2017年04月05日

P8のバレル補修(失敗例)

P8のバレル補修(失敗例)
「エボリューションHP」シリーズとして登場したタナカ製P8/USPは、従来品の問題点が見直され、とびきりの発火性能を誇っています。

購入初日に気付いた変更箇所のひとつとして、バレル底部のネジがあります。
P8のバレル補修(失敗例)
バレル基部の下にネジが2本締めてあります。
この部分は旧USPの泣き所のひとつで、破損しやすい箇所でした。
下写真は旧USPの破損したバレル基部です。
P8のバレル補修(失敗例)
ショートリコイルするためのロッキングピースと噛み合う箇所がなくなっています。
ここはバレルがティルトする際にロッキングピースと擦れて摩耗する上、発火の衝撃で持ち上がろうとするバレルを受け止める箇所でもあり、極めて強い負荷がかかるようです。
このように破損すると、ロッキングピースでバレルを保持できなくなり、バレル後部が持ち上がり、スライドを壊してしまいます。
P8のバレル補修(失敗例)
ポート付近にクラックが入っています。
このスライドはABS製なのでヒビが入るだけで済んだため、うまく接着して表面を仕上げ直せば問題なく使用できます。しかしHW製スライドだと割れてしまうでしょう。
バレルの破損だけならともかく、スライドの「もらい事故」は回避したいと思うのは当然ですから、HP化されたバレルに追加されたネジは、この問題への対策と思われました。
しかし「ここにネジを追加する事で、どのような効果があるのか???」はイマイチよく分かりませんでした。グロックの場合にはバレル基部を金属の別パーツとし、それを下からネジで固定していましたが、P8/USPのバレルは、ネジがあるだけだからです。

そうこうしているうちに、このHP化された新バレルも破損。
P8のバレル補修(失敗例)
発火数150発を越えたあたりで、問題の箇所が写真のように小さく欠けました
反対側は無事なのと、毎発火後に注意して観察していたために早期発見できたためにスライドを傷つけずに済みましたが、底部のネジは根本的な対策とはならないようです。

で、このバレルの補修を試みました。
せっかくネジ穴があるので、それを活用しようと考え、
P8のバレル補修(失敗例)
思い切って問題箇所をすべて削り落とし、自作した別パーツを取り付けました。
P8のバレル補修(失敗例)
素材はナイロン樹脂です。
固い金属で作ると、今度は接する側のロッキングピースが削れてしまいます。どちらも摩耗・変形せずに済むならそれが一番ですが、無理そうなのでバレル側の基部を安い樹脂で作り、傷んで来たら交換する消耗品とする方針にしました。
P8のバレル補修(失敗例)
発火・作動は問題ありません。
これイケるかも!?と思ったのですが、数十発発火すると、
P8のバレル補修(失敗例)
追加した樹脂の部分は無事ですが、その上がネジのところから割れてる!
どうやら別パーツ部分が引っ張られた時に、それを保持しているネジだけに負荷がかかるようになるみたいです。だからタナカはグロックのようにはしなかったのかも知れません。
だったらなぜネジがあるのか?は未だ不明のまま。
この別パーツ作戦は良いアイディアだと思ったのですが、諦めてストックしてあった旧USP用のバレルに換装しました。

極めて完成度の高いエボリューションHP版のP8/USPだけに、この部分は非常に惜しいと感じます。
発火する以上、バレルは消耗品と割り切るべきですし、ショートリコイルをこのメカで表現する以上、限界があるのかも知れませんが、もう少し寿命は延ばしたいですね。


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この記事へのコメント
残念ですね。
バレル基部の二本のネジは、バレル重量UPの為だったのでしょうかね?
Posted by とんぼ at 2017年04月05日 21:28
初めまして。いつも楽しく拝見させていただいております。

当てずっぽうで申し訳ないのですが気になったのが別パーツにした部品上部を直角、もしくはZ字形状にし、バレル側との合いを寄木細工のようにすればネジ部に横の応力がかからず亀裂しなかったのでは?と感じました。思いつきですみませんが御参考まで。
Posted by mimu at 2017年04月05日 22:13
>とんぼさん
ネジは補強の効果があるのか、バレル破損時にスライドを割らないためのストッパー用なのか、
はたまたタナカも別パーツ案を模索した名残なのか…不明ですね~。

>mimuさん
ご意見ありがとうございます。
おっしゃる通り、バレル基部と別パーツを噛み合うようにすれば、耐久性は増すと思います。
しかし、その形状に加工するのが大変そう。。。
その手間とバレルの新調と、どちらが経済的かというところですよね〜。
Posted by T.K.RedT.K.Red at 2017年04月06日 23:19
始めまして。
タナカのH&K P8 なかなか快調ですね。
ただ、私の個体は初期組み立て不良で、
発火させた際 スライドが破損。
タナカへ修理依頼をした経緯があります。
戻ってきた製品のバレルですが
下部のネジは無くなっておりました。
二次ロットからはネジが無くなった
のではないでしょうか。
Posted by MGリターンず at 2017年04月07日 19:05
>MGリターンずさん
ハズレ個体に当たってしまったようで、災難でしたね。
戻って来たバレルがネジ無しだったという事ですが、USPのエボHPはネジありなので、二次ロットでの
変更かどうかは、まだ不明です。単に、部品在庫の関係で従来のバレルを使用したとか?
いずれにしても、修理済みがネジ無しという事は、ネジの意味はあまり無いという事を意味していますね。
情報ありがとうございます。
Posted by T.K.RedT.K.Red at 2017年04月08日 09:33
私のP8もバレル基部が破損してしまいました。しかも同時に跳ね上がったバレルでスライドも破損...。
累計発火数120発ほど。あまりにも短い命でした。
Posted by kG at 2017年04月30日 18:46
>kGさん
自分の印象でも、100発を越えたあたりからバレルの損耗が目立ち始め、120〜150発ぐらいが限界という感じです。
とてもよく出来たモデルガンなだけに、ぜひこのバレル問題も解消してもらいたいです。
タナカさんに期待します!
Posted by T.K.RedT.K.Red at 2017年05月01日 00:02
 
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