライドなどに異常は見られませんでしたが、やはり不安になる強さです。
リコイルスプリングは強くしたほうが安心できそうです。

誕生したばかりのCPF/Wキャップカートですが、非常に面白みのある意欲作だと思うので、マイルドキックバージョンの発売が待たれます。
  

Posted by Red at 17:11Comments(6)モデルガン

2016年05月06日

C-Tec9mmダブルキャップカート【CPF】


斬新なカートリッジを精力的にリリースしてくれているC-Tecが、今度はオート用の9ミリダブルキャップカートを製作。マルゴーでモニター先行販売されているので、買って来ました。
マルシンとタナカのベレッタ92系、その中でもHWモデルに向けた商品です。
その名もCPF/Wキャップカートリッジ。

MSGKenkenさんが、早々に動画をアップされているので、まずはそちらをご覧頂いたほうが良いかと思います。

かなり快調に作動しているので、期待しての購入です。

ダブルキャップカートは、これまでも様々な物が考案されてきましたが、このカートは構造が非常にユニークです。


マニアの方なら見ただけで大体の理屈は分かると思いますが、一応説明すると、
 ●後方からの打撃でプライマーと火薬1が前進
 ●火薬1がFピンに当たって発火
 ●Fピンはガス抜き穴のある中空構造で、そこを通って火花が前方へ抜ける
 ●抜けた火花が火薬2に引火
 ●ガス圧により火薬2のキャップとインナーが前進してブローバック
 ●火薬2の底に穴が空き、インナーを通ってマズルへガスが抜ける
という仕組みです。

CPカートと違い、Fピンはピストンの役割を持たないため、Oリングなどはありません。

これを見た時に「OリングがないとFピンがカート内で動いてしまい、火薬1に接触して暴発してしまうのではないか」と不安になりました。

しかし、よく見ると、

リムケースの内側に段が付いていて、Fピンを入れると、

こんな具合でフタをするように固定され、これ以上は下(後方)へ行きません。
つまり火薬が前進しない限り、Fピンと火薬が接触する事はないわけです。
さらにブレットケースをかぶせて閉めると、Fピンは前へも移動せず、完全に固定されます。
一見するとCPとPFCを合体させたような構造に思えますが、MSGKenkenさんが動画内で述べられている通り、リボルバーとPFCの合体という方が適していると感じます。

インナーは横から見ると爆音プラグに似ていますが、

内部が一段下がっていて、デトネーターが奥まではまるようになっています。

マルシンのHW製ベレッタ92FSを使用し、お楽しみの発火です。

これは…面白い!
マズルフラッシュがハッキリと見え、発火音はやや低音がかった重みのある音です。
作動も非常に快調。

24発ほど発火してみましたが、一度も不発が起きませんでした。これは気持ちがいい。
マルシンの銃はハンマースプリングが弱いため、CPカートを使用すると打撃力が不足し、不発が起きる事があります。
このカートで不発がないのは、火薬と近い位置でFピンがしっかり固定されているためではないかと想像します。

パワーは少々強めです。その事は説明書にも記載されていて、貴重モデルなどでは使用できません。また予備バレルは用意したほうが良さそうです。
92F用という事で、タナカのグロックやSIGなどに対しては明かにオーバーパワーなので、使用は避けたほうが良いでしょう。

しかしこれはかなり面白いカートなので、他の銃にも使えるマイルドキックや、.45ACPなど、今後の展開に期待です。
  

Posted by Red at 19:24Comments(0)モデルガン

2016年05月03日

マルシンガバ、フィードランプ切削


しばらく続けてきたマルシン製ガバメント(キット)の調整ですが、これで最後です。
最後まで悩まされたのはフィーディングトラブルです。
マガジンにフル装填すると、1発目と2発目を発火後、高確率で次弾がチャンバーに送り込まれず、

このようにエジェクションポートから飛び出してしまいます。

エキストラクーの爪を少し削り、スムースにリムをくわえられるようにしたところ、少々マシになった気はしたのですが、本質的には間違っていたようで、完全には解消されませんでした。
コメント欄にて「マガジンを疑うべし」というアドバイスを頂戴し、確かにその通りだと思い、マガジンを検証する事にしました。

タニオ・コバのマガジンを使用して発火。
すると、トラブルゼロ。スムースに送弾されます。

ここでマルシン以外の機種であれば、純正マガジンの使用をやめ、タニコバマガジンを使う事にすれば、手っ取り早く問題は解決するのですが、マルシンガバはグリップが僅かに短いため、純正以外のマガジンを使うと、ボトムが少し飛び出てしまうのです。作動には問題ありませんが、カッコ悪いのでこれは避けたいです。

というわけで、純正マガジンを何とかしようといじりはじめました。
まずはフォロアーのみタニコバのプラ製フォロアーを入れてみて検証したところ、やはりフィーディングトラブルが発生。原因はフォロアーではなく、おそらくリップ形状だという事が分かりました。
リップをグニグニと曲げたり、スプリングを少し切ったり、色々とやり始めたところで気付きました。
これはドツボにはまる。
僅かに閉める、広げる程度のリップ調整ならともかく、本格的にやりはじめると大抵うまくいかないし、うまくいっても大変な時間と労力を要する事が多いです。
しかも予備マガジンを買う度に同じ事をやらなければならないと考えると、やはりこれは銃本体側で解決すべきだという結論に至りました。

というわけで、最初にやろうと思いつきながら、やらずにいたフィードランプの切削です。
初弾や2発目がマガジンから抜ける時は弾頭側が下を向く性質があるため、インナーシャーシにほぼ垂直に激突します。そこへさらに後ろから無理矢理押されるために、想定外の方向にカートが弾け跳んでしまうと推測されます。

矢印のあたりが最初にぶつかる場所のようなので、この辺を中心に削り込み、シャーシに当たるタイミングを遅らせます。削った箇所が自然な形になるように、全体も少し削って形を整えました。

テストしたことろ、正解でした。初弾〜2発目も確実にチャンバーへ送り込まれます。

これでほぼ100パーセント快調作動となりましたので、マルシンガバの調整はひとまず終了とします。
しかし、マルシンガバの場合は、Fピンの破損やブリーチの変形、さらに先日書いたカートの変形などの問題があり、「ガンガン撃っても壊れない」とはいかないのが残念なところです。しかし価格の安いマルシンのガバメントが、モデルガンの入門機という位置付けであるのは事実なので、今後も販売を続けてほしい商品です(値上がりしてしまいましたが)。

あ、エキストラクターのサビ止めテストは続いており、結果は後日書きます。
  

Posted by Red at 14:09Comments(6)モデルガン