2022年05月10日

グロックのストレートブローバック化


タナカのグロック17をストレートブローバックにしてみました。


このような形状のパーツを設計。樹脂で3Dプリントしてテストした後、チタンで造形しました。
バレルの下にあるバレルサポートというパーツを取り外し、代わりにこれをつけます。

Lを横にしたような部分がシャーシに引っ掛かり、バレルが後退しなくなります。ブローニング式ショートリコイル(疑似)の動きをキャンセルするのです。
バレルが後退しないとマガジンからチャンバーへのカートの送り込みに支障が出るので、フィードランプを延長しているわけ。


スライドを引くとバレルがダストカバーよりも突き出たままだという事が分かります。
タナカのグロックは最初からチャンバー上部が一段下がっているので、特に加工しなくてもスライドの内側と干渉する事もないようです。

バレルが動かず、スライドだけが動くので、スライドを手で引いてみても余計な引っ掛かりがなくスムースに動く事が実感できます。
そして発火テスト!

これまで200発ほど発火しましたが、大きな不具合は発生しません。
撃ち心地がやや違う感じがしますが、これもバレルが動かない事による変化でしょう。

さて、なぜこのような事をやっているかと言うと、いくつか理由があります。

1つは作動の安定性を図る事です。映画などに使われるプロップガンも、ショートリコイル方式の銃をストレートブローバックにする事が多いようです。これは実銃ベースのブランクガンを使う海外でも同様です。余計な動きを排除する事でジャムは起きにくくなります。
そして実際に試してもフィーディングトラブルは少ないです。

そしてもう1つは破損対策の試行錯誤です。
下の画像は過去に自分が壊したグロックのスライドの1部です。

上2つがHW、下2つがABSです。
HWはアゴが完全に吹き飛んでいますが、さすがのABSはクラックだけです。
注目すべきは、ABSスライドのまったく同じ箇所に、同じようにクラックが入っているという点です。この2本だけでなく、ABSスライドのクラックはほぼ確実にココに入ります。そう思ってHWのほうを見ると、ABSのクラックと同じラインで割れている事が分かります。

スライドの破損は、不発と並んでグロックの永遠の対策テーマで、自分も過去に何度も「破損対策」の記事を書きましたが、どの方法を試しても確実に破損を防ぐ事はできません。また先頃タナカが発売した『EVO2改』仕様では、スライドの内側に金属パーツを取り付ける対策が施されていますが、それでも同じようにクラックが入った事例があるようです。

同じように割れるという事は、単に素材の弱さとかだけでなく、この1点に特に負荷がかかっていると考えられます。
その負荷の原因は何なのか?
分かりません!
というわけで色々と試しているのです。
ブローニングタイプのショートリコイルは、バレルが後退するだけでなくティルト(上下に傾く)しますから、その動きが悪さしているかも知れないという仮説を立ててのこのテストです。バレルが固定されスライドが真っ直ぐ後退するだけならバレルがスライドに影響を及ぼす可能性は低いです。
これでもスライドが同じように壊れるなら、バレルの動きは関係なかったという事になります。とにかく色々と試して可能性を潰していくしかありません。

先に述べたように発火性能に関してはショートリコイルしないほうが調子は良いです。
しかしモデルガンの疑似ショートリコイルは、ユーザーの無い物ねだりにメーカーが応えて工夫を凝らし再現してくれた、努力とアイディアの結晶です。そのショートリコイルをキャンセルするのはとても心苦しく、できるならショートリコイルは活かしたまま遊びたいです。ホールドオープンした時もカッコ悪いし…。

でも、意外とこのストレートブローバックバレルが需要あるみたいで、多くの方からパーツが欲しいと言われました。まだ設計を若干修正しますが、形になったら何らかの形で販売も検討します。やっぱりみなさんグロックには苦労してるんですね…。自分だけじゃなくて良かった(笑)。

スライドの破損対策にはならなくても、このパーツ形状だとバレル基部の破損防止にはなるはずです。
またグロック18(C)はスライドの動きが速いので、このバレルにしたほうがフィーディングが安定するでしょう。

テストを続けます。
  

Posted by Red at 00:09Comments(15)モデルガン

2022年05月01日

GWビクトリーショー/タニコバ社長も参戦!


本日は都立産業貿易センター浜松町館にて第99回ビクトリーショーが開催されました。
ゴールデンウィーク、さらに宣言や措置などが出されていない中での開催という事で大変な盛況でした。馴染みのブースで話を聞いても、前回に比べて大変よく売れたそうです。
当方は2020年からディーラー出店を控えていますが、世情を見ながら出店再開も考えようと思います。

本日最も驚いたのは、タニオ・コバの小林社長が出店されていた事です!
何のアナウンスもせずに出店しているので、「小林社長っぽいなぁ〜」と思いながらも一度スルーしてしまったほどです。気付かなかった方も多いと思います。
メーカーとしてというよりも、社長個人での出店という感じで、ブース名は“コバさん屋”(笑)。奥様と2人で、ホルスターや洋書などを販売されていました。

貴重なホルスターの数々。
そんな中で当方が購入したのは、

イングラム用ホルスターです。
ハーネス無しなのでお値打ち価格。
これは社長が海外から持ち帰った本物で、これを参考にMGCでホルスターを製作されたそうです。ただMGC製はマガジンなども入るホルスターは見た事がありますが、このタイプを私は見た事がありません。


ちょうどイングラムがマイブームですし、社長から直接購入できて良かったです。
久しぶりに元気そうなお姿も拝見できて嬉しかったです。


銃を入れる向きはこれで合ってるのかしら?
よく分かりませんが、とても良い戦利品となりました!
  

Posted by Red at 23:09Comments(3)モデルガン