2022年06月10日
V10のバレルを作る(1)

MGCのV10ウルトラコンパクトです。バレルに空けられた10個のポートが特徴的なコンパクトガバです。
1911系のモデルガンはタニオ・コバのGM-7やそのカスタムで網羅されつつありますが、このV10は未だGM-7ではモデルアップされていません。まだまだMGCガバも現役という事です。
さて、このV10用のバレルを、GM-7用バレルで作ろうと思います。
その理由としては、
1)オリジナルバレルが壊れたらパーツ調達が困難
2)タニコババレルは壊れにくい
2)各種デトネーターを用いて様々なカートが使える
などなどです。
まずはともかくタニコバのバレルをぶった切ります。

インサートが複雑怪奇な形でバレルの樹脂に食い込んでいるのが分かります。これは抜き取る事なんてできないと、この断面を見るとよく分かりますね。
バレルは最終的な長さよりも5ミリぐらい短めに切りました。V10はコーンバレルなので、ここにアウターを被せて完成させます。
そのアウターを設計。

センターから何度傾けたところにポートを配置するのかよく分かりませんでした。しかもテーパーが付いているので余計に位置決めがしにくい。意外と苦戦しました。
3Dプリントが仕上がるまでに数日かかるので、それまでの間に他の加工をします。
まずはチャンバーカバーを作りました。

V10のチャンバーカバーには「マニュアルを読め」とかゴチャゴチャと書かれていますので、それを再現。
当方の安物レーザー刻印機はステンレス板にも刻印できますが、彫るというよりも焼き付けるぐらいの感じです。まあ個人用の自作なので十分です。これを曲げてバレルに貼りつけます。

GM-7バレルをMGCに流用する場合の基本加工、ロッキングラグとチャンバーの左側(赤矢印)を削りました。
ロッキングラグはチャンバーカバーと同じ高さになればOK。チャンバーの左側は1mm程度削ります。
またフィードランプも増設しました。
GM-7バレルをMGCガバに使うための変換用バレルリンク。

これはカスタムショップなどが独自に作って販売していたり、自分もDMM.makeで販売しています。
これを付ければイイだろうと思っていましたが、そうではありませんでした。
このリンクはGM-7バレルに付くように、MGCのリンクよりも約5mm厚くなっています。リンクと接触するリコイルスプリングガイドの後端は、ノーマルガバではフラット面になっているので問題ないですが、V10はデトニクスなどと同じように溝があります。厚いリンクだとこの溝に嵌まらないのです。
リンク全体を薄くするとバレル側がユルユルになってしまうので、仕方ないから溝に嵌まる部分だけを削って薄くし、なんとか嵌まるようにしました。

そうこうしているうちにコーンバレルのアウターが仕上がってきました。


これを被せるわけです。

接着はJBウェルドを使用しました。衝撃と熱に耐えられるよう、ここは強力な接着剤が必要です。
このアウターでは、以前からやってみたかった事を試しています。

マズル側から見ると分かりますが、インサートの上半分を塞いであります。
こうする事で、インサートの上を通るガスはポートだけに抜け、マズルへはインサートの下を通るガスだけが抜ける事になるはずです。たぶん。
ダブルキャップなどで発火した時の効果に期待しています。
しっかり接着されたところでポートを空けて行きます。

アウターの穴は位置決めのためで、やや小さく造形しています。これより少し大きめのドリル刃で穴を空けます。
直径は3mm。
穴が空いたところで仮塗装してみました。

とりあえず形にはなりました。発火しないならこれで十分。
しかし自分の場合は発火を楽しみにこれを作っています。実際に発火テストをしたら作動が不十分でしたので調整が必要です。
というわけで続きます。