2022年06月19日

V10のバレルを作る(2)


前回:V10のバレルを作る(1)

MGCのV10ウルトラコンパクト用のバレルを、GM-7バレルを加工して作る後編。
前回はGM-7バレルを切断し、コーン部分をかぶせてポート空け、ロッキングラグとチャンバー後部の加工、バレルリンクおよびフィードランプの取り付け、チャンバーカバーの製作などを行いました。

ここまでやれば問題なく作動するという自信がありました。
GM-7バレルをMGCガバにスワップするのは過去に何度もやって来たからです。
実際、手動での操作や装填/排莢は問題なくできます。

ところが実際に発火テストを行うと、作動不良が頻発しました。

こんな感じで、バレルが前に傾いて止まってしまうのです。
ロッキングラグの削りが甘いのかと思いましたが、追加工しても改善されず。
こういう状態になると、スライドは戻っても以後バレルがショートリコイルの動作をしなくなります。

原因を探ったところ、

リコイルスプリングガイドが傾いている事が分かりました。
この状態のままスタックしているのです。

なぜ斜めになったまま動かないかと言うと、、、
リンクとガイドが斜めに嵌まって動かないのかと思ったらそうではなく、ガイドがバレルに嵌まっているみたいです。

V10やデトニクスのリコイルスプリンガイド後端は、動きをアシストするため(?)のラグが2本あるのですが、このラグがバレルリンクの溝に嵌まり込んでしまっているのです。

MGCのバレルとの比較。

左がMGCで右がタニコバ。
タニコバのバレルは、リンクが厚いために溝が広いうえ、付け根のところもMGCより深く切り込まれています。
このせいでリコイルスプリングガイドが嵌まり込んで動かなくなっているようです。

溝の幅を狭くするのは大変なのと、リンクも薄くしなければいけないために、とりあえず付け根のところを塞いでみる事にしました。

金属パテ・ジーナスで埋めました。
これで発火テストを行ったところ、スタックする事はなくなりました!対策としては正解だったようです。

ただ、3マガジンほど発火したあと確認すると…

埋めた部分が押し込まれるように外れていました。。。
パテの強度は十分ながら、リコイルスプリングガイドが押す力は相当なようです。

そこで今度は溝の周囲を1mmほど掘り、


そこへ厚さ1mmのABS板を埋めるように貼りつけました。こうすれば押し対する耐性はあるはずです。


というわけで発火です!
まずは一般的なCPカート(C-Tec製マイルドキック)で。デトネーターはBWC製のCPカート用です。

快調作動!
埋めた部分も無事です。

良い感じなので、今度はダブルキャップでの発火です。
これを試すためにこのバレルを作ったようなものです。

C-Tec製のWキック+Pというカートです。

こちらは以前発売されたダブルキャップカート、Wキックとほぼ同じなのですが、Fピンの頭にポケットがあります(中空の穴ではない)。
このポケットに、少量のシリコンオイルを注しておくと、凄まじいマズルフラッシュを実現するというかなりホットな製品です。


GM-7用の専用デトネーターで発火。

スロー映像。


ポートから見事にV字の火が吹き上がっています。これは面白い!


銃口の上半分を塞ぎ、インサートの上を通るガスをVポートからだけ出すようにしましたが、しかしC-TecのWキック+Pの実力なら、このような小細工も必要なかったかも知れません。

シングルキャップ及びダブルキャップ合わせて11マガジン発火した後のバレル基部。

若干攻め込まれていますが(笑)、弾力のあるABS板なのでとりあえず大丈夫そうです。
これでダメなら、横穴を空けてピンを打ち込む事も検討しないといけません。


V10を発火するのは初めてだったのですが、デトニクスよりも安心感があると感じました。
それはデトニクスよりもわずかにスライドが長いからです。
コンパクトモデルではスライドのアゴの破損という懸念がありますが、このわずかな長さの違いによって、壊れそうだという感触があまりないです。それはMGCの純正バレルで発火しても同じ印象です。どちらかと言うとコマンダーを撃っているのに近い感触です。

とても優れたモデルガンだと思いますが、モデルガン低迷期に発売された製品なので、生産数も少なく、中古市場でもあまり出回っていません。
CAWにはこういうモデルのリバイバルをしてほしいなぁと思います。

  

Posted by T.K.Red at 18:17Comments(0)モデルガン